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ミランダ達はなんの収穫も無いまま疲れた様子で砦に戻って来た。
するとそこへジョギング中のアマンダが通り掛かった。
「あら、お帰りなさい。どうだった?」
気付いたアマンダが手を振りながら近付いて来た。
「あぁ、まぁ...ちょっと色々あってね...」
ミランダは口ごもった。
「それよりママ、その格好なに? もしかしてダイエット中?」
「アンタってホント失礼な娘ね! 私のこの完璧なプロポーションのどこにダイエットが必要だっていうのよ!」
途端にアマンダは激昂した。
「あぁ、はいはい。凄い凄い。それじゃあ一体なんなの?」
ミランダの軽く流すような物言いに、アマンダは更にヒートアップした。
「体力作りに決まってんじゃないのよ! そんなことも分かんないの!」
そんな親娘の微笑ましい? やり取りをしている所に、
「ヒーハー...ヒーハー...」
荒い息を弾ませながらマリウスがようやく追い付いて来た。
「えっ!? マリウス殿下!? なんでママと一緒に走ってんですか!?」
ミランダが驚いて尋ねる。
「私がマリウス殿下のトレーニングを引き継いだのよ」
喋れないマリウスに代わってアマンダが答える。
「ママが!? なんで!?」
「あの人に任せておいたらマリウス殿下が潰れちゃうからね。私がここに居る間は面倒見るって決めたのよ」
「あぁ、なるほど...そういうこと...」
「ほらほら、マリウス殿下。しっかり」
アマンダは今にも倒れ込みそうな状態のマリウスを支えた。胸に抱き抱えるようにして。
「ホワワワァッ~♪」
途端にマリウスが元気になる。下半身の一部分が特に。思わず赤面してしまったミランダは顔を背ける。
「元気になったみたいですね? さぁ、もう一周行きますよ?」
「Yes,Ma'am~♪」
完全に目がハートマークになったマリウスがアマンダの後を追い掛ける。そんな光景を冷めた目で眺めていたミランダは、
「全くもう...ホント男ってどうしようも無い生き物ね...」
そう吐き捨てた。
「アハハ、まぁね。でもアマンダおば様が相手じゃ仕方ないんじゃないの?」
それまで圧倒されていたのか、ずっと黙っていたリリアナが達観したようにそう言った。
「もっとも、クラウド殿下はそんなことには...殿下!?」
クラウドの方を振り返ったリリアナは、様子がおかしいことに気付いた。
「マリウスのヤツ...なんて羨ましい...」
そんなことをブツブツ呟いていたクラウドに、
「どぅえんかぁ~! うぅわぁきぃでぇすぅかぁ~!」
リリアナは瞬時に般若のような顔になってクラウドに迫る。
「ハッ!? ま、待て! ま、待ってくれ、リリアナ! ご、誤解なんだ!」
それに気付いたクラウドは慌てて言い訳するがもう遅い。
「問答無用~!」
「ギィヤァァァッ!」
クラウドの断末魔の叫びを聞きながらミランダは、
「やっぱ男ってどうしようもないわね...」
そう言って頭を振った。
するとそこへジョギング中のアマンダが通り掛かった。
「あら、お帰りなさい。どうだった?」
気付いたアマンダが手を振りながら近付いて来た。
「あぁ、まぁ...ちょっと色々あってね...」
ミランダは口ごもった。
「それよりママ、その格好なに? もしかしてダイエット中?」
「アンタってホント失礼な娘ね! 私のこの完璧なプロポーションのどこにダイエットが必要だっていうのよ!」
途端にアマンダは激昂した。
「あぁ、はいはい。凄い凄い。それじゃあ一体なんなの?」
ミランダの軽く流すような物言いに、アマンダは更にヒートアップした。
「体力作りに決まってんじゃないのよ! そんなことも分かんないの!」
そんな親娘の微笑ましい? やり取りをしている所に、
「ヒーハー...ヒーハー...」
荒い息を弾ませながらマリウスがようやく追い付いて来た。
「えっ!? マリウス殿下!? なんでママと一緒に走ってんですか!?」
ミランダが驚いて尋ねる。
「私がマリウス殿下のトレーニングを引き継いだのよ」
喋れないマリウスに代わってアマンダが答える。
「ママが!? なんで!?」
「あの人に任せておいたらマリウス殿下が潰れちゃうからね。私がここに居る間は面倒見るって決めたのよ」
「あぁ、なるほど...そういうこと...」
「ほらほら、マリウス殿下。しっかり」
アマンダは今にも倒れ込みそうな状態のマリウスを支えた。胸に抱き抱えるようにして。
「ホワワワァッ~♪」
途端にマリウスが元気になる。下半身の一部分が特に。思わず赤面してしまったミランダは顔を背ける。
「元気になったみたいですね? さぁ、もう一周行きますよ?」
「Yes,Ma'am~♪」
完全に目がハートマークになったマリウスがアマンダの後を追い掛ける。そんな光景を冷めた目で眺めていたミランダは、
「全くもう...ホント男ってどうしようも無い生き物ね...」
そう吐き捨てた。
「アハハ、まぁね。でもアマンダおば様が相手じゃ仕方ないんじゃないの?」
それまで圧倒されていたのか、ずっと黙っていたリリアナが達観したようにそう言った。
「もっとも、クラウド殿下はそんなことには...殿下!?」
クラウドの方を振り返ったリリアナは、様子がおかしいことに気付いた。
「マリウスのヤツ...なんて羨ましい...」
そんなことをブツブツ呟いていたクラウドに、
「どぅえんかぁ~! うぅわぁきぃでぇすぅかぁ~!」
リリアナは瞬時に般若のような顔になってクラウドに迫る。
「ハッ!? ま、待て! ま、待ってくれ、リリアナ! ご、誤解なんだ!」
それに気付いたクラウドは慌てて言い訳するがもう遅い。
「問答無用~!」
「ギィヤァァァッ!」
クラウドの断末魔の叫びを聞きながらミランダは、
「やっぱ男ってどうしようもないわね...」
そう言って頭を振った。
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