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モブと王家の謝罪
しおりを挟む「………アルカンジェロとルクレツィア嬢の婚約は白紙に戻そう…」
ふーっと陛下が溜息を吐いて座った。
うん、白紙どころか何にも始まってない話だったんだけどね。
「テオドール……お前の妻は怖い。我が妃が暴れるのが子供の駄々に感じるほど恐ろしいぞ?」
失礼な。
「私も妻を初めて怒らせましたが、二度と嫌がることはすまいと誓いました」
おいまて。言い方!
……言いたいことは多々あるが。
「では、お二人に折れて頂いたので、俺もちょっと折れようと思います」
「………は?」
「アルカンジェロ王太子殿下、俺が診てみましょう」
「……!!」
「ただし、条件があります。まあ条件っていうか、特効薬の必須項目というか…」
「なんだ!?どんな素材だ!?なんとしてでも揃えさせよう!だから……」
「王家からの、心からの謝罪です」
原作の最終章で、お互いを想い合った主人公と王太子がサヴァレーゼ王家の呪いを解こうとするシーンがある。
それで必要不可欠なのは、『神竜を殺した王家の血を引く者の、心からの謝罪』だ。
赤竜に導かれた彼らは、東の森にある《竜の祠》へ行き、神を害した事への心からの謝罪と、償いの約束をして ーーー 《呪い》と《祝福》を返上する。
まー、原作はそれによって今まで無かった災害とかスタンピードとか起こっちゃうんだけど。
「北の民族討伐は、功を焦った王太子が謀叛の罪を着せて起こった事だ、と。広く民に告知を。北の民族と神竜カリーナに非は一切なかったのだ、と」
「そ…のような…!!」
「出来ませんか?これは俺がそうして欲しいから言ってるんじゃないんです。王太子の体を蝕んでいるのは《呪い》というよりは《祟り》です。要は、北の貴竜とまで呼ばれた神聖なる一柱、神竜カリーナの怒りです。腐り落ちる体は、最初は回復魔法でなんとかなっていたんじゃないでしょうか?それが効きにくく…いいえ、効かなくなった。違いますか?」
「………!」
「光が強いほど、影はより濃く。神聖なるものは、裏返ると同じくらいの邪悪なるものに。今は直接血を浴びた王太子だけですが、早くしないと国全体に広がりますよ?もう、すでに……」
「あの討伐に参加した者たちで、体調を崩している者がいるでしょう?」
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