絶対防御とイメージ転送で異世界を乗り切ります

真理亜

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第125話 ダンジョン攻略22

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 次の日になると完全に湖の水は引いた。

 湖の底に10階層目へと至るであろう縦穴が現れた。

「いよいよ目的の10階層目だな」

 ユウか気合いを入れる。

「言われてみればそうじゃったな。目的はなんじゃった?」

 ラキが尋ねた。

「グリフォンからのドロップアイテム、グリフォンの翼の羽ですね」

 それにアリィが答える。

「そんなもんじゃったか? 地竜や水竜のドロップアイテムの方がよっぽど貴重じゃぞ?」

「いやいや、ギルドに依頼する時、そんなレアアイテム普通は頼まないだろ」 

「それもそうか」

「ねぇ、早くグリルプレート倒しに行こうよ!」

「リオちゃん、グリフォンですよ?」

 そして10階層目に突入した。


◇◇◇


「こ、これは硫黄の匂い!?」

「臭い~! 鼻が曲がる~!」

「あそこに間欠泉が吹き出してますね...」

「ここはどうやら温泉エリアのようじゃな」

 硫黄の匂いと間欠泉から吹き出す蒸気で前が良く見えない。

「みんな、慎重に行こう」

「あぁ、足元注意じゃな」

「リオちゃん、これどうぞ?」

「これなに?」

「マスクです。こうやって顔に掛けると匂いが少し防げますよ? ちょっと息苦しくなりますけど」

 アリィが取り出したのは防塵マスクだった。

「こうかな? うん、少し臭くなくなったかも! アリィ、ありがとう!」

「どういたしまして」

「スマン、アリィ。妾にも貰えるかの...」

 どうやらラキも我慢していたらしい。

「はい、どうぞ?」

「ありがとう...しかし...お主らは平気なんじゃな?」

 ユウとアリィが顔を見合わせる。

「まぁ、ある意味慣れてるし」

「温泉地ってこんなもんですよね」

「逞しいな...」

「ホントに...」

 人間と違って獣人や竜人は匂いに敏感らしい。
 

◇◇◇


 蒸気で見辛い中をゆっくり進んで行くと、

「キエェェェッ!」

 そんな奇声が聞こえて来た。

「なんだ!?」

「全く見えんな...」

「鳥!?」

「そうかも知れませんね」

 すると今度は羽ばたく音が聞こえて来た。
 
「上だ!」

「キエェェェッ!」

「あれがグリフォンじゃ!」

 鷲の翼と上半身、ライオンの下半身を持つ怪物は、上空から襲い掛かって来た。

「うおっ!?」

 グリフォンは鋭い鉤爪で攻撃して来る。バリヤで防いでいるからダメージは無いが肝を冷やすには十分だった。

 グリフォンは攻撃が効かないと見るや、また蒸気の中に飛び上がって行った。

「見えないというのは厄介じゃな...」

 ラキがボヤく。

「キエェェェッ!」

「また来た!?」

「早過ぎないか!?」

「違います! 二頭居るみたいです! もっと居るかも!」

 どうやらグリフォンの群れに囲まれたようだ。

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