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2章 文化祭までのいろいろ
何って、金払っただけだろ
しおりを挟む俺と空は一緒に街を歩きながら話をしていた。
「にしても俺もデザイン書かされるハメになるとは……」
「部員全員で力を合わせたいからね~。最終的に票を取って一枚に絞るんだけど、俺は何種類か作ってもいいと思ってるんだ」
「怜ちんのやつに決まりそうだけどな」
「俺達の中でダントツそういうの得意だもんな!ちょっと見たけど、一条さんのも俺は好きかな~」
「へー、明日みんなの見たい!」
「昼休みに見に行く?一条さんと数馬はパソコン使ってたから結構凝ったやつだと思うよ」
「行くー♪」
「あ、見てもいいけど、真似するなよ?みんな一生懸命作ってんだから」
「わ、分かってる!見るだけだ!」
俺の事良く分かってんじゃねぇか!あわよくば一番真似出来そうなやつをカンニングしようとしていた俺。俺、美術とかデザインとか苦手なんだよなー。
「なぁ、腹減らないか?演劇部が運動部かってぐらいハードだったから腹減った~」
「何か食うか♪貴哉は何食いたいー?」
「そうだなぁ?あ、アレ食いたい!」
「アレって、クレープ?珍しい物食いたがるな」
俺はたまたま通った所にあったクレープ屋を指差す。前に直登と放課後デートして食った以来だけど、なかなかに美味かったんだ。あん時は甘いやつ食ったけど、しょっぱいのも気になってたんだ♪
俺はクレープ屋に駆け寄ると、空は自転車を停めて後をついて来た。
「ソーセージピザ!焼肉!ローストビーフ!いっぱいあるなー。あ、甘いのも食いたくなって来た!」
「はは、俺の分も貴哉が選んでいいよ。分けっこして食べよ♪」
「いいのか!?やったー♪」
優しい空のお言葉に甘えて俺はピザと生クリームのやつ二つを選んだ。そして出来上がったクレープを受け取って普通に空が支払おうとしてるから俺は急いでバッグから財布を出して支払いをした。もちろんクレープ二個分だ。
この俺の行動に驚いたのか空は一瞬固まってたけど、俺はクレープを二個持って空の自転車まで歩いた。
「貴哉!ちょ、今の何?」
「何って、金払っただけだろ」
「いや、何で払ってくれたんだ?」
「俺が食いたいって言ったんだし、ダメなのかよ?」
「俺が奢りたかったのに……」
少しブスッとしてる空。今までなら空が多く払ってくれてたもんな。でもこれからの俺は違う!伊織の影響か知らんが、俺も払う時は払おうと思うんだ。てか最近伊織に奢られっぱなしだから財布を出す機会すら無かった。
その為金はそこそこ持ってる。てか、なんなら同棲資金を貯めるんで母ちゃんの手伝いとかして地味に貯めてた金がクローゼットの中にもあるんだ。伊織みたいにバカみたいに使ってたらあっという間に無くなる額だけど、高校生らしい使い方してたら普通に楽しめるぐらいはある。
それを俺はこうして友達と楽しむ為に使おうと思ってんだ。
「そんじゃ次は空な~」
「次?」
「今度また遊んだ時だよ。そんでその次はまた俺。割り勘とかでもいいな」
「何で?どうしたの貴哉……まさか俺んちが貧乏なの知ってるから!?」
「そう言う訳じゃねぇよ。空は今どんなけ金持ってるか知らねぇけど、俺もそこそこ貯まってるからさ。それに俺も男だからかっこつけたい時だってあるんだ」
「それならいいけど。ご馳走様♪」
なんとか納得してくれた空と、少し歩いたとこにあったベンチに座ってクレープを食う事にした。
まずはしょっぱいの!
「美味い♡なぁ空も食ってみ?」
俺が「はい」と差し出すと、受け取らずにそのままパクッと食べた。うおっ!俺が食わせたみたいで何か照れるじゃん!
「うまー♪クレープとか久しぶりだわ」
「生クリームのやつも食いたい!」
「はい♡あーん♡」
「っ!!」
俺が空が持ってる方のクレープを食いたがると、当たり前かのように俺に渡さずに口元まで持ってくる空。こいつ、茶化してんのか本気でやってんのか分かんねぇなぁ。
仕方ないから空がやったみたいに受け取らずにパクッと食う。あ、甘い!俺は全部は食えないやつだ!
「甘っ!あ、あとは空が食っていいぞ」
「はは、生クリーム苦手だもんな」
「しょっぱいのと交互ならイケると思ったんだけどなぁ」
「……貴哉、さっき言ってたそこそこ貯まってるって、俺との同棲資金の事?」
「ん?そーだけど」
「嬉しい。ちゃんと貯めててくれてたんだ」
「当たり前だろ!空は貯めてなかったのかぁ?」
「貯めてたよ。夏休み中は兄貴の店手伝ったり頑張ったよ」
「あー、あれな。お前が俺を拒否ってた時な~」
「……これからはそれを崩して使っていくのか?」
「まぁ、豪遊したりはしねぇけど、普通にな」
「そっか。貴哉としたかったな、同棲」
「……お前」
なんつー答えにくい事を!
俺だって楽しみにしてたさ!でも今は伊織と付き合ってるし、そんなの「やっぱしようぜ!」なんて言える訳ねぇじゃん!
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