【完結】どいつもこいつもかかって来やがれ5th season

pino

文字の大きさ
69 / 219
2章 文化祭までのいろいろ

良い加減伊織に気を使って話してくんねぇかな!?

しおりを挟む

「桃山!」

「よう!貴哉からのラブコールばっちり受け取ったぜ~♡」

「ラブコール?」


 桃山がスマホをチラッと見せて言うと、隣から伊織の低い声がした。こいつは本当空気読めねぇなぁ!


「ただのメッセージだ!てか桃山待っててくれたのか?」

「そうだよーん♪俺も一緒に帰るー♪」

「お前茜は?待たないのかよ?」

「茜には昨日から文化祭まで集中したいから一人にしてくれって言われてんだよ。だから寂しくて寂しくて~。そんな時に貴哉からラブコール来たから飛んで来たって訳♡」

「そのラブコールって言うのヤメロ!い、伊織睨むな!送ったメッセージ見せるから!」


 怒る伊織に俺がさっき桃山に送ったメッセージを見せた。
『相談したい事あるんだけど、いつ暇?』
ほら!普通だろ!?


「相談したい事ぉ?桃山にぃ?」

「えっ!?これダメだったのか!?」

「何でも聞きたまえ!この湊くんに!」

「はぁ、まぁいいや帰りながら話そうぜ。貴哉の相談、俺も聞いてもいいだろ?」

「あ、うん。てかボラ部の事だし」

「そう言うのは部長の俺に相談しなさいっ」

「身内には話せねぇ事もあるよなぁ?何なら夜中に行ってやろうか?ベッドの中でじっくり聞いてやるよ。その後ちゃんと慰めてやっから♡」


 伊織がいるってのに相変わらずの桃山っぷりを炸裂させていた。俺の肩に腕を回して頭に頬を擦り寄せられた。こいつこんなにスキンシップ激しかったっけ?あ、茜に相手にされてねぇから溜まってんのか?


「お、おい、マジでヤメロ……てか俺にこんな事したらお前もヤベェぞ」

「桃山、貴哉と二度と口聞けないようにしてやろうか?」

「冗談だって~。てか貴哉にならこういう事しても茜が嫌がらねぇからしてるだけだし。なぁ?貴哉」

「俺に同意を求めるな!巻き込むんじゃねぇ!」


 桃山の言う通り、茜と桃山は付き合っている。二人共二年で、接点とか無さそうだけど、俺から見たらすげぇ仲の良いカップルだ。破天荒な桃山をしっかり者の茜が制御しつつ上手くやっていってる。

 部活で疲れてんのに、この桃山とのやり取りで更に疲れたぜ。
 三人で学校を出て駅まで向かう。桃山が電車通学だからだ。


「ボラ部のTシャツのデザインを一緒に考えてくれって?何それ面白そうじゃん♪」

「あー、それなら桃山は適任かもしれねぇな。こいつそういうの得意だから」

「だよな?浴衣も作ってくれたんだっ!あれすげぇかっこよかったもんな♪」

「浴衣?貴哉着たのか?」

「ああ着たよ。夏休みにな」

「俺知らないんだけど」

「確かそん時は空と付き合ってたんじゃなかった?四人でダブルデートしたんだよな~♪」


 またこいつは地雷を踏むような事をーーー!!
 良い加減伊織に気を使って話してくんねぇかな!?


「したな!過去にな!でも今は付き合ってねぇから!」

「へー、貴哉の浴衣姿見たかったなぁ」

「ちくしょう!来年見せてやっから!それよりも桃山、デザイン頼んだぞ」

「任せろ♪何個か作って見せるよ」

「わーい♪楽しみ~」


 俺が素で笑うと二人はホッとしたように笑った。
 え、散々人の事冷や冷やさせといて何だよその反応は!?


「やっぱ貴哉っていいわ。茜とのコラボが最高だけど、今はピンでもいいわ」

「だろ?でも今は俺のだからお前もあんま変な事言うなよ」


 二人がほっこりしながら話してるから、喧嘩してるよりいいかと思って放っておいた。

 ここで電車通学の桃山と別れて伊織と二人で歩く。


「なぁ、侑士だけどさ」

「あ、侑士の事忘れてた」


 部活の忙しさと桃山っぷりに圧倒されてすっかりそんな話をしていたのを忘れていて、思い出した。


「お前いろいろ忘れ過ぎ。まぁいいけど。侑士とはどんな話をしたんだ?」

「どんなって、本当に普通の世間話だよ。友達になりたいって言われて、俺には伊織がいるからあんま相手出来ないって言ったら分かってるって言ってたぞ」

「その友達になりたいってのが引っかかるな……」

「何で?確かにあいつなら友達なら腐るほどいそうだし、俺なんかにそんなの言うの変だとは思うけど」

「侑士ってさ、普通に良い奴なんだよ。勉強も運動も出来るし、あんな風に愛想もいいから誰とでも仲良く出来るし、でも、侑士って曲がった事が大嫌いなんだよ」

「曲がった事?」

「何事にも真っ直ぐな奴なんだ。二之宮を社交的にしたみたいな奴だな。ただ、二之宮と違う所はその嫌いな部分には厳しいってか、とことん冷たいんだ。二重人格とも言われてんなー」

「マジで?全然そんな感じしなかったけど」

「侑士を知らないからだろ。俺の予想だと貴哉はそっちだと思ったんだけどなー。まさか気に入られるとは思わなかった。ちなみに桃山と一条は侑士に嫌われてるぞ。二人の事を退学に追いやろうとした事もあった。桃山はあんなだし、一条は葵くんに守られてたから何とか無事だったけどな」

「退学!?紘夢も!?」

「一条は今じゃ良い奴になってるけど、前は酷かったからな。桃山も変わらずあんな感じだし。俺の知ってる侑士は和を乱したり、間違った事をするのを嫌ってる。まぁ普通にしてりゃ大丈夫。ってか何か言われたりされたらすぐに言えよ?」


 伊織はいつもの感じで笑いながら侑士の事を教えてくれた。今日話したばかりだけど、とてもそんな風には見えなかったぞ。てか食べ物をくれる人間はみんな良い奴だと思ってるし。
 俺もこのまま友達を続けてたらボロが出て嫌われるかな?いや、俺の事は神凪とかから聞いて知ってるみたいだし、もう嫌われててもおかしくねぇよな?まさか様子見してんのか?

 あー、直登が言ってたのってこの事か?退学ってワードを聞いて俺は焦った。とにかく深く関わるのはやめた方が良さそうだな。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

貢がせて、ハニー!

わこ
BL
隣の部屋のサラリーマンがしょっちゅう貢ぎにやって来る。 隣人のストレートな求愛活動に困惑する男子学生の話。 社会人×大学生の日常系年の差ラブコメ。 ※現時点で小説の公開対象範囲は全年齢となっております。しばらくはこのまま指定なしで更新を続ける予定ですが、アルファポリスさんのガイドラインに合わせて今後変更する場合があります。(2020.11.8) ■2025.12.14 285話のタイトルを「おみやげ何にする? Ⅲ」から変更しました。 ■2025.11.29 294話のタイトルを「赤い川」から変更しました。 ■2024.03.09 2月2日にわざわざサイトの方へ誤変換のお知らせをくださった方、どうもありがとうございました。瀬名さんの名前が僧侶みたいになっていたのに全く気付いていなかったので助かりました! ■2024.03.09 195話/196話のタイトルを変更しました。 ■2020.10.25 25話目「帰り道」追加(差し込み)しました。話の流れに変更はありません。

処理中です...