15 / 16
その順番はアカンやろ!
しおりを挟む私の治療院での話。
私は治療院を開院して、16年経つ。
最初の頃は、妻と二人で働いていた。
仕事着は、薄い青色の制服にしていた。
妻も同じ色で、短パンというか、名前がわからないけれど、スカートのように見える服だった。
パッと見、ミニスカートのように見えなくもなかった。
私の治療院は男性の比率が高かったんだけれど、もしかしたら、妻のお陰だったのかもしれない。
そして、ある時期から妙な電話が入り出したからだ。
その電話というのは・・・簡単に言えば、エロ電話だ。
電話に出るのは、だいたい妻だった。
「はい、治療院です。」
「ハァハァ・・・ハァハァ・・・。」
そんな電話が月に数回掛かってくるようになった。
しかし、私は犯人が誰かというのは、だいたい目星がついていた。
というのも、1人お客さんで、明らかに挙動がおかしい人がいたからだ。
妻におくる視線が、粘着質を帯びていたというか、なんせ違和感ありまくりだった。
そのお客さんは3回くらい来ただろうか。
そのお客さんが来て、しばらくして、イタ電が始まった。
1年くらい続いた頃。
とうとう、私の堪忍袋の緒が切れた。
「はい、治療院です。」
「ハァ・・・ハァ・・・。」
いつもの様に、イタ電が掛かってきた。
ただ、その日はいつもと違っていた。
妻によると・・・。
「ハァ・・・ハァ・・・。」
と、今まではいつもの様に始まり、だいたいしばらくして、電話が切れていた。
だが、その日は・・・
「ハァ・・ハァ・・ハァ、ハァ、ハァ。」
と、段々、ボルテージが上がっていった。
「ハァ~~~ア~~~ウッ」
完全にイッたな、コイツってのがわかる声を発していたらしい。
「とうとう、おイきになられたわ。」
妻が笑いながら、傍にいた私に言った。
私は、なんかわからないけれど、胸の奥に感じるものがあった。
「とうとう、ステージ上げてきよったな。」
腹立ちと、なんかわからないものが胸の奥に渦巻いていた。
そして、電話がきれて数分経った頃。
「プルルル~!プルルル~!」
また、電話が鳴った。
妻が電話に出る。
「ぼ、ぼ、僕・・・ま、ま、前から・・・あ、あ、あなたの事が、す、す、好きなんです・・・。」
妻から内容を聞いた私は、電話を奪い取った。
「お前っ!誰の女に手出しとんかわかっとんかっ!ただで済む思うなよっ!」
電話は、すぐに切れた。
何故かその夜。
いつもより、激しく妻を抱いてしまった私。
この感情って、一体何なんだろうか?
これが俗に言う、寝とられ願望なのか・・・わからない・・・。
というか、どうでもエエけど、振られて、ハァハァやったらわからんでもないけど、散々ハァハァの後、告るって、そっちの方がわからんわ。(笑)
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる