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第1章 同棲生活始まります!?
やばい兄弟
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気がついたら、雨を吸い込んで少し湿った土の上に寝かされていた。
首に鋭い痛みを受けてからずっとぼんやりとした頭痛がしていて、頭が回らない。
すぐ近くから、二つの声が聞こえてくる。まず一つの低い方の声が嬉しそうに笑った。
「しかしこんなでかいリュックだ。なんかいいもん入ってるに違いねえ。」
高い方の声がなだめる。
「兄さん、焦りは禁物だよ。まずはこいつがちゃんと気を失ってるか確かめないと。」
その男は僕の方に近づいてきた。
開いた目の隙間からチラリと見えたその顔は、どこか中世的だったが、目を引いたのは顔ではなく、淡いピンクに似た白い髪だった。
男にしては長いその髪は、どこか艶やかで美しい。
しかしその目は氷よりも冷たかった。
その顔が鼻先がくっつくほど近づいてきて、目をガチッと閉じた僕の顔をよくよく観察している。
僕は死んだふりは得意じゃない。
「どうも怪しいな…」
次の瞬間、その男は僕の耳の先端を舌で軽く触った。
「っひッ!」
「やっぱり起きてるじゃん。」
その氷の目の人物は、冷ややかな笑いで、僕の胸ぐらをつかんだ。
「俺を騙そうっていうのは、あまり良くない考えだと思うよ?」
鋭い目に貫かれて、思わず体が萎縮する。
「兄さん。」
その兄さんと呼ばれた男は、ニヤニヤしながら近づいてきた。
「なんだよ。お前こういうのがタイプなわけ?」
一方の男はぶっきらぼうに返した。
「だから、いるって言ってるでしょ。何度言わせるの、兄さん。」
冗談めいている口調だが、その目が少しも笑ってないのに気づいて兄の方は黙り込んだ。
「さて、本題に入ろうか。」
ニヤリとしたその顔に、あまりにも感情がないのが不気味だった。
「このリュック、君のじゃないよね?」
男はのしかかったまま、僕の喉元にナイフを突きつけてきた。
今自分のだと言ったら、確実に殺される。
そう思うと目がチカチカしてきて、心臓が破裂しそうだ。
「あ…っう、えと…。」
うまく言葉が出せない僕に、男は少しイラついた様子で睨む。
「黙認ってことでいいんだね。兄さん、それ、持ってっていいってさ。」
だめだと僕の中の何かが叫んだ。
実を言うとそれは僕のものじゃない。ほんとは誰のものかもよくわからない。
でもなぜかそれを持ち歩いていると気分が静まるんだ。
それに僕がいくら救われてきただろう。
お願いだから返して欲しい。
そんな風に説得したとして、この盗賊たちが本当に返してくれるだろうか。
…答えはノーだろう。
僕は、起き上がった男に向かって突進した。男は流石に面食らって、うろたえた。
そのままぬかるんだ地面に同時に倒れ込み、僕は男の手からナイフを弾き飛ばした。
ここまでは良かったんだけど、後ろの兄の存在を思い切り忘れてて…
僕はあっという間に兄に捕まえられて、後ろ手で縛られてしまった。
「てめえ、弱っちいくせに粋がってんじゃねえぞ!」
兄がドスの利いた声で拳を握った。しかしその大きな手は繰り出されなかった。
「…よく見たらお前、結構可愛い顔してんじゃねえか。」
いやらしく笑った兄は、僕のシャツに手を入れてきた。
弟の方はといえば、服についた泥を弾きながら、リュックを背負って余裕そうに僕らを見下ろしていた。
男の分厚い手が、僕の体を少しずつ侵食していくたび、恐怖ときみの悪さで震えが強くなる。
「う、うわ!!やだ、やめ…っ」
僕の、男からしたらほんの些細な抵抗も面白そうに眺める男は、明らかに楽しんでいた。
「へへへ…ちょうどいいや、最近溜まってんだ。喰わせろや。」
舌舐めずりしたのが見えて、背筋が思い切りゾクっとした。
「い、やだ…!やめ…。」
ちょうどその時だった。
「何やってんだ、てめえら。」
それは、聞けばなぜか心が落ち着く、あの声だった。
首に鋭い痛みを受けてからずっとぼんやりとした頭痛がしていて、頭が回らない。
すぐ近くから、二つの声が聞こえてくる。まず一つの低い方の声が嬉しそうに笑った。
「しかしこんなでかいリュックだ。なんかいいもん入ってるに違いねえ。」
高い方の声がなだめる。
「兄さん、焦りは禁物だよ。まずはこいつがちゃんと気を失ってるか確かめないと。」
その男は僕の方に近づいてきた。
開いた目の隙間からチラリと見えたその顔は、どこか中世的だったが、目を引いたのは顔ではなく、淡いピンクに似た白い髪だった。
男にしては長いその髪は、どこか艶やかで美しい。
しかしその目は氷よりも冷たかった。
その顔が鼻先がくっつくほど近づいてきて、目をガチッと閉じた僕の顔をよくよく観察している。
僕は死んだふりは得意じゃない。
「どうも怪しいな…」
次の瞬間、その男は僕の耳の先端を舌で軽く触った。
「っひッ!」
「やっぱり起きてるじゃん。」
その氷の目の人物は、冷ややかな笑いで、僕の胸ぐらをつかんだ。
「俺を騙そうっていうのは、あまり良くない考えだと思うよ?」
鋭い目に貫かれて、思わず体が萎縮する。
「兄さん。」
その兄さんと呼ばれた男は、ニヤニヤしながら近づいてきた。
「なんだよ。お前こういうのがタイプなわけ?」
一方の男はぶっきらぼうに返した。
「だから、いるって言ってるでしょ。何度言わせるの、兄さん。」
冗談めいている口調だが、その目が少しも笑ってないのに気づいて兄の方は黙り込んだ。
「さて、本題に入ろうか。」
ニヤリとしたその顔に、あまりにも感情がないのが不気味だった。
「このリュック、君のじゃないよね?」
男はのしかかったまま、僕の喉元にナイフを突きつけてきた。
今自分のだと言ったら、確実に殺される。
そう思うと目がチカチカしてきて、心臓が破裂しそうだ。
「あ…っう、えと…。」
うまく言葉が出せない僕に、男は少しイラついた様子で睨む。
「黙認ってことでいいんだね。兄さん、それ、持ってっていいってさ。」
だめだと僕の中の何かが叫んだ。
実を言うとそれは僕のものじゃない。ほんとは誰のものかもよくわからない。
でもなぜかそれを持ち歩いていると気分が静まるんだ。
それに僕がいくら救われてきただろう。
お願いだから返して欲しい。
そんな風に説得したとして、この盗賊たちが本当に返してくれるだろうか。
…答えはノーだろう。
僕は、起き上がった男に向かって突進した。男は流石に面食らって、うろたえた。
そのままぬかるんだ地面に同時に倒れ込み、僕は男の手からナイフを弾き飛ばした。
ここまでは良かったんだけど、後ろの兄の存在を思い切り忘れてて…
僕はあっという間に兄に捕まえられて、後ろ手で縛られてしまった。
「てめえ、弱っちいくせに粋がってんじゃねえぞ!」
兄がドスの利いた声で拳を握った。しかしその大きな手は繰り出されなかった。
「…よく見たらお前、結構可愛い顔してんじゃねえか。」
いやらしく笑った兄は、僕のシャツに手を入れてきた。
弟の方はといえば、服についた泥を弾きながら、リュックを背負って余裕そうに僕らを見下ろしていた。
男の分厚い手が、僕の体を少しずつ侵食していくたび、恐怖ときみの悪さで震えが強くなる。
「う、うわ!!やだ、やめ…っ」
僕の、男からしたらほんの些細な抵抗も面白そうに眺める男は、明らかに楽しんでいた。
「へへへ…ちょうどいいや、最近溜まってんだ。喰わせろや。」
舌舐めずりしたのが見えて、背筋が思い切りゾクっとした。
「い、やだ…!やめ…。」
ちょうどその時だった。
「何やってんだ、てめえら。」
それは、聞けばなぜか心が落ち着く、あの声だった。
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