廃人だけどモテモテ勇者なオレ参上プラスアルファ

ザノ・夕ナ

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邂逅から始まった愛・恋・仕事

「ヘッドバンキング」;頭を銀行に預けてどうする!

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 異世界銀行。
 まあ、こっちからしたら異世界は、元いた世界のことなんだろうが、オレにとってはこっちが異世界なのには変わりはないし、異世界銀行、これでよし。
 異世界銀行では、さまざまなものが管理されている。オレが元いた世界の世界銀行以上に。
 気持ちいい。いい雰囲気だ。
「ヘッドバンギング、だぞ。まえまであえて合わせていたが」
「ヘッドバンキング?」
「ヘッドバン、ギ、ング」
「ギ? えぇっ? ずっとキングかと……」
「俺も、キングだけどな」
「ああ、キング違いだけどな。ちなみにオレゴッド」
「知ってる」
「へぇ、そうなのか。オレ音楽系のこと詳しい気になっていたが。まさかこんな初歩的なこともわからないでいるとは。でもオレは、そういうものよりも単に音楽を追求していたから、間違えてても普通か、外国語だし。まあ簡単な英語かもだが……」
「ちなみに、ヘッドバンキングだと、頭を銀行に預けるって意味になる」
「頭を銀行に預けてどうする!」
「いいノリツッコミだ、ホントだよ」
「でもメタル系だろ? 大抵? ヘッドバンギングってさ。アハ、いえたよ、今回は、バンギングって、ギ。オレ、メタル系のはあんまり興味ないんだ。長髪でかっこいいとかそういう感じの意味でなら評価できるが。まあ長髪はメタルに限ったことではないが」
「でも外国語は日本訛りだと結局全然通じないだとか、ネイティヴ云々でどっちもどっちかもだな、でも結局伝わりそうだ。俺は外国人と話はすること何度かあったけど、そういう厳密なところまで求められる関係ではなかった。俺の家政婦ふたりは、外国人のようで別物だ、だからまた別だ、俺が使い慣れてる日本語で会話している。水仕女っていう言葉があってさ、家政婦っていうよりもそのほうが、かっこいいんじゃないかって。でも水締め係みたいでなんかまぎらわしいかなと」
「話長くないか? ただオレが記憶力弱いだけだろうが。まとめて言われるとぜんぶのこと返せれない感ある」
「俺は聞き返されてもキレないようにするからまた聞き返せばいい」
「ありがとう。まあ今回は聞き返す必要はないから聞き返さないけど。でもやっぱり気になることが……外国人と話ししてたの?」
「ああ。まあ、旅行者っぽいものに質問されたとか、昔通っていた、英語塾の延長で、関係があったって程度だけど」
「なるほど。でもムロイぐらいなら、外国人でも簡単に攻略できるだろう、人種や言語の壁をこえてさ」
「そうだ、しかも、俺は俺の家政婦のふたりから、元いた世界では少なくとも一番外見がかっこいい男だから、ということで気に入られた、もっと詳しく話せるが長くなる」
「ああ、また聞かせて」
 確かにムロイはオレが元いた世界でどんな男よりもイケメン。
 夢のようだ、あの超人ムロイとともに生活ができるだなんて。
 でも、これも夢ではないし、空想でもない。
 オレ、なんか人間的成長ができた感覚だ。実際はべつにそうでもないとしても、なんにしてもオレは、いますごい存在。
「そうだ。でも、こっちの銀行、頭を預けれるらしいぞ」
「着脱可能ってことか?」
「そういうタイプのものもいるってことなんだろうか。でも脳のデータを保管するって意味らしい」
「じゃあある意味ヘッドバンキングだ」
「だな、ヘッドバンキング」
 オレたちはその場でヘッドバンギングをした。
 ムロイもオレも長髪。
 オレたちはまるでミュージシャンみたいだ。
 オレのヘッドバンギングを見て惚れる女多数。
 銀行でもダンスしだすオレ。
 ダンスダンスアンドレヴォリューションだ。
 オレとダンスしたがる女多数、交わりたがってる。
「ハロー? オレとダンスしたい?」
「ぜひ!」
「よっしゃイってみよー!」
 オレは激しくダンシング。ピストン運動っていうんだっけ? この動き。
 オレは元いた世界ですご腕ダンサーともいわれてたマイク・ジャクソンのハネムーンウォークを真似た。できていないが。
 ハネムーンウォークは前のほうに歩く運動をしているように見えるが後ろに移動しているというダンスだ。マイク・ジャクソンは、これを徹夜で練習したんだとか。
 ハネムーンウォークは失敗、でも、オレは歓声を浴びている。
 銀行でダンスダンスんでダンス!
 スーパースターのMVのようだ。
 オレは主役でスーパーヒーロー。
「名前は?」
「サトウ ゴッド ヒロシ」
「ゴッド……♡」
「ホオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
 オレはマイク・ジャクソン意識して吠えた。
 オレは歓声を浴びる。
 オレはこっちでならマイク・ジャクソンより人を盛りあがらせれる。
 銀行の横にある皇立図書館にオレはノリノリで移動。
 オレが人を通り過ぎるたびにその人々はオレについてってノリノリだ。
 オレは、ムロイに頼みたいことがまたできた。
「どうしたゴッド」
 もうムロイは、オレのことをゴッドと呼んでいる。そのほうが呼びいいのかもな。
「動画撮ってよ、MVを」
「OK」
 ムロイは一緒に異世界入りしたニッコンというブランドの高いカメラでオレの勇姿を撮影。
 本来図書館で騒ぐのは問題行為、しかもここは皇立図書館。でも、みんなノリノリだからいいんだ。
 女館員と乱取りしだすオレ、寝技。
 平和だ。
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