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時は少し遡る。
リリアナがミランダに引き摺られるようにしてメイド喫茶を後にした直後、カーミラは奥の控え室に引っ込んで来た。
「お疲れ様です、店長。騒がしかったですが、なにかあったんですか?」
すかさず店のスタッフが駆け寄って来る。
「いいえ、大したことじゃないわ。気にしないで。それよりも王都進出の件はどう? 順調に進んでる?」
「はい、既に候補地はいくつか目星を付けてあります。後は店長のご判断待ちという状況です」
「そう、分かったわ。ありがとう。早急に王都へと向かうわね?」
「はい、よろしくお願いします。いやぁ、楽しみですね~! これで三号店が開店すればますます話題になりますよ~! この調子でどんどん店舗を増やしていきましょうね~!」
「えぇ、そうね」
カーミラは妖艶に微笑んだ。そう、ここまでの会話を聞いて分かる通り、このメイド喫茶はカーミラが店長を務めているのだった。
「フフフッ...全く...人間なんてチョロいもんだわ...」
スタッフが出て行った後、カーミラは人間の変装を解いた。魔族の象徴である長い角と鋭い牙が顕になる。
「あぁ、やっぱりこの姿の方が落ち着くわ~」
そう言ってカーミラはソファーに座り込んだ。
「まぁでも、人間共には感謝しないとね。なにせあのアモンを封印してくれたんだから。ついでにサモンも」
カーミラは魔族の中でもエリートとして知られるサキュバス一族の末裔である。先代の魔王であるアモンの一族と勢力争いを繰り広げたが、魔力の高さと身体能力の強さに圧倒され敗走した。脳筋でアホではあるがアモンの力は本物だったのだ。
傷付いた体を休眠状態、つまり卵の形にして魔族領の奥に引っ込み、長い時間を掛けて体と心を癒しながら時を待っていた。
そしてつい先日、アモンの魔力を感じなくなったことで休眠状態から目覚めたという訳だ。そう、新たなる魔王として君臨するために。
復活したカーミラの狙いはズバリ、人間の国を支配することだった。ここら辺はアモンが人間の国に無関心だったことに比べて対照的である。
カーミラはまず搦め手から入った。人間の国を弱体化させるには内部からジワジワと崩していくのが効率的だと思ったのだ。それを可能とするのが、男女問わず人間を魅了するカーミラのサキュバスとしての能力だった。
そしてその第一弾に選ばれたのが、アモンと同じように脳筋で知られる南の砦の兵士達だった。カーミラはメイド喫茶という手を使って篭絡を開始した。
この作戦は見事に当たり、なんとリリアナという大魚まで釣れるという戦果を上げた。
勢いに乗って次は最大の脅威となりうるであろう北の砦にやって来た訳だが、
「やっぱりそう上手くはいかないか。もうちょっと弱体化させたかったけど仕方ないな」
リリアナと違ってミランダには魅了が通じそうもない。カーミラは北の砦の篭絡を早々に諦め、最終目標である王都を目指すことにした。
リリアナがミランダに引き摺られるようにしてメイド喫茶を後にした直後、カーミラは奥の控え室に引っ込んで来た。
「お疲れ様です、店長。騒がしかったですが、なにかあったんですか?」
すかさず店のスタッフが駆け寄って来る。
「いいえ、大したことじゃないわ。気にしないで。それよりも王都進出の件はどう? 順調に進んでる?」
「はい、既に候補地はいくつか目星を付けてあります。後は店長のご判断待ちという状況です」
「そう、分かったわ。ありがとう。早急に王都へと向かうわね?」
「はい、よろしくお願いします。いやぁ、楽しみですね~! これで三号店が開店すればますます話題になりますよ~! この調子でどんどん店舗を増やしていきましょうね~!」
「えぇ、そうね」
カーミラは妖艶に微笑んだ。そう、ここまでの会話を聞いて分かる通り、このメイド喫茶はカーミラが店長を務めているのだった。
「フフフッ...全く...人間なんてチョロいもんだわ...」
スタッフが出て行った後、カーミラは人間の変装を解いた。魔族の象徴である長い角と鋭い牙が顕になる。
「あぁ、やっぱりこの姿の方が落ち着くわ~」
そう言ってカーミラはソファーに座り込んだ。
「まぁでも、人間共には感謝しないとね。なにせあのアモンを封印してくれたんだから。ついでにサモンも」
カーミラは魔族の中でもエリートとして知られるサキュバス一族の末裔である。先代の魔王であるアモンの一族と勢力争いを繰り広げたが、魔力の高さと身体能力の強さに圧倒され敗走した。脳筋でアホではあるがアモンの力は本物だったのだ。
傷付いた体を休眠状態、つまり卵の形にして魔族領の奥に引っ込み、長い時間を掛けて体と心を癒しながら時を待っていた。
そしてつい先日、アモンの魔力を感じなくなったことで休眠状態から目覚めたという訳だ。そう、新たなる魔王として君臨するために。
復活したカーミラの狙いはズバリ、人間の国を支配することだった。ここら辺はアモンが人間の国に無関心だったことに比べて対照的である。
カーミラはまず搦め手から入った。人間の国を弱体化させるには内部からジワジワと崩していくのが効率的だと思ったのだ。それを可能とするのが、男女問わず人間を魅了するカーミラのサキュバスとしての能力だった。
そしてその第一弾に選ばれたのが、アモンと同じように脳筋で知られる南の砦の兵士達だった。カーミラはメイド喫茶という手を使って篭絡を開始した。
この作戦は見事に当たり、なんとリリアナという大魚まで釣れるという戦果を上げた。
勢いに乗って次は最大の脅威となりうるであろう北の砦にやって来た訳だが、
「やっぱりそう上手くはいかないか。もうちょっと弱体化させたかったけど仕方ないな」
リリアナと違ってミランダには魅了が通じそうもない。カーミラは北の砦の篭絡を早々に諦め、最終目標である王都を目指すことにした。
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