絶対防御とイメージ転送で異世界を乗り切ります

真理亜

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第104話 ダンジョン攻略1

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 翌日から早速ダンジョンの攻略が始まった。

 ダンジョンの中は思ったより明るかった。壁や天井が仄かに光っているようだ。

「どんな魔物が出て来るのかな?」

 ユウがワクワクを隠し切れないといった顔をする。

「1階層目からいきなり強い魔物は出て来んよ。出て来るのは雑魚ばかりじゃろ」

 ラキはにべもない。

「えっと...なんだっけ? グリコーゲン? 何階層に出るんだっけ?」

「リオちゃん、グリフォンですよ? 10階層ですね」

 リオの言い間違いをアリィが訂正する。

「階層を移動する時ってどうするんだ? どっかに階段でもあるのか?」

「んな訳あるか。階層のどっかに縦穴が空いとるんじゃよ。その穴を滑り降りたり昇ったりするんじゃ」

「へぇ~? 滑り台みたいなもんなんだな?」

「滑り台の意味は良く分からんが、恐らくそうなんじゃろ」

 ラキが投げやりに答える。このように全く緊張感の無い会話を交わしている。なぜなら魔物が全く現れないからだ。

「暇だな...」

 早くもユウは飽きて来た。なにせダンジョンに入ってから結構歩いているが、魔物の姿はおろか宝箱もモンスター部屋も全く出て来ないのだ。

 このまま1階層目は終わってしまうんじゃないか? と思っていた時だった。

「グギャアッ!」

 そんな鳴き声と共にゴブリンが現れた。人間の子供のような小さい体格に、2本の角が生えたやや大き目の頭が載っている。赤く光る大きな目に、耳まで裂けた大きな口には鋭い牙が生えている。手には棍棒のような武器を持って近付いて来る。それも群れを作って。

「リオ、蹴散らせ」

「オッケー!」

 ラキの言葉に、リオが嬉々としてゴブリンの群れに突っ込んで行く。もちろんユウのバリヤ付きである。

「どうじゃアリィ? 雑魚相手に弓矢の練習をしてみては? リオが打ち漏らしたゴブリンを狙ってみい?」

「や、やってみます!」

 ユウはアリィのバリヤを外した。

「エイッ!」

 スカッ

「ヤアッ!」

 スカッ

「トウッ!」

 スカッ

「...うううっ...私には才能が無いようです...」

 全く当てられないアリィが崩れ落ちた。

「ま、まあ、なんだその...的が小さい上にチョコマカと動き回ってるから...」

 ユウがあまりフォローになっていないフォローをする。

「そういう問題じゃないじゃろ...」

 ラキはため息を吐いた。そんなことをしている間に、ゴブリンの群れを片付けたリオが戻って来た。

「ただいま~ って、アリィ? どうしたの?」

 落ち込むアリィを見てリオが尋ねるが、答える者は誰も居なかった。
 
 
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