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しおりを挟むタタン、タタン……
静かに揺れる車内。
窓から入る陽気に当てられ、うつらうつらと眠りに誘われる。
隣に座る彼に寄り掛かり、段々と意識が遠退きはじめる。
(また、怖い夢みないといいなぁ…)
そんな事を考えてたら口に出ていたらしく、彼は俺の頭を撫でながら優しく告げた。
「大丈夫だから…安心して寝てろ。着く頃になったら起こしてやるよ」
久々に見せる彼の優しさに安堵した俺は、瞬きをした後、また瞼を閉じた。
そろそろ眠りに落ちる。
そう感じた時、ふと気になった事を訊ねてみた。
「進道……今、何時?」「…7:55」
少しの間の後、彼は静かにそう告げた。
「そっか………ありがと」
駅に着くまであと5分。
俺の意識は深い眠りへと落ちていった。
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