絶対防御とイメージ転送で異世界を乗り切ります

真理亜

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第123話 ダンジョン攻略20

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 水竜がユウ達に向けてジェット水流を放った。

「うおっ!?」

 ザハギンの水鉄砲の比じゃない量の水が押し寄せ、バリヤを圧迫して目の前に迫って来る。

 その恐怖に堪らずユウは、リオとアリィを両腕で抱えるようにしながらズルズルと後退して行った。

「このクソ蛇がぁ!」

 ユウ達から注意を逸らそうとラキがブレスを放つ。だがまたしても水竜は水中に潜ってラキのブレスを躱した。

「クソッたれが! チョコマカと逃げ回りおってからに!」

 ラキがイライラしている。そこに水竜のジェット水流が直撃する。

「ぐおっ!?」

 ラキの体がグラついた。水に落ちそうになる。

「うがぁっ! もうあったま来たぁ!」

 何を思ったのかラキはそのまま水の中に飛び込んだ。

「ら、ラキ!?」

 やっと水が引いてクリアになった視界の中に、その光景を捉えたユウが叫ぶ。一方、水に潜ったラキはというと、

「うおりゃあああっ! 蛇の一本釣りじゃい!」

 なんと水竜をガッチリとホールドした状態で飛び上がって来た。
 
「こ、この! ヌメヌメとしおってからに! オノレはウナギか!?」

 そう悪態を吐いた後「ペイッ」とばかりに地面に放り投げた。そして、

「死にさらせやぁ!」

 ブレスを叩き付けた。水竜の体は木っ端微塵に弾け飛んだ。

「「「 うげっ! 」」」

 そのスプラッタな光景に思わずユウ達が嘔吐く。

「フウフウッ...手間取らせおってからに...」

 ラキが降りて来て竜人の姿に戻り、水竜の亡骸というか肉片に近寄った。

「これが魔石じゃな。そんでこっちがドロップアイテムの水竜の牙と...どうでもいいけどヌルヌルしてて気持ち悪い!」

 ユウ達の所に戻って来たラキは開口一番、

「お風呂入りたい...」

「ラキ、お疲れ様でした」

 全裸のラキをバスタオルで包みながら、アリィが優しく労を労う。もちろん、アリィにドヤされる前にユウはちゃんと目を逸らしている。 

「あっ! 見て見て! 湖の水位が下がって行くよ!」

 リオの指差す方を見ると、確かに先程よりも水位が下がっている。

「なるほど。水竜を倒したから道が開けるってことか。それにしてもゆっくりだな」

 水が完全に引けば通路が現れるということだろう。

「ちょっと早いが今日はここで休むとしよう。道が現れるまで時間が掛かりそうだしな。アリィ、家を出してくれるか? ここまで他の冒険者の姿も見えないし大丈夫だろう」

「そうですね。ラキをお風呂に入れてあげたいし。みんなも疲れてますもんね。そうしましょう」

「「 賛成~! 」」

 ラキとリオも同意した。

 こうして今日は冒険はここまでとなった。

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