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3章 文化祭まで一週間
ムラムラするだろ?
しおりを挟む文化祭前日。今日は朝から文化祭の準備の為に学校中が賑やかだった。
俺と空はボラ部で使う道具を外に運ぶ作業をしていた。
「今日は祭りみたいで楽しいな♪いつもこうならいいのに♪」
「だな♪授業ないと気楽でいいよな♪」
ちなみにうちのクラス、一年A組は出し物をやらない。出し物をやる部活に属していない人達は他のクラスの手伝いや生徒会や美化委員などの手伝いに回されていた。
空と機嫌良く話しながら玄関まで行くと、演劇部の裏方の奴らが大量の衣装を運んでいた。
今週は何度か衣装を着て練習したけど、明日はあれ着てみんなの前に出るんだよなぁ……
俺は魔女見習いの女役で、お転婆で元気で気の強い女だ。女っつー事はもちろん衣装も女物。俺はみんなの前で女装するんだ。
女装する奴は俺の他にもヒロイン役の七海とか魔女役の茜とかまだいるから、もう恥ずかしいとかは無かったけど、どうせならドラゴン役やる伊織みてぇなかっこいいの着たかったなーって思う。
「演劇部大掛かりだな。貴哉は今日何時に行っちゃうんだ?」
「午後って言ってた~。体育館を使う出し物を一通り流れでやるらしいからそん時に来いって言われてる」
「じゃあそれまではこっちにいられるんだな♪」
「おう。何かあったら茜から連絡来ると思うからそれまではな」
ニコニコ嬉しそうにしている空は機嫌が良さそうだった。最近はお互い忙しくてこうして話す事もなかったから俺も嬉しかった。
「お昼も一緒に食べられたらいいんだけどな~。今日は食堂やってないから、外行って食べに行けるじゃん?」
「食えるぜ?てか空と食おうと思ってたけど」
「えっ!?初耳!桐原さんは!?」
「あいつなら詩音達と食うんだよ。元々仲良いから誘われたんだって。俺も誘われたけど、それなら空と食いたいから断ったんだ」
空はいろいろな道具が入った段ボール箱を持ったまま立ち止まってこっちを見ていた。
そして段ボール箱をそこら辺に置いて、大量の袋が入った段ボールを持ってる俺に飛び付いて来た。
ちょ、この箱結構重いんだからな!?
「本当にー!?やったー♡」
「危なっ!箱落とすだろーが!」
「だって嬉しいんだもん♡貴哉大好きー♡」
「ん。俺も……好きだ……」
俺と空がイチャつくのは、あまりこういう場所では良くない行為だけど、俺も空に喜んでもらえて嬉しかった。
てか詩音達といると難しい話ばっかなんだもんな。伊織は付いていけてるみてぇだけど、俺は退屈で仕方ない。
あと、最近空がめちゃくちゃ良い奴に見えるんだ。部活は真面目にやってるし、紘夢んちでもちゃんとやる事やってるみてぇだし、あと、髪も切ったしな。何より伊織の前では完全にくっ付いて来たりしなくなったんだ。こういういないとこではいつも通りだけどな。
だからか俺も空ともっといたいって思うんだ。
「うわー♡貴哉が素直だ~♡」
「てか離れろっ!周りに見られてるだろ」
「桐原さんに見られなければいいでしょ。今日ぐらいは独り占めさせろよ♡」
「空……」
「ん?どしたー?」
空に張り付かれて俺はもどかしい気持ちになった。それを伝えるべきかどうか迷っていると、空が覗き込んで来た。
ううっ……イチャつきてぇ!
俺は今週の演劇部のハードな練習のせいで、終わったら速攻帰って速攻で寝ていた。だから伊織ともイチャつけてねぇんだけど、ほら俺も男だからよ?こんな風に好きな奴にくっ付かれたらな?
ムラムラするだろ?
い、いや、我慢だ!ここで耐えなきゃ男じゃねぇ!
「何でもねぇよ!とっとと運んじまおう!」
「はーい♪」
無理矢理空を剥がして、靴を履き替えて外に出て気分を誤魔化す。
ふぅ、ムラムラは何とか収まったぜ~。
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