初恋

冬生まれ

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後日。

いつもの時間に学校を出て友人達とダラダラと世間話をしながら、家へと続く帰り道。
歩みを進めるにつれ、一人また一人と帰路につく友人達を見送りながら、あの交差点へと差し掛かる。
辺りを見渡し車の確認をしてから足を一歩出すと、もう一歩の足が隣に並ぶ。
横を見ると、彼がさりげ無く隣に並んでいた。

「何してんだよ」

そう訊ねると、彼は『別に』と笑って誤魔化した。
そんな彼に溜息を吐いた俺は、彼の手を握りしめて交差点を渡る。
すると彼は俺の手を握り返して『恋人みたい……』と嬉しそうに呟いた。







end
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