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4章 文化祭
とりあえずここのクラスの奴らに聞いてみよう
しおりを挟む空と二人で二年A組のクラスに来ていた。
そこでは喫茶店をやってるらしく、ウエイターの格好をした生徒達が出迎えてくれた。
どうやら目的の奴はいないらしい。
「いなそうだな。デザイン部の方に出てるのかな?」
「いや、あいつの事だからどっかフラフラしてんのかも」
二年A組のデザイン部で、いつもフラフラしてる猛犬注意な奴と言えば桃山湊だ!
てかこの学校の猛犬と言えば桃山しかいねぇだろ。俺と空の読みは桃山が赤いブレスレットを持ってるってやつだった。
「とりあえずここのクラスの奴らに聞いてみよう」
「そうだな」
「なぁ、桃山知らね?」
「ちょ、貴哉!先輩だから!」
俺がいつも通りに近くにいたウエイターに声を掛けると、空が慌てて止めた。
別に気にする事ねぇのに。
声を掛けたウエイターもニコッと笑って答えてくれた。ほらな?
「桃ならこっちには参加してないよ。部活の方に行ってると思うよ」
「デザイン部だろ?どこでやってんの?」
「どこでやってるんですか!だろ!?」
「空うるせぇぞ。桃山の場所聞いてるだけだろ」
「はは、秋山くんは噂通りだね。デザイン部なら午前中は体育館でファッションショーやるから体育館にいるんじゃない?行ってみてよ」
「ファッションショー!?空!見に行こう!」
「ちょ、貴哉待ってよ!あ、ありがとうございました!」
丁寧にお礼を言ってる空を置いて俺は体育館へ急いだ。
てかデザイン部ってばそんなすげぇのやってんの!?俺は桃山よりもそっちのが見たくなっていた。
後を追って来た空は焦ったようにしていた。
「貴哉、宝探しもいいけど、時間に気を付けないと、今日は絶対遅刻出来ないんだぞ」
「分かってるって。時間は空に任せてるから大丈夫だ」
「俺かよっ!まぁちゃんと見てるけどさぁ!13時からだったよな?早めに12時半とかに行っておいた方がいいよな」
「それも空に任せる~!時間になったら言ってくれ」
「まったく、貴哉は♡」
俺は本当に空に管理してもらうつもりだった。スマホの音は出るようになってるけど、限られた時間は思う存分楽しむ事にしてんだ。
空も嫌そうじゃないし。てか嬉しそうじゃね?
空が楽しそうなら良かった。
体育館に行くと、大勢の観客が見守る中、ステージの上に次々といつ着るんだって言うような派手な服を着て歩き回ってる奴らがいた。
正にこれがファッションショーと言うらしい。でも見た感じ桃山はいねぇ。
「すごーい♪かっこい~♪」
「えっ!どこが!?」
空が俺の隣でそんな事を言うから、改めてステージ上を見てみる。
が、やっぱり変な服着た奴らが色んなポーズ決めてるだけだった。
え、空ってああ言うのが好きなのか?
「どこがって、あれって自分達でデザインして作った服着てるんだろ?すげぇじゃん♪」
「あ、そうなのか?あれ自分達で作ったんだ」
それならすげぇのかな?
あまり言っても文句言ってると思われるだろうし、面倒だから俺はそれ以上何も言わなかった。
体育館の入口でキョロキョロして桃山を探してると、誰かにいきなり後ろからギューっと抱きしめられた。
「貴哉~♡会いたかったぞ~♡」
「あ!伊織!」
俺に抱き付いて来たのは機嫌の良さそうな伊織だった。
伊織とは朝一緒に学校に来てから会ってなかったから、何か久しぶりに会う気がした。
「本当は一緒に回りたかったぜ~」
そう言ってチラッと空を見る伊織。
空は澄ました顔して黙って見てた。
「お前、機嫌良さそうじゃん。何かあったのか?」
「貴哉に会えたからだよ♡」
「そ、そうか!お前は何してたんだ?」
空の前であまりイチャつきたくなかったから、自然な感じで伊織を引き剥がす。
すると、伊織の後ろから詩音や茜達が現れた。
あ、演劇部の奴らと一緒だったのか。
「詩音さん達と打ち合わせしながら飯行ってた♪貴哉は何か食ったのか?」
「牛串とか食った」
「おっ貴哉くん牛串を食べてくれたのかい?あれは僕のクラスがやってるんだよ♪僕が担当の時に来てくれればサービスしたのになぁ」
「へー、詩音が肉焼くのとか想像出来ねぇな!」
「秋山、こんな所で何をしてるんだ?まだ集合の時間じゃないけど、まさか昨日の反省を生かして早めに来たのか?」
茜が目を輝かせてるけど、そう言う訳じゃねぇ。
てか俺はさっさと桃山を探さなきゃいけねぇんだよなぁ。
「悪いけど、別件!ちょっと急いでるから俺達行くな!あ、今日は遅れねぇからさ」
「ふふ、楽しんでおいで♪」
「絶対遅刻するなよー!」
「貴哉、演劇部が終わったら一緒に過ごそう。約束だ」
最後に伊織が俺の腕を掴んで微笑みながら言った。空は相変わらず澄ました顔をしていた。
「おう!約束な~。じゃあまたな」
俺は伊織にそう言って空と体育館から出た。
てかさ、俺と伊織と空が揃うと気まずいのって俺だけ?
伊織は普通にしてるし、空は特に何も言うでもなく澄ました顔してるし。
俺は出来れば二人を一緒にしたくなかった。
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