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ミランダを乗せたシオンは程無く南の砦に到着した。
「お久し振りです、おじ様。お元気になられたようでなによりです」
「やぁ、ミランダ嬢。久し振り。またキレイになったんじゃないかい?」
「まぁ、おじ様ったら。お上手ですこと」
ミランダを出迎えたのは、リリアナの父親に当たるライリー辺境伯だった。怪我から復帰したとは聞いていたが、とても病み上がりとは思えないほど元気そうに見える。
「今日はどうしたんだい?」
「えぇ、実は...」
ミランダはメイド喫茶の一件をライリーに話して聞かせた。
「...そうか...つまりはウチの連中も魅了を食らっていたんだな...」
「えぇ、そう思います。おじ様、即刻メイド喫茶に営業停止命令を」
「あぁ、分かった。そうしよう。ミランダ嬢、知らせてくれてありがとう」
「どういたしまして。ところで」
ミランダは一度辺りを見回してから続けた。
「リリアナの姿が見えないようですが?」
「...リリアナか...」
すると急にライリーは遠い目をした。
「どうかしたんですか?」
「...アイツは今、隔離してるんだ...」
「か、隔離!?」
ミランダは目を丸くした。
「...あぁ...なにせ勝手に持ち場を離れて遊び回っていたんだからな...この間、ファルファルに乗って戻って来たところを捕まえて詰問したんだよ...そうしたら逆ギレするわ意味不明なことを叫ぶわと暴れて手に負えなくなってな...仕方無しに地下牢へと放り込んでおいたんだ...」
「うわぁ...それはまた...」
今思うと、確かにあの時のリリアナの様子はおかしかった。それが魅了の影響だとすれば納得である。
こんなことならリリアナを先に帰すべきではなかった。今更悔やんでも後の祭りではあるが。
「おじ様、リリアナに会わせてください。魅了されているのなら私の力で解除できますから」
「分かった。済まんがよろしく頼む」
二人は連れだって地下牢へと向かった。
◇◇◇
一方その頃、北の砦ではマリウスが司令官室のガストンの元を訪れていた。
「ガストン卿、ちょっといいか?」
「殿下、どうしました?」
「王宮から兄上の立太子の式典への招待状が届いたんで、一度王都に戻ろうと思うんだ」
「あぁ、それなら儂のところにも来てましたな」
「一緒に行くかい? って、ガストン卿はここを離れる訳にはいかないか」
「ですな。ミランダと一緒に行かれては?」
「あぁ、そうしよう。今日、ミランダは?」
「それがですね...」
ガストンは魔道部隊の訓練中に起こった事故のことを説明した。
「そんなことが...大変だったな...」
「お久し振りです、おじ様。お元気になられたようでなによりです」
「やぁ、ミランダ嬢。久し振り。またキレイになったんじゃないかい?」
「まぁ、おじ様ったら。お上手ですこと」
ミランダを出迎えたのは、リリアナの父親に当たるライリー辺境伯だった。怪我から復帰したとは聞いていたが、とても病み上がりとは思えないほど元気そうに見える。
「今日はどうしたんだい?」
「えぇ、実は...」
ミランダはメイド喫茶の一件をライリーに話して聞かせた。
「...そうか...つまりはウチの連中も魅了を食らっていたんだな...」
「えぇ、そう思います。おじ様、即刻メイド喫茶に営業停止命令を」
「あぁ、分かった。そうしよう。ミランダ嬢、知らせてくれてありがとう」
「どういたしまして。ところで」
ミランダは一度辺りを見回してから続けた。
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すると急にライリーは遠い目をした。
「どうかしたんですか?」
「...アイツは今、隔離してるんだ...」
「か、隔離!?」
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「...あぁ...なにせ勝手に持ち場を離れて遊び回っていたんだからな...この間、ファルファルに乗って戻って来たところを捕まえて詰問したんだよ...そうしたら逆ギレするわ意味不明なことを叫ぶわと暴れて手に負えなくなってな...仕方無しに地下牢へと放り込んでおいたんだ...」
「うわぁ...それはまた...」
今思うと、確かにあの時のリリアナの様子はおかしかった。それが魅了の影響だとすれば納得である。
こんなことならリリアナを先に帰すべきではなかった。今更悔やんでも後の祭りではあるが。
「おじ様、リリアナに会わせてください。魅了されているのなら私の力で解除できますから」
「分かった。済まんがよろしく頼む」
二人は連れだって地下牢へと向かった。
◇◇◇
一方その頃、北の砦ではマリウスが司令官室のガストンの元を訪れていた。
「ガストン卿、ちょっといいか?」
「殿下、どうしました?」
「王宮から兄上の立太子の式典への招待状が届いたんで、一度王都に戻ろうと思うんだ」
「あぁ、それなら儂のところにも来てましたな」
「一緒に行くかい? って、ガストン卿はここを離れる訳にはいかないか」
「ですな。ミランダと一緒に行かれては?」
「あぁ、そうしよう。今日、ミランダは?」
「それがですね...」
ガストンは魔道部隊の訓練中に起こった事故のことを説明した。
「そんなことが...大変だったな...」
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