第三次世界大戦

一二三 雄

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3章

3章⑤入山

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「先に逃げろよ。何分欲しい?」
「いや、流石に見失ってからは5分では無理だろう。距離を300mはもらおうか。」
「舐めてるな。ぬる過ぎるが俺には有利だから受けてやるよ。」
「一応言っておくが、流石に光学迷彩は使わないがそれ以外は使う予定だよ。滑空も含めてね。登頂能力はそちらもあるが飛べないはずだろ?」
そのまま出て行こうとする火花を慌てて一条が止めようと走り出そうとした時に梓が声をかけた。
「待ってください。夏月さんの言い方にも問題はありますが、性能差はどうしてもあるのでそんなに怒らないでください。それに出て行くならリザードは」
「怒ってないさ。やるなら早い方がいいだろ?」
「ああ。始めようか。」
外に出て火花と並んだ夏月がバリケードを背にして言う
「300mを測ってくれ。」
独特の電子音で
「alright」
となり、夏月の視界右端に300mから歩くたびにカウントダウンが始まる。
丁度0が表示された時に止まり声をかける。
「聞こえるか。」
「ああ、かなりクリアにな。」
「通信を切ったらスタートでいいかな?スタートまではこちらの音声をそちらにも共有しよう。」
一拍おいて呼吸を整えてから、夏月は言う。本部で見ている誰もが圧倒的性能差で信じて疑っていない夏月の勝利だが、2人だけは緊張感が漂っていた。
「そう言えば、フライングリザードの音声サポートくんは名前はあるのか?」
「audio  support  system  8」
「なるほど、ならEIGHTHエイスと呼ぼうか?」
「alright、my name is EIGHTH」

モニター越しに一条が肩を落として
「勝手にオロチと同じ音声認識AIの最新鋭型なのに8はちと呼ぼうと思っていたんだけどな」

「エイス、5分測ってくれ。カウントダウンは後ろのリザードにも共有してくれ、音声通信はあのリザードだけカウント始まると切ってくれ。」
「alright  countdown start」
先程の0距離表示が300mと記載され、その下にcountdown10sが表示される。
火花のリザードにはcountdown表示のみ共有される
カウントダウンが0になると同時に00.05.00表示が減って行き、夏月は直ぐに5m程跳躍し滑空を始め距離をとり、大きめの樹木に登り身を隠した。
スタート位置から全く動いてなかった火花は一言
「そろそろいいか。」
望遠機能を使い首をゆっくり動かして夏月を探す。そのまま真っ直ぐに夏月を指差す
「そこか。」
「最初動かないとは思ったがもう見つけるのか?1km以上の距離だぞ」
と言いながら滑空準備を始める。
火花は腰を落として100m先に両腕に装備したロープを射出し木を貫いたところで先端の金属を展開し固定したら巻き取りを始めて跳ねるように移動を始める。
「こいつはいいな。」

「master  仮想敵が高速で接近中」
「流石に想定外だな。かくれんぼは意味がなさそうだから鬼ごっこだ。飛ぶぞ。」

「一条さん!火花さんのリザードは本当に一般用や救助用なんですか?」
「あれは、救助時に倒壊した建物のコンクリートなんかも撤去できる装備なんですよ。あんな使い方は普通無理ですよ。」
「あれはもう、軍用でしょう。」
「想定外過ぎるな」

先端の金属が刺さっている木の近くになり、二本の木の真ん中で金属を閉じて木から抜き、空中でロープを全て両腕の装備に納める。巻き取りで得た勢いで飛び出したまま次の木に両腕のロープを射出し同じ容量で飛んで行く。
countdown00.00.58で火花のロープが夏月の体に巻き付き、夏月が振り向いた瞬間に夏月の胸に飛んできた火花の膝がぶつかり地面に倒した。
火花が動いてからは3分と少しであった。

「参ったよ。舐めてた。謝るから退いてくれるか。」
「謝る必要はないさ。俺は合格だろ?」
「そりゃそうだよ。僕だって1人で行きたいわけじゃない。フライングリザードについて来れるならありがたいさ。」
「「それじゃ戻るか。」」




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