僕と先生は、終わった。

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第1章 同棲生活始まります!?

始まったあの朝

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思い切りあくびをしたのを、前の机の長野さんに見られてしまった…!
「中川先生、可愛すぎでしょ…」
くすくす笑う美女にそう言われると、悪い気はしないけど、恥ずかしさの方が勝る!
「ううう…、あんまり笑わないでくださいよぅ。」
朝礼も終わり、あと五分で授業が始まるので、周りの先生方は移動やらなんやらで忙しそうだが、長野さんは、長い脚を組んで優雅にコーヒーを飲んでいる。
彼女は事務員なので、授業がないのだ。
僕はといえば、もちろん数学は朝から授業があるので、すぐに教室に向かわなければならない。
毎朝目の前でゆっくりしている長野さんが心底羨ましい。
いや、やめたやめた。
考えても仕方ないことは考えない方がましだ。
僕は教科書とファイルを持って、2年C組に向かった。
授業が始まる1分前だというのに、まだ廊下に出てはしゃいでる男子生徒達に声をかけて、教室に入った。
メイクやファッションの話で盛り上がっている女子。
黙って本を読んでる子。
頑張って勉強をしている子。
教室にはいろんな人間がいて、一人一人個性があって、とても面白い。
僕はなんだか毎朝感動している気がする。
「先生、何涙ぐんでるんですか。」
誰かがそう言うと、教室中が和やかな笑いに包まれる。
この穏やかな空間が、何より好きなのは僕だけだろうか。
チャイムのベル音が鳴った。
「ごめんごめん!それじゃぁ、授業始めます。えっと…そうそう、三角関数が終わったから…」
たまに寝てる子もいるけど、大体の子はちゃんと僕の話を聞いて、理解しようとしてくれる。
寝てる子も、なんだか高校生らしくて怒る気になれない。
なんてお人好しなんだろう、馬鹿だな。
教科書の例題を解くように指示して、僕は教室内を歩き回った。
難しそうな顔で白紙のノートを睨んでいる子が多い。
少し難しかったかもしれない。
そんな中、一人だけ、背筋をピンと伸ばして、こちらをじっと見ている男子生徒がいた。
僕はいつもの調子で軽く話しかけた。
「お、長月君!もう終わったの。君はいつも速いねぇ。」
そしてその長月君は、いつもの通りしかめっ面をしてそっぽを向く。
僕は彼のもとを静かに去って、また見回りに戻る。
いつものことだ。
僕は薄々感じていた。
彼に嫌われているのかもしれないと言うことを。
まあ、そんな一人の生徒に嫌われたからって、先生を止めるわけにもいかないし。
なんだか申し訳なく思うけど、僕にはどうしようもできない。
でも長月君は、凄い。
いつも数学のテストは満点で、最難関大と言われているところの入試問題も解けるぐらいだ。
担任の星宮先生曰く、凄いのは数学だけらしいけれど。
他の授業は、大体寝てるらしい。
「さあ、そろそろ解説しようかなー。」
僕は長月君を一瞥して、黒板の元へいそいそと戻っていった。
その翌日のことだった。
まさか僕と長月君の同棲生活が始まるなんて、誰が予測できただろう。












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