絶対防御とイメージ転送で異世界を乗り切ります

真理亜

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第117話 ダンジョン攻略14

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「が、骸骨が...骸骨がぁ...」

 ついにラキが泣き出してしまった。

「ラキ、大丈夫だから。泣くな」

 ユウが宥めるがラキはアリィの胸の中で泣き続けている。

「ゆ、ユウ! き、キリが無いよ!」

 どうやらここもモンスター部屋と同じように無限湧きらしい。倒しても倒してもシスタースケルトンが途絶えることは無い。

「ユウ! 祭壇の所に居る神父が怪しいです!」

 アリィが指差す方に目をやると、確かに神父の格好をしたスケルトンの姿が見える。

「任せろ! リオ! もうちょっと頑張れ!」

「オッケー!」

 ユウがシスタースケルトンを蹴散らしながら神父スケルトンに向かう。すると神父スケルトンが手にしていた杖を掲げた。

 杖が発光し炎が噴き出す。

「うぉっ!? ま、魔法!?」

「ユウ! 気を付けて! それはただのスケルトンじゃなくリッチです!」

 アリィが叫ぶ。スケルトンの上位種に当たるリッチは、生前高名な魔術師だった者が魔物化したものと言われている。

 なので多彩な魔法による攻撃が可能な魔物である。

「び、ビックリした! そういうことか!」

 バリヤは張っているのでノーダメージだが、肝が冷えたのは間違いない。

「だが魔法を放つ前に倒せば問題無し!」

 ユウは更に踏み込んでリッチに肉薄し、

「ウリャアッ!」

 能天にユグドラシルの杖を叩き込んだ。リッチは粉々に砕け、それと共にシスタースケルトンも骨に戻った。

「フゥ...終わったか...」

 ユウが息を吐いた。

「ユウ! 変です! 扉が開きません!」

 アリィがまた叫ぶ。見ると確かに扉が閉じたままだ。その時だった。

「な、なんだこの冷気は!? さ、寒気が!」

 バリヤを張っているにも関わらず、鳥肌が立つ程の冷気を感じるなんて尋常じゃない。ユウは辺りを警戒した。すると祭壇の上に何かが現れた。

「なんだあれ!? 死神!?」

 それは真っ黒なボロボロの黒いローブを身に纏った骸骨で、巨大な鎌を手にしている。まさにマンガや映画などで良く見る死神そのもの姿だった。

「ユウ! 気を付けて! それはグリム・リーパーです! あの大鎌は即死攻撃なので受けないで!」

 アリィがまたまた叫ぶ。確かにあの大鎌からは禍々しい気配を感じる。もしかしたらユウのバリヤでも防げないかも知れない。

 ユウの体に戦慄が走る。

「シャアッ!」

 グリム・リーパーが掛け声と共に大鎌を振るう。

「うおっとっ!」

 ユウが慌てて避けた。やはり嫌な予感がするのでバリヤでは受けたくなかったのだ。

「ギィヤァッ!」

 グリム・リーパーがまた大鎌を振るう。

「くそっ!」

 ユウがまた避ける。だがこれではジリ貧だ。なにせプカプカ宙に浮いているグリム・リーパーに攻撃を当てる手段が無い。

 ユウに焦燥感が込み上がって来た。
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