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閑話:王弟と弟
しおりを挟むどこか話ができるところを、と冒険者が言うので適当に空き部屋に案内した。
侍女が「すぐにお茶をお持ちいたします」と言うのを冒険者 ーーー 殲赤鬼のリョウは断り、人払いをする。
本当に平民なのかと言うほど手慣れている…。
「さて…ヴァッサロ将軍様?」
ニィッとリョウは唇の端を吊り上げた。
「兄貴……御厨透とは、どう言うご関係で?」
「……彼は私の妻だ」
「……!!??…つ、ま!!??」
「オズワルド・ヴァッサロ。それが今の彼の名だ」
「~~~~!!!…はぁ~~?マジかよぉ……!」
リョウは天を仰ぎ頭を抱える。
「あ゛~~~~まーじーかー……あいつが嫁ぇ~?ああ~、うーあー…えー、あー、んんー、でも……ああ、あれかぁ…。あいつの好みって……親父だったのかぁ~…」
ふう、と溜息を吐いて私を確りと見据えた。強い目だ。
単騎で竜をも屠ると言われるSSSランク冒険者。戦闘になれば勝てるかは五分。いや三分。だが渡す気はない。あれは……オズは、私の………。
「………まずは、礼を言う。兄貴を…御厨透を保護してくれて、感謝する」
リョウはペコリと頭を下げた。
……………ん?
「……すげえ、安心した。なんか幸せそうだし、良い服着てるし、痩せ細ってもねえし。……笑ってるし。こっちの世界に来ちまった時にさあ、兄貴のことすげえ心配したんだ。兄貴、結構自分を追い詰めちまう性格でさ?オレたちを探したりして……おかしくなってんじゃねえか、って…」
心配しなくて良かったんだな、と、リョウは苦笑した。
「……昔っからあいつ、自分がどう見られてるか無頓着でさ?女も男も無自覚に引っ掛けて来るんだ。地球でだって、オレや遥が蹴散らして追い払わなきゃ、修羅場のち拉致監禁コースまっしぐらだよ!?あんたも苦労してんじゃねえ?」
「ああ…そういえば……そうだな」
「だろ!?……って、あいつ、いまだにそんなフェロモン垂れ流しなのかよぉ…」
ふぇろもん?
「すげえめんどくせえだろうけど、……兄貴を、頼む。トラブルメーカーだし、大人しそうに見えてめっちゃ凶暴だし、目を離すとなにしでかすかわかんねえ兄貴だけど……優しくて、真っ直ぐで、んで…………」
「ああ、わかっている。オズは私の ーーー 宝だ」
リョウは一瞬だけ驚いたように目を見開いて。
泣きそうな顔をして、笑った。
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