【完結】どいつもこいつもかかって来やがれ5th season

pino

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2章 文化祭までのいろいろ

貴ちゃんの頼みなら何でもやるよーん♡

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 俺は二階の一番広い部屋で紘夢と寝転がっていた。勿論直接床にじゃなくて、敷き詰められたフワフワの布団の上にだ。


「こんな事やったの初めてだけど、楽しいねー♡さすが貴ちゃんは面白い事を考えるね♡」

「だろー?でもこんなの頼めるのお前ぐらいだぜ。急だったのに、こんなに大量の布団用意出来るなんてさ」


 あ、もう一人いたわ。紘夢の妹の芽依だ。
 そう、俺はここに来る前に電話口で一つ、紘夢に頼んでいた事があったんだ。それは、寝る場所はみんな同じ部屋で布団並べて寝たいってやつ!前に俺んちでもやったけど、それならみんなと朝まで一緒だし、伊織か空か選ばなくて済むだろ?
 どちらとも一緒に過ごせるから、俺は敷き詰められた布団に満足だった。
 にしても明らかに人数分より倍はある高級布団達。こんなの一条家じゃなきゃ数時間で用意出来ねぇわ。


「もっと集まるかと思ったけど、みんな予定があるから仕方ないよね~」

「急だったからな!今度は前もって予定立てようぜ♪残りの布団もそん時使えばいい」

「やるー♡わーい♡」


 嬉しそうに手足をバタバタさせて喜ぶ紘夢は子供のようだった。紘夢がこんなに喜んでくれるなんて思わなかった。


「俺ね、家にいれば何だかんだやる事はあるから暇ではないんだけど、退屈に変わりはないんだよ。吉乃がいる時は楽しいんだけど、平日はほぼ一人だからさ~。的場もすぐ逃げようとするし~。だから貴ちゃんにお泊まり会を提案してもらえて本当に嬉しいんだ♪ありがとう貴ちゃん♡」

「だよな、こんな広い家に一人とかつまんな過ぎるよな!俺なら寝てるかゲームしてるかだけど……あ、そうだ、お前何か良いバイト知らねぇか?」

「バイト?貴ちゃんバイトしたいの?」

「俺じゃねぇよ。空だよ。学校にバレないようなやつ知らねぇか?」

「空くんか~!葵くんから聞いたけど、空くんて一回バイトの件で注意されてなかった?次バレたらアウトだよ。大丈夫なの?」

「何ぃ!?生徒会長ってばそんな事まで把握してんのか!?」


 て事は直登が壁壊したのも知ってるのか?
 いやいや、それよりも空だ。次バレたらアウトって退学って事だよな?うーん、紘夢の反応からするとやっぱ無理か~。


「葵くんは生徒全体を常に見ていたよ。良くも悪くもね。俺はその中でも面白そうな奴をピックアップして楽しんでたけど……ちなみにいくらぐらい稼ぎたいの?」

「そういう話はしてねぇから分からねぇ。ただあいつを一人にさせたくねぇんだ。学校終わった後にバイトでもしてたら気が紛れるんじゃねぇかなって思ったんだよ」

「ああ、貴ちゃんにはいーくんがいるもんね。そう言う事なら無くはないかな?」

「本当か!?どんなのだ!?」

「家事手伝い。なんてどう?一条家長男の専属世話係~♪的場の後輩になるかな?でも的場は父さんが雇ってるから、空くんがやってくれるなら俺が直接雇う感じになるんだけどね」

「家事手伝いか!あいつに出来るかな?」

「毎日夕飯作ってくれればいいよ。あとお風呂掃除とか?的場ってすぐいなくなるからほぼ自分でやってるんだよね~。夕飯は用意してくれてるけど、いつも買って来た物だしさ」


 ここで的場の愚痴を言い始める紘夢。俺から見ても、的場って金持ちの家の使用人のイメージとはかけ離れてると思う。いつもやる気なさそうだし、休みたがってるし。ここにいるのを見なければ普通の大学生って感じだ。それでも紘夢の言う事はちゃんと聞いてると思うけどな。
 もし空が紘夢の所でそう言う事が出来るなら俺はいいと思った。今の紘夢になら安心して任せられるし、空も一人にならないから変な気を起こす事もなくなるんじゃないか?
 まぁ空がやるって言えばだけど。


「的場って酷いんだよー!事あるごとに大学がとか就活がとか言い訳していなくなるんだ!ちゃんとお給料貰ってる癖にさ!」

「紘夢が怒るなんて珍しいな。でも俺がここに来るといつもいる気がするけど?」

「夜はいてくれるかな?出掛ける時はちゃんと前もって言ってくれるしね。休みの日だけだけど、朝ごはんも作ってくれるようにはなったよ」

「はは、あいつなりに頑張ってんじゃん。こんな広い屋敷に的場一人ってのが無茶振りだろ。それなら空に働いてもらうかー♪」

「普通は使用人一人とかあり得ないけどね。父さんの嫌がらせだから気にしてないけどー。空くんには貴ちゃんから話すのー?あ、もちろん学校にバレないように配慮はするよ♪もしバレたとしても友達として遊びに来てるって言えばそれまでだし♪まぁバレた時の言い訳ならいくらでもあるからそこは気にしないでよ♪」

「おー、お前が言うと心強いな~。ん、安心して空の事任せられそうだわ」

「貴ちゃんの頼みなら何でもやるよーん♡」


 紘夢は布団の上でゴロゴロしてたかと思ったら、そのまま俺の方に勢いよく転がって来て、俺の上に乗っかって反対側まで転がり続けていった。ひ、紘夢に轢かれた……


「てめぇ!何楽しそうな事やってんだ!俺にもやらせろ!」

「あはは~♪ちょー楽しいよ~♪」


 俺は紘夢と二人でゴロゴロ鬼ごっこを始めた。

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