【完結】どいつもこいつもかかって来やがれ5th season

pino

文字の大きさ
98 / 219
2章 文化祭までのいろいろ

こんな大金なんで持ってるんだよ?まさかお前また!?

しおりを挟む

 カフェを出た後、空の好きなブランドショップで財布を選んでいた。空はこだわりがあるらしく、今使ってる財布と同じブランドがいいらしい。


「なぁ、貴哉~これとかどうかな?お洒落じゃね?」

「俺こういうの分かんねぇよ。使えれば何でも良くね?」

「デザイン大事だろ!それと使い勝手な!俺は長財布派だけど、貴哉は?」

「何そのきのこたけのこ派みたいなの!他に何派があるんだよ?」

「大まかに言うと長財布か二つ折りじゃね?ちなみに貴哉が今使ってるのは長財布な。二つ折りはこういうの」


 空が丁寧に説明してくれて、ショーケースの中にある二つ折りとやらを指差していた。
 正直どっちでもいい。でもそれを言うと空がうるさくなりそうだから悩む振りをしといた。


「うーん、使い慣れてる今と同じ形のがいいかな?」

「了解~♪俺も長財布が良いから嬉しー♡」


 そんじゃあ俺に聞かねぇで初めから長財布にしろよ。と心の中で思って俺はニコニコ笑って頷いた。


「これかっこいいな!ちょっと中見てみよう」

「どれも同じに見える……」


 空が店員を呼んでショーケースの中に入っていた黒い財布を物色し始める。俺はチラッと値段を確認してみる。ん?ちょっと待て。見間違いじゃなければ桁がおかしい事になってっぞ?ゆっくり数えてみよう。一、十、百、千……万!?この財布、28,000円もするのか!?無理無理!高校生がこんなもん使っちゃダメです!


「うん♪使い勝手も良さそうだ。貴哉、これに……」

「お前ちゃんと値段見たのか!?俺こんなに持って来てねぇよ!」

「ちょ、声でけぇよ!恥ずいから!」


 俺と空のやり取りに店員がクスクス笑っていた。
 馬鹿だろこいつ!ほら、店員も子供の癖にって笑ってんじゃねぇか!


「支払いなら俺がするから大丈夫だよ」

「こんな大金なんで持ってるんだよ?まさかお前また!?」

「しー!頼むからここでそういう話しないでくれ!」

「いやするね、お前がまた変な事してんなら俺はお揃いの財布なんか買わねぇよ」

「……ちょっと店出ようか」


 空は店員に一言言って、俺を連れて店を出た。
 せっかく空と出掛けられてんのに、俺だって怒りたくねぇよ。でも、またおっさんと会ってるんだったら楽しく遊んでる場合じゃねぇだろ。

 俺と空は歩きながら話す事になった。


「貴哉勘違いしてるけど、俺貴哉が思ってるような事してねぇよ」

「じゃあ何でそんな大金持ってんだよ?」

「……光児さんに貰ったんだ」

「光児さん?それ誰だよ?」

「兄貴の職場の人で、兄貴と俺の面倒見てくれてる人。俺来月誕生日なんだよ。プレゼント何が欲しいか聞かれたから、財布って答えたらお小遣いくれたんだ」

「え、そうだったのか?そんな人いたのか。てかお前の誕生日来月なのかよ!」

「うん。11月だよ。本当は一緒に行って買ってくれるって話だったんだけど、ちょうど貴哉とお揃いがいいなと思ったから訳を話してお小遣いを貰ったって訳。そう言う事ならって兄貴もくれたから実は結構持ってるんだ。こうなるなら初めに話しておけば良かったな。ごめん」

「何日だよ?」

「へ?」

「誕生日!俺知らなかった!」

「あー、3日だけど……俺は貴哉の誕生日知ってるぜ♪」

「何で知ってるんだ!?俺言ってねぇよな!?」


 俺は自分の誕生日は聞かれても答えないようにしてんだ。空にも勿論話した記憶はない。


「凛子さんに聞いたんだよ。貴哉のアルバム見てる時に。めちゃくちゃ可愛いかった♡」

「あ!あれかー!」


 母ちゃんてば酔った時に空に見せやがったな!
 俺の誕生日は3月3日だ。そう、雛祭りの日。俺の記憶に無いぐらいガキの頃、まだ歩き始めたばかりの一歳の誕生日、せっかくだからと女の子用のドレスを着せてる写真があるんだ。それから毎年誕生日には女装させられた写真が残ってるんだ。
 処分しようにも母ちゃんにバレたらと思うと出来ずにそのまま忘れていたんだ。


「誕生日の日にち一緒とか嬉しいよな♡それに、貴哉の覚えやすくて……」

「馬鹿にしてんだろ!?てかお前の誕生日何でもっと早く教えなかったんだ!」

「えー、そんなの自分から言うのもあれじゃん?近くなったらでいいかなーって」

「十分近いだろ!来週末じゃん!文化祭終わったらすぐじゃん!」


 月末の土曜日にある文化祭の次の日の日曜日はもう月が変わって11月だ。て事は空の誕生日は火曜日?ど平日だな!


「でもさー、俺の誕生日教えてもどうせ一緒には過ごしてくれないんだろ?」

「おめでとうは言いてぇだろ!それに、お前は予定ねぇの?兄貴に祝ってもらうとかさ」

「貴哉と過ごせないなら一人でいつも通りに過ごすよ……兄貴も店あるし」

「ケーキは食わねぇのか?」

「一人で食ってもねー」


 寂しそうに笑ってボソリと言う空。そんなのほっとけねぇじゃん!


「一緒に食うぞ!なんなら家に来い!母ちゃんにケーキ用意してもらうから!」

「いいのー!?やったー♡」


 俺の誘いに嬉しそうに笑う空。理由が理由だし、伊織もダメとは言わねぇだろ。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

貢がせて、ハニー!

わこ
BL
隣の部屋のサラリーマンがしょっちゅう貢ぎにやって来る。 隣人のストレートな求愛活動に困惑する男子学生の話。 社会人×大学生の日常系年の差ラブコメ。 ※現時点で小説の公開対象範囲は全年齢となっております。しばらくはこのまま指定なしで更新を続ける予定ですが、アルファポリスさんのガイドラインに合わせて今後変更する場合があります。(2020.11.8) ■2025.12.14 285話のタイトルを「おみやげ何にする? Ⅲ」から変更しました。 ■2025.11.29 294話のタイトルを「赤い川」から変更しました。 ■2024.03.09 2月2日にわざわざサイトの方へ誤変換のお知らせをくださった方、どうもありがとうございました。瀬名さんの名前が僧侶みたいになっていたのに全く気付いていなかったので助かりました! ■2024.03.09 195話/196話のタイトルを変更しました。 ■2020.10.25 25話目「帰り道」追加(差し込み)しました。話の流れに変更はありません。

処理中です...