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たとえ息子でも
ガシャン、と女王の首の枷が落ちる。
「かっ……は……、あ…あ……ああっ…!」
女王の美しい顔に感情が浮かぶ。
それは怒りというには生ぬるい、 ーーー 憤怒の表情だった。
「しっ……し、し……紫苑んんんんんんんんんんんん!!!」
叫ぶ。後ろ手に付けられた手枷がガチャガチャと音を立てた。
え……なん、だ?レジーナは何故、紫苑の名を知っている?さっき、紫苑はなんと言っていた?なんと……呼んで、いた…?
『璃妃』
「……………そん、な…まさか………」
「紫苑ッ!!またお前なの紫苑!!!また私の男をっ……!!!」
「アンタのじゃないよ?ハルは僕のものだ」
「紫苑ンンンンンン!!この淫売!!糞餓鬼!!育ててやった恩も忘れて実の父親に乗っかるなんて!!ああっ!産むんじゃなかった!!お前なんか!!お前なんかアアアアアアアアッ!!!死ね!!死ね!!また殺してやる!!お前は存在しちゃいけないんだ!!死ねええエエエエエ!!!」
「うるさいよ」
ヒヤリと空気が凍った。比喩じゃない。チラチラと…雪の結晶が見えるほどの低温。
ふうっと紫苑が微笑むと、一瞬でそれは消えてしまったのだが。
「この男はね、僕のものなの。瑞樹春人でもアルトリウスでもない、ただの『ハル』。僕のたったひとりの伴侶。ハルに毎日抱かれてお腹いっぱい精液もらって、どこもかしこも愛されてるのは、僕だけ。ごめんねえ、レジーナ?」
「紫苑!!!」
「良いじゃない。もう十分虐めたでしょ?それがアンタの愛し方だったんだよね?でもさあ、ハルはアンタの焼けた火かき棒より僕の指の方が好きだって。アンタの靴にキスするより、僕とキスする方が気持ちいいって。アンタのおまんこより、僕のお尻の穴が好きなんだって。毎日毎日、ハルは僕とセックスするんだよ?時間がなくてもどんな場所でも、おねだりしたら挿れてくれるの。今朝もね?着替えながら立ったままおちんちんしゃぶってもらって、壁に手を突いて立ったまま後ろから……」
「紫苑……」
俺は紫苑の口を手で塞いだ。本当のことだが居た堪れない…!!
「春人ッ!!このケダモノ!!あんた実の息子に…!!」
「息子じゃない」
ああ……そう、なのか。この女は。女王は。レジーナは。
璃妃 ーーー だったんだ。
「俺は『ハル』だ。瑞樹春人じゃない。だから紫苑は息子じゃないし、たとえ息子でも……俺は紫苑に恋をした」
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