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2章 文化祭までのいろいろ
※ 今日の朝予約入れました♪
しおりを挟む※伊織side
心地良い風が吹く屋上で昼休みを過ごす。
今日は早川もいた。俺は込み上げる良くない感情をグッと堪えて何もなかったかのように振る舞った。そうすれば貴哉は喜ぶからな。なるべく早川にも普通に接するよう心掛けようと思うんだ。
貴哉はおかかのおにぎりを食い終わるとすぐに寝転がってスヤスヤ昼寝を始めた。夜遅くまで起きててゲームしてたらしいから寝不足なんだろ。
俺が貴哉の気持ち良さそうに眠る寝顔を見てると、早川が話し掛けて来た。
「桐原さん、今日貴哉と放課後デートの約束したんです。借りますね♪」
「何それ?聞いてねぇよ」
「今日の朝予約入れました♪」
「ふーん。どこ行くんだ?」
「俺も貴哉に何かプレゼントしたいんで、雑貨屋とかです。桐原さんみたいに高級ジュエリーショップには行けませんからね」
「そう言う事ね。その後は帰るのか?」
「その予定です。あまり貴哉を困らせたくないので」
「なら許可する。今日は早川に預けるわ」
「え、いいんですか?」
俺の答えに意外だと言わんばかりにビックリしてる早川。二人が想い合ってるのは知ってるけど、あまり貴哉を縛り付け過ぎても早川のとこ行かれたら元も子もないから俺は適度に二人を遊ばせようと思っている。
もちろん手を出したら許さねぇけどな。
気持ち良さそうに寝てる貴哉を見て暖かい気持ちになった。やっと手に入ったんだ。他の奴に盗られてたまるかよ。
「いいよ。ただし、友達以上の事したら分かってるよな?俺は貴哉の事になると気が短いんだ」
「分かってますよ……桐原さんは怜ちん達と帰るんですか?」
「そうなるだろうな。最近あいつら俺といたがってるから少し相手してやんねぇとな」
「人気者は大変ですね」
「早川はいねぇの?貴哉以外に仲良い奴とかさ」
「いません。俺の交友関係は広く浅くが多いんで」
「あー、そんな感じするわ。他人には心開かないタイプだろ」
「そんな事ありませんけど」
「で、やっと開いた相手が貴哉だったのか?」
「……はい。初めは貴哉の事、場違いな奴がいるなってぐらいでした。同じクラスになって、いつものように軽い気持ちで声掛けたんです。そしたらムキになって一生懸命返してくれて、俺嬉しかったんです」
「はは、貴哉らしいな。そんで?好きになったきっかけはそれ?」
「はい。そんなやり取りしてたらいつの間にか好きになってました。桐原さんのきっかけは?」
「俺も似たようなもんだな。初めは何とも思ってなかった。目付き悪ぃなぁとか思ってたし。俺と貴哉の出会いって貴哉にとってはあんま良く無かったんだけど、どんなに俺が話し掛けてもつんけんされて、面白ぇってなって構ってる内に可愛いなぁって思うようになった。俺追われるより追いたいんだわ。貴哉が逃げれば逃げるほど欲しくてたまらなくなった♡」
「それって貴哉がドストライクじゃないですか……」
「そうなんだよぉ♪こいつに冷たくされればされる程アタックしたくなるんだわこれが!んで、俺に冷たくするんだけど、少ししょげたりすると甘くしてくれるじゃん?それがまた嬉しくて♡」
「それって、俺と貴哉が付き合ってる時の話ですよね?あまり良い気はしませんね~」
「あ、悪いな。早川は元彼だったな♪」
俺はワザとニヤニヤ笑うと、早川は呆れたような顔をして笑った。意地悪を言ったつもりだったから嫌な顔をするかと意外な反応だったな。
「でも、なんだかんだ貴哉が俺の次に選んだのが桐原さんで良かったのかもって思います。俺、今はまだ貴哉の事が好きですけど、貴哉の幸せの為なら応援するつもりでいます。反対に貴哉が不幸になるようなら奪い返しますけどね」
「へー、どっちも出来んの?」
「正直難しいですけど、やりますよ。俺も男ですから」
貴哉の寝顔にニコッと笑い掛けて立ち上がる早川。
早川の言う事はとても前向きでかっこよく聞こえたけど、俺からしたら喧嘩売られてるように聞こえた。特に言い返さずにいたのは、今貴哉は俺の物だからだ。
「俺、先に戻りますね。ちゃんと貴哉を授業までに戻して下さいよ~」
「おう。また一緒にランチしようぜー」
早川はペコっと頭を下げて屋上から出て行った。
ふーん。あの早川が応援ね~。また変な風になって貴哉を苦しめなきゃいいけど。早川がそうなってくれれば今度こそ貴哉を俺だけのものに出来そうだな。そうすりゃ早川の事も良い後輩として見れるだろ。俺も早川の事は後輩としてなら好きだ。
俺達のそんな会話も知らずに昼寝し続ける貴哉を愛おしく思って俺も隣に寝転がる。
ずっとこれが続けばいいなぁ。
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