【完結】どいつもこいつもかかって来やがれ5th season

pino

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2章 文化祭までのいろいろ

はっきり言って俺はお前と関わるつもりはない!

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 空とは途中で別れて帰った。ふと家に着く前にスマホを出して伊織に電話を掛けてみる。素直に行かせてくれたけど、あまり放っておくのも気が引けたからな。
 空の事は心配だけど、伊織を怒らせてそっちでも揉めたら厄介だからな。

 伊織はすぐに電話に出た。


『もしもーし?どしたー?』

「俺だ俺~。今空と別れて帰ってるとこなんだけどよ、お前は?」

『えっもう帰ってるのか?』

「ああ。何とか説得出来たかな?俺結構疲れてるから帰って休みてぇんだ」

『えー!それならちょっと会いたい!』


 こいつ、人の話聞いてねぇのか?帰って休みたいって言ったのに。
 まぁ、無理もねぇか。伊織には無断で空と帰っちまったしな。


「いいけど、お前どこ?怜ちん達は?」

『いるけど、今からそっち向かう♪貴哉どこー?』

「お前っていつもどこって聞いても答えないよな。まぁいいけど。んじゃ待ってるから来いよ。俺は家の近くのコンビニにいるよ」

『俺から会いに行きたいんだもん♡すぐ行くな!』


 電話を切って近くにあったコンビニに入る。
 伊織の機嫌は良さそうだった。怒ってなくて良かったぁ~。怒ってるようなら会わないで帰ってたけどな。
 伊織は場所言わねーからどれぐらいで来るかも分からない。俺は普段読まないような伊織とか空とかが好きそうなファッション系の雑誌を手に取って読んでる事にした。

 こういうのに載ってるモデルとかってみんなイケメンだけどよ、何か俺の周りが凄すぎるせいかどれも普通の顔に見えた。着てる服とかコレどーやって着るの?って感じの服だし、あー、伊織ならかっこよく着こなせるんだろうなーとかそんな事を考えていた。うん。俺この雑誌興味ねぇわ。


「貴哉ってこういうの読むんだ~?意外~」

「っひ!?」


 いきなり後ろから声がして素で驚いて悲鳴が出ちまった!しかも耳元でかなりの至近距離で!
 首だけ振り向くと、ニッコリ笑顔の青い髪の男がいた。あ!るいたん!!


「おまっ!何でここに!?」

「あー、俺の事覚えてたー?嬉し~♪」


 忘れもしないこいつは石原類って言って、今では俺より背が高くて大人っぽいけど、俺の一個下の中三だ。類は大きな目を細めて嬉しそうに笑っていた。
 正直言ってこいつの事は最近までは忘れていたんだ。てか記憶から消したかったのかもしれない。と言うのも、俺はこの類が苦手なんだ。
 つい最近、伊織と行ったファミレスでたまたま再会したけど、俺は逃げた。もう会う事はねぇと思ってたのに、まさかこんなとこでまた会うとは……


「てかお前んちこっから遠いだろ。何してんだよ」

「何って貴哉んちに遊びに来たんだよ♪凛子さん元気ー?」

「母ちゃんは元気だけど……母ちゃんに会いに来たなら家にいると思うから行けよ」

「何言ってるんだよ♪貴哉に会いに来たんだって♪」

「へ、へー。悪ぃけど、俺忙しいから後にしてくれるか?」

「コンビニで雑誌立ち読みしてるのが忙しいのか?あ、誰かと待ち合わせしてたとか?」


 ヤバイ!伊織が来ちまう!出来れば伊織とは会わせたくない。なんか面倒な事になりそうだから。


「そう言えば、この前ファミレスで一緒だった人って誰ー?貴哉の先輩ー?名前、桐原さんだっけ?めちゃくちゃかっこよかったけど、どんな関係なのー?」

「一気に喋るな!てかこんなとこで喋ってたら迷惑だろ!外出るぞ!」


 店員にジロリと見られて俺は類を連れてコンビニの外に出た。あーもう最悪だ。類の奴、伊織の事気になってるじゃん。
 いつあのセリフを言われるのかとビクビクして、話してる時も類の口元に付いてるピアスしか見れねぇよ。


「なぁ、お前帰れよ。はっきり言って俺はお前と関わるつもりはない!」

「どして?俺何かした?」


 首を傾げて聞いて来る。何かしたと言えばしたんだ。幼いながらに俺が傷付く事を、それも何度も!
 俺はもうあんな思いはしたくないと思って自然と類を避けるようになって、お互いデカくなってからは遊びに行ったり来たりもなくなって今の今まで音信不通だったんだけど、たまたま会ってしまったが為に嫌な記憶が蘇っていた。
 多分類は気付いてねぇだろうな。俺が苦手だと思ってる事を。だからこうして会いに来るんだし、何の事か分かってねぇんだ。


「何かしたなら謝るよ。だから教えてよ。俺貴哉とこうしてまた会えて嬉しいんだよ?俺より背が低くなってて驚いたけど♪」

「お前がデカくなり過ぎなんだ!クソ!俺より小さかった癖に!」


 あははと笑って人を小馬鹿にする類の目をやっと見る事が出来た。
 類は良く笑う奴で明るくて誰にでも愛されて可愛がられる子供だった。俺もそんな類の事は弟だと思って接していたし、懐いてくれるのが可愛くて好きだった。そう、んだ。
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