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4章 文化祭
そんじゃアイドル様の歌声聞かせてもらおうじゃねぇの
しおりを挟む二次会会場のカラオケでは大部屋の予約が取れてたらしく、数十人でワイワイ楽しんでいた。
俺もマイクを握り久しぶりのカラオケを気の合う裏方連中と満喫していた。
歌い終わって、俺のノリノリな曲に合わせて盛り上げてくれた奴らに向かって指を指してマイクで喋ると、みんな大喜び。
あー懐かしいなこの感じ。中学の頃思い出すわー。
「みんなありがとー!お前ら最高だぜー!」
「ひゅー!秋山かっけー!」
「歌上手いとか意外過ぎるからヤメロー!」
「秋山~!次も歌って~!」
うるさい野郎共をどけて伊織の隣にドカッと座ってドヤ顔してやる。そう、俺と伊織はカラオケ勝負をしてるんだ。
俺はいつも歌うヒップホップ系の歌で勝負!てか他の歌知らねぇからそれしかねぇんだけど。
「どうよ?めちゃくちゃ良かっただろ?」
「ああ、予想より上手くて驚いてる。まぁ頑張ったんじゃん?」
「随分余裕だな?そんじゃアイドル様の歌声聞かせてもらおうじゃねぇの」
伊織の上から発言にイラっとしたけど、強がりだろとグッと堪えてテーブルに置いてあったマイクを渡すと、伊織はニコッと笑って曲を入れ始めた。
予約が入って、画面に曲名が見えると「おおー」とか「え、いーくんが歌うの?」とか聞こえて来た。
俺には曲名見ても何の歌かは分からなかったけど、伊織ファンにとっちゃ堪らない瞬間だろうな。
そして伊織はとびきり甘い笑顔を向けて俺に言った。
「貴哉の為に歌うよ♡」
「ん?おお、そうか」
良く分からなかったけど、俺との勝負の為に十八番を出して来たと思って俺もしっかり聞いてやろうと思った。
そして前の奴の曲が終わってとうとう伊織の番だ。
伊織は座ったままでマイクを口元に持って行った。
流れ始めた曲のイントロを聞いても俺は知らないやつだった。何か大人しい感じの歌っぽいけど?
そして伊織がスゥッと息を吸って歌い始める。
いつもの声より少し高い声で爽やかな歌声を出す伊織に俺は釘付けになった。
う、上手い!!
こいつはやっぱり何でも出来るスーパースターだ!!
そして何よりファンサービスを忘れない!歌いながら俺の方をチラッと見てウィンクして来やがった!なんて余裕!それでいて歌声も完璧!
くそう!認めたくねぇ!けど、俺ドキドキしてるじゃんよ~!
歌がサビに入ってやっと何の歌か分かった。
サビなら聞いた事ある。てか中学ん時に女子が騒いでた男の歌手の歌だろこれ。
確か一人の女に片想いしてる男の歌で、ずっと一途に貴女の事を想ってますよ~みたいな歌詞だった気がする。
歌詞を思い出そうと、画面に表示されてるテロップを読んでると、伊織にマイクを持ってない方の手で肩を抱かれて引き寄せられる。
えっなになに!?
みんなも驚いたり、面白がったりしてんじゃん!
恥ずかしいってこれは!!
だって、この歌って確か最後の方に……
伊織は歌いながら俺の顔を自分の方に向けた。
「ただ君の側にいたい。ただ君と笑い合っていたい。他の誰かじゃなくて僕が君を幸せにしたい。いつか言えるかな?君を誰よりも愛してるって事~♪」
ぎゃー!!言いやがったこいつ!!
みんなの前で!!
そしてなんと!歌い終わった後に堂々とキスして来やがった!!
いくらなんでもやり過ぎだろ!!
「何してんだテメェ!!」
「貴哉の為に歌うって言ったじゃん♡」
「だからってキスはする必要ねぇだろ!みんなだって引いて……あ、あれ?」
伊織の身勝手な行動にみんなも呆れてる筈と思ったけど、伊織ファンは羨ましそうな顔でうっとりしてたり、裏方達は何故か飛び跳ねたりタンバリン叩いたり大暴れ。
え、めっちゃウケてね?
「へへ♪みんなも俺らを祝福してくれてんだよ♡」
「だ、だからってみんなの前では……」
恥ずかしいじゃんっ!
それに、空もいるし……
それが一番心配だった。
俺は離れて座ってる空がいる方を見る事が出来なかった。
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