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「あ、あの、お姉さま…」
「んー、なにかしら?」
「これは、一体…」
私の目の前には、大量の教科書ーーもとい、今ご婦人方の間で流行っているという恋愛小説が山のように積まれていた。
「勉強よ!!時間をあげると言ったのはいいけれど、その間に何もしないなんてそんなの時間の無駄だわ。だからこれで勉強なさい。いいわね?」
「は、はい。お姉さま」
と返事をしつつ、頭の中は疑問でいっぱい。
お姉さまは普段これを読んでいらっしゃるのかしら?
私の知っているお姉さまと恋愛小説を読むお姉さまは一致しない。
それなら、誰が…?
お姉さまの側仕えをする侍女さんーーマアサさんというらしい。マアサさんは…恋愛小説を読んでいるようには見えない。
恋愛小説というよりは、可愛らしい小動物の画集とか好きそう…。
私の身を匿うのに協力してもらっているから、今度とびきり可愛い小動物の画集をプレゼントしよう。
フローレの中で、マアサさんが可愛い小動物の画集を読んでいることは既に決定事項になってしまったようだ。
『ーーそうして、お姫様は王子様とずっとずっと幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし』
「………ステラさん」
「はい!なんでしょう?」
私が王城で匿ってもらっている間、私のお世話をしてくれている元気な侍女さんーーステラさんは、にこにこと笑顔でこちらを見る。
「さっきからずっとこんな終わりかたなんですが…」
というか、未だに恋がなんなのかよくわからないんですが…。
「その終わりかたでいいんですよ。少なくとも」
お嬢様は知っておられましたか?とステラさんは話を続ける。
「たとえばたった今お嬢様が読み終えられた『シンデレラ』という本。この本は実は貴族のご婦人方だけでなく、庶民の間でも人気なのです。
実際、子供が寝る前に読んであげる親も多いとか。子供は無邪気に、親の読む物語を聞いて、登場人物の顔を想像したり、幸せなおとぎ話を楽しむそうです。
物語を聞く子供たちは、主人公が幸せになる。自分もこんな風になりたいと、そう夢を持つのです。
ご婦人方も一緒で、自分もこんな恋をしてみたかった。という願望も含まれているんですよ。それ以外で挙げるなら、『萌え』だそうです」
「『萌え』ですか…」
「はい、萌えです!」
「ステラさんも、萌えてるんですか?」
「はい!燃えてます!!」
燃えちゃだめー!!と心の中が叫んでいた。
「んー、なにかしら?」
「これは、一体…」
私の目の前には、大量の教科書ーーもとい、今ご婦人方の間で流行っているという恋愛小説が山のように積まれていた。
「勉強よ!!時間をあげると言ったのはいいけれど、その間に何もしないなんてそんなの時間の無駄だわ。だからこれで勉強なさい。いいわね?」
「は、はい。お姉さま」
と返事をしつつ、頭の中は疑問でいっぱい。
お姉さまは普段これを読んでいらっしゃるのかしら?
私の知っているお姉さまと恋愛小説を読むお姉さまは一致しない。
それなら、誰が…?
お姉さまの側仕えをする侍女さんーーマアサさんというらしい。マアサさんは…恋愛小説を読んでいるようには見えない。
恋愛小説というよりは、可愛らしい小動物の画集とか好きそう…。
私の身を匿うのに協力してもらっているから、今度とびきり可愛い小動物の画集をプレゼントしよう。
フローレの中で、マアサさんが可愛い小動物の画集を読んでいることは既に決定事項になってしまったようだ。
『ーーそうして、お姫様は王子様とずっとずっと幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし』
「………ステラさん」
「はい!なんでしょう?」
私が王城で匿ってもらっている間、私のお世話をしてくれている元気な侍女さんーーステラさんは、にこにこと笑顔でこちらを見る。
「さっきからずっとこんな終わりかたなんですが…」
というか、未だに恋がなんなのかよくわからないんですが…。
「その終わりかたでいいんですよ。少なくとも」
お嬢様は知っておられましたか?とステラさんは話を続ける。
「たとえばたった今お嬢様が読み終えられた『シンデレラ』という本。この本は実は貴族のご婦人方だけでなく、庶民の間でも人気なのです。
実際、子供が寝る前に読んであげる親も多いとか。子供は無邪気に、親の読む物語を聞いて、登場人物の顔を想像したり、幸せなおとぎ話を楽しむそうです。
物語を聞く子供たちは、主人公が幸せになる。自分もこんな風になりたいと、そう夢を持つのです。
ご婦人方も一緒で、自分もこんな恋をしてみたかった。という願望も含まれているんですよ。それ以外で挙げるなら、『萌え』だそうです」
「『萌え』ですか…」
「はい、萌えです!」
「ステラさんも、萌えてるんですか?」
「はい!燃えてます!!」
燃えちゃだめー!!と心の中が叫んでいた。
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