スペリオンズ~異なる地平に降り立つ巨人

バガン

文字の大きさ
30 / 34

崩れ落ちる その3

しおりを挟む
 キャンプの一角に、ラッツ率いるバロン第1部隊はやってきていた。

 「隊長のお付きとは、随分出世したんだな。」
 「おお、ガイ、ケイ、お前らも来てたのか。みんなは?」
 「俺達だけだ。お前らもアレの調査に来たんだろう?混ぜろ。」
 「ということだけどいいかい先輩?」
 「ああ、隊長とアキラから話は聞いていた。君たちがガイと・・・。」
 「こっちはケイ、学者だ。」
 「よろしく、先輩。」
 「副長と呼べ!」
 「あれ、隊長じゃないの?」
 「あー、うん・・・一応今はこの隊を率いているが・・・いや、やっぱり私は副長だ!」

 そここだわるのか・・・と誰もが思った。

 「で、ブツはどこ?」
 「あっちのテントだそうだ。さっそく見に行こう。」

 ひときわ大きなテントを目指して、一同は歩き出す。

 「バロン第一部隊、ただいま到着しました。」
 「よくいらっしゃった。さっそくお茶でも・・・。」
 「丁重にお断りしますよ。すぐに現物を見たい・・・と、飛び入りのお客さんが言っている。」
 「お客さん?」
 「そこにいる・・・いない!」

 現場監督がラッツを歓迎している横で、もうガイとケイは調査を始めていた。

 「思ったよりもデカかった。」
 「ガイが拾ってきたのはパーツの一個でしかなかったのかな。けど、これは何の機械なんだろう?」
 「泥より軽いということは、中は空洞なのかな?」
 「中身の抜け落ちたガワなのかもしれん。」

 ふむふむとガイとケイは見識を述べる。その様子をヴィクトールの科学者たちが呆気にとられるように見ている。

 それは一見すると角々とした形をしており、表面が金属のようにも石のようにも見えるツルツルとした材質をしており、テントに吊るされた電球の光を反射している。湖から引き上げられてから洗浄されたのか、泥はついていない。叩いてみると、反響音はしない。中身が空洞と言うわけではないという事。

 「重さは・・・アキラ、ちょっと持ち上げて見てくれ。」
 「おう・・・そんなに重くない。」
 「見た目よりも軽いのか。俺の拾った円盤とは、材質が違うのか?」
 「おっ、それどこから持ってきたんだ?」
 「ちょいと湖底から引っ掛けてきた。」
 「ちょっと、お前たちステイ!ステーイ!」
 「ん?」

 ラッツの怒声が飛んだ。

 「お前ら・・・調査なんだからもっと情報共有させろよ!」
 「ああ、すまん。いつもの調子でやってしまった。」
 「ったく・・・だが何かわかるのならこちらとしても助かる。」
 「どうか我々にもその知識の一端を分けて頂きたい・・・。」

 仕方がないから見分を一つずつまとめていくこととした。ヴィクトールのことは信用しているわけではないが、何かしら問題を起こされても困るという、監視の意味合いもある。

 「監視が必要なのはお前たちのほうだろう?」
 「んまあ、否定しない。」
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

裏切りの代償

中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。 尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。 取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。 自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

処理中です...