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16.悪役令嬢
しおりを挟む騒然とする夜会会場から逃走し、厩舎へと走ります。ああ、邪魔ですわ、このドレス!早く馬車に乗り込んで、護衛の冒険者たちとの落ち合い場所へと行かなくては…!
時間が勝負!これが下のお兄様のいう『りあるたいむあたっく』というやつですわ!
お兄様のことを考えていたからでしょうか。厩舎の前には馬を連れたお兄様が立っていらっしゃいました。
「ソワヨ、こっちだ!」
「フレディお兄様?!」
お兄様の手には何故かわたくしの荷物。お財布とワンピースと下着、スケッチブックと鉛筆。それだけの入った旅行鞄。
「ルナールの紋章入り馬車で逃走する気だったのか?お前も抜けてるなあ」
カラカラと笑ってわたくしを馬に乗せてくださいました。
これは……協力してくださるのでしょうか?わたくしの国外逃亡は誰にも言っていないのに。
「俺の妹が『悪役令嬢』なんて、なんの冗談だァ?って思ってたけど、こんな可愛いならどうでも良いわ。はー、役得役得。推しが今日も尊いぜ」
『あくやくれいじょう』???
「幸せになれ、ソワヨ。親父や兄貴は王家に怒り狂ってしばらく追って来れねえだろうからな」
その後わたくしは護衛の冒険者たちと落ち合い、一路アレスゲーテを目指しました。女性だけのぶらり旅。とても順調で楽しい旅でございました。
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