61 / 133
61
しおりを挟む
「さぁさぁ~~♪ どうぞどうぞこちらに~♪ 二名様入りまーす♪」
圧倒されたミランダとマリウスの二人だったが、取り敢えず席に案内してくれるらしいので、女の子に導かれるまま大人しく付いていった。
「メニューはこちらになりまーす♪ どうぞご覧くださーい♪ 担当は私『セレナ』になりまーす♪ よろしくお願い致しますね~♪ キャハハ♪ キャルーン♪」
そう言って女の子改めセレナはメニューを渡して来た。訳が分からないまま取り敢えずメニューを開く。
『...』
またしても二人は沈黙してしまった。なぜならメニューには『可愛いメイド~』や『LoveLoveキュンキュン~』などの文字が、品名の語頭や語尾に必ずくっ付いていて読み辛いったらなかったからだ。
「え、え~と..わ、私は取り敢えずコーヒーで...」
「あ、俺も同じで...」
「は~い♪ 可愛いメイドがブレンドしたコーヒーLoveLoveキュンキュンスペシャル二つ入りまーす♪ キャハハ♪ キャルーン♪ 少々お待ちくださいね~♪」
怒涛のようなセリナが立ち去った後、二人は顔を見合わせてから一言、
『取り敢えずあれはメイドなんかじゃない』
とキレイにハモッた。
◇◇◇
「もしあんなメイドがウチに居たら私...速攻ぶっ飛ばしてるかも知れません...」
ミランダが物騒なことを言い出した。
「あぁ、俺も激しく同意する..っていうか、あんなのまず王宮では雇わん...」
マリウスもそれに乗っかった。
「あ、確かに...ウチでもまず雇いませんね...」
「フゥ...なんだかなぁ...」
マリウスは首を捻りながら何とはなしにメニューを眺めていたが、
「あぁ、なるほど...そういうことだったのか...」
「なにがですか?」
「ミランダ、ここ読んでみ?」
そう言ってマリウスは、メニューの表紙に書かれている一文を指差した。
「え~となになに...『当店はコンセプトカフェとなっております。紳士淑女の皆さん、一夜限りの夢をどうぞご堪能ください。今宵はあなた専属のメイドがご奉仕致します。これであなたも貴族の気分を存分に味わえますよ』...なるほど...」
「つまり一般庶民が一夜限りの貴族に成れるって訳だよ。金払ってね」
「あぁ、だからメニュー全ての値段がクッソ高く設定されているんですね...」
「そうなのか?」
「えぇ、市場価格の優に3倍は行っていると思います...コーヒー1杯でこの値段は有り得ない...」
「つまりサービス込みの値段設定ってことか...」
そう言ってマリウスは店内を見渡してみた。
圧倒されたミランダとマリウスの二人だったが、取り敢えず席に案内してくれるらしいので、女の子に導かれるまま大人しく付いていった。
「メニューはこちらになりまーす♪ どうぞご覧くださーい♪ 担当は私『セレナ』になりまーす♪ よろしくお願い致しますね~♪ キャハハ♪ キャルーン♪」
そう言って女の子改めセレナはメニューを渡して来た。訳が分からないまま取り敢えずメニューを開く。
『...』
またしても二人は沈黙してしまった。なぜならメニューには『可愛いメイド~』や『LoveLoveキュンキュン~』などの文字が、品名の語頭や語尾に必ずくっ付いていて読み辛いったらなかったからだ。
「え、え~と..わ、私は取り敢えずコーヒーで...」
「あ、俺も同じで...」
「は~い♪ 可愛いメイドがブレンドしたコーヒーLoveLoveキュンキュンスペシャル二つ入りまーす♪ キャハハ♪ キャルーン♪ 少々お待ちくださいね~♪」
怒涛のようなセリナが立ち去った後、二人は顔を見合わせてから一言、
『取り敢えずあれはメイドなんかじゃない』
とキレイにハモッた。
◇◇◇
「もしあんなメイドがウチに居たら私...速攻ぶっ飛ばしてるかも知れません...」
ミランダが物騒なことを言い出した。
「あぁ、俺も激しく同意する..っていうか、あんなのまず王宮では雇わん...」
マリウスもそれに乗っかった。
「あ、確かに...ウチでもまず雇いませんね...」
「フゥ...なんだかなぁ...」
マリウスは首を捻りながら何とはなしにメニューを眺めていたが、
「あぁ、なるほど...そういうことだったのか...」
「なにがですか?」
「ミランダ、ここ読んでみ?」
そう言ってマリウスは、メニューの表紙に書かれている一文を指差した。
「え~となになに...『当店はコンセプトカフェとなっております。紳士淑女の皆さん、一夜限りの夢をどうぞご堪能ください。今宵はあなた専属のメイドがご奉仕致します。これであなたも貴族の気分を存分に味わえますよ』...なるほど...」
「つまり一般庶民が一夜限りの貴族に成れるって訳だよ。金払ってね」
「あぁ、だからメニュー全ての値段がクッソ高く設定されているんですね...」
「そうなのか?」
「えぇ、市場価格の優に3倍は行っていると思います...コーヒー1杯でこの値段は有り得ない...」
「つまりサービス込みの値段設定ってことか...」
そう言ってマリウスは店内を見渡してみた。
11
あなたにおすすめの小説
結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました
ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。
ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。
王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。
そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。
「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。
お飾り王妃の死後~王の後悔~
ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。
王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。
ウィルベルト王国では周知の事実だった。
しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。
最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。
小説家になろう様にも投稿しています。
白い結婚を告げようとした王子は、冷遇していた妻に恋をする
夏生 羽都
恋愛
ランゲル王国の王太子ヘンリックは結婚式を挙げた夜の寝室で、妻となったローゼリアに白い結婚を宣言する、
……つもりだった。
夫婦の寝室に姿を見せたヘンリックを待っていたのは、妻と同じ髪と瞳の色を持った見知らぬ美しい女性だった。
「『愛するマリーナのために、私はキミとは白い結婚とする』でしたか? 早くおっしゃってくださいな」
そう言って椅子に座っていた美しい女性は悠然と立ち上がる。
「そ、その声はっ、ローゼリア……なのか?」
女性の声を聞いた事で、ヘンリックはやっと彼女が自分の妻となったローゼリアなのだと気付いたのだが、驚きのあまり白い結婚を宣言する事も出来ずに逃げるように自分の部屋へと戻ってしまうのだった。
※こちらは「裏切られた令嬢は、30歳も年上の伯爵さまに嫁ぎましたが、白い結婚ですわ。」のIFストーリーです。
ヘンリック(王太子)が主役となります。
また、上記作品をお読みにならなくてもお楽しみ頂ける内容となっております。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
なぜ、私に関係あるのかしら?
シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」
彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。
そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。
「…レオンハルト・トレヴァントだ」
非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。
そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。
「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」
この判断によって、どうなるかなども考えずに…
※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。
※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、
※ 画像はAIにて作成しております
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』
鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」
公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。
だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。
温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」
離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。
そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる