我が家の乗っ取りを企む婚約者とその幼馴染みに鉄槌を下します!

真理亜

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「エリザベート、彼女のことは僕に任せてお前は舞踏会に戻りなさい。お客様方を放置してはいけないよ?」

「お兄様...それもそうね...じゃあお任せします。アンリエット、また後でね?」

「えぇ、どうもありがとう」

「さて、素敵なレディ。私めと一曲踊って頂けませんか?」

 クリフトファー様にダンスを誘われた私はビックリしてしまった。なぜならクリフトファー様は昨年、婚約者であった女性を馬車の事故で亡くされてから、誰とも踊ったりして来なかったからだ。

「あ、あの...ほ、本当に私なんかでよろしいんでしょうか...」

 私の境遇に同情してくれたのかも知れないけど、なんだか申し訳なくて思わず聞いてしまった。するとクリフトファー様は私の耳元でこう囁いた。

「目が赤くないから目薬を使ったことバレバレだよ。誤魔化すためにも僕とダンスを踊るべきじゃないかな?」

 バレて~ら! えっ!? クリフトファー様どっから見てた!? 私の背中を冷や汗がタラ~リ流れた。

 私は悪戯が成功して、してやったりというような顔をしているクリフトファー様に、

「わ、私なんかで良ければ是非」

 断るという選択肢はなかった。


◇◇◇


「なるほどねぇ。そんな面白いことになってたのかぁ」

 今、私とクリフトファー様は一曲踊り終えて休憩室に二人っきりで居る。あの後私は、ダンスの最中に洗いざらい白状させられて疲労困憊だったからだ。

「あ、あの、クリフトファー様...このことは誰にも言わないで頂けると助かります...」

「もちろん誰にも言わないよ。ただしアンリエットの計画に僕も協力させてよ? なんだか楽しそうだ」

 そう言ってクリフトファー様はさも楽しそうにしている。計画を知られた以上、協力してくれるのは正直ありがたい。でも本当にいいんだろうか? だってクリフトファー様は...

「ありがたいお言葉ですが、クリフトファー様はその...」

「まだ傷心中だって思ってる?」

「え、えぇまぁ...」

 するとクリフトファー様は吐き捨てるように、

「どうってこと無いよ、あんな女」

「へっ!? で、でもクリフトファー様は愛しておられたんでは!?」

 私は混乱していた。だから心の傷が癒えるまで、誰とも関わったりはしないんだと思っていたからだ。

「元々が政略結婚だったからね。そこに全く愛が無かった訳じゃないけど、お互いに貴族として割り切って節度ある付き合いをしていたつもりだったよ。僕の方はね」

「と言われますと?」

「相手の方はそうじゃなかったみたいでね。侍従だった男と駆け落ちしたんだよ」

 衝撃の事実!

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