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1章 二学期中間テスト
介護言うな!あれ思ってるより大変なんだからなぁ!
しおりを挟む俺と伊織はタクシーに揺られていた。空は自転車で帰って行った。
結果的に伊織が空を酷く怒ったり殴ったりはしなかった。俺にもこうして隣に座りながら手を繋いでくれるぐらい優しくしてくれた。
俺が言った事がワガママだって分かってる。普通の恋人同士ならどっちも好きだからどっちとも一緒にいたいなんて通じねぇだろ。
でも二人は何だかんだ俺の言う事を聞いてくれちゃうんだ。二人は我慢して、だから時々爆発するんだと思う。
「伊織、本当にごめんな」
「もういいよ。それに何度も謝られると俺が早川に負けたみたいだからもういい」
「そっか」
俺は伊織と繋がれた手をギュッと握って更に指を絡めると、伊織はニコッと笑った。
「貴哉が俺と別れるって言わなくてホッとしてるんだ。前のお前ならどっちとも付き合わねぇとか言い出してただろ」
「言ってたな。面倒くせぇからな」
「それで十分だ♡」
「今日さ、空の実家行って来たんだ。あまり空は人に知られたくないみたいだから内緒にして欲しいんだけど、なんつーか、俺んちとは全然違って、それを見たら空を一人に出来なかったんだ。俺が側にいなきゃって思った」
「それ、貴哉じゃなきゃダメなのか?」
「……今はダメだと思う」
「今は、ねぇ。じゃあ友達として一緒にいてやれよ。でも必要以上にしてやるのは間違ってるからな。それは相手を期待させるだけで結構残酷な事なんだから」
「分かってる。空が愛情に飢えてる理由が分かって、俺のしてた事は空にとって麻薬みたいなもんなんだって痛感した。それでも空が壊れない為にも俺は側にいてやりてぇんだ」
「麻薬って……それなら尚更辞めさせねぇとじゃん」
「……はぁ」
「今すぐにじゃなくてもいいから。俺もお前が離れていかないようにしっかりするから」
「しっかりぃ?さっき俺に盾ついて来たくせにぃ?」
「お前があまりにも無茶苦茶な事言うからだって。俺と早川を同じ空間にいさせるのは普通しねぇだろ」
「何でだよ?お前も空の事嫌いじゃねんだろ?」
「そうだけど、同じ貴哉を好きな者同士嫌だろ。向こうも同じだと思うけど」
「同じ者を好きなら尚更仲良く出来るだろ~」
「んじゃ、お前は俺の事好きな奴いたらそいつと仲良く出来んの?楽しくシェア出来んの?」
「うっ……出来ねぇ!」
「ほら~。つまりお前のワガママを俺達が聞いてやるって事だな」
実際伊織を好きな奴なんてごまんといるだろ。ただ飛び抜けてアピールしてくる奴がいないだけだけど、この先現れないとは考えられない。
そしたらそん時俺はどう思ってどう行動するのか……多分伊織と変わらない気がする。
「マジで恋愛って難しいなぁ!」
「それ俺も思う。ただ好きなだけじゃダメなんだもんな。こうして一緒にいられるだけでとか綺麗事だ。一緒にいればいる程欲が出てくるし」
「確かに。人と付き合うのがこんなに面倒くせぇ事だと思ってなかったわ。でも、面倒くせぇけど嫌じゃねぇんだよな。面倒くささより、一緒にいたいの方がデカい」
「俺は面倒くせぇとは思わねぇけど、一緒にいたいがデカいのは同じ♪なぁこの後貴哉んち行くけどするからな」
「だと思った。さっきも言ったけど、手加減しろよ」
「知るか。ちゃんと上書き出来るまでしてやる」
「人をデータみてぇに言いやがって!」
「幸い明日は土曜日だからな♪また腰やっちまったら付きっきりで介護してやっから♡」
「介護言うな!あれ思ってるより大変なんだからなぁ!」
「爺さんみたいだったよな」
「なぁ、伊織ぃ?俺の事好きだよなぁ?」
「もちろん♡どうした?何か欲しいのか?」
「いや、あげたいものがあるんだ」
「何くれんの?♪」
俺は思った。伊織にも爺さんになってもらおうと!俺から伊織へのプレゼントは俺の童貞だ。何度か試そうとしたが、やり方がいまいち分からないのと、やられる方が楽ってので諦めてたけど、そろそろ卒業しとかねぇとかなって思ってる。
俺から何を貰えるのかワクワクしてる伊織に、ニヤッと笑って「家に着いてからのお楽しみ」と言ってはぐらかしておいた。
今言うと誤魔化されそうだからな。ギリギリで言ってそのまま勢いでヤッちまおう♪
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