上 下
1 / 1

☆彡

しおりを挟む
 程良い雑音がかえって集中力を高めるそんな職場の、トラックでドーン!課に配属されている僕。そうそう、ここは天界。そんで僕は天使。

 一昔前は賊だぞグサ!課だったそうだけど、時代の流れなのか賊からトラックに変わったんだって。まあ今でも賊班は残ってたりするんだけど。

 それまでは不憫な魂を見つけ出してどーのこーのしてたらしいけど、どうせ運命で決まってんだからキミたちちょっと行ってサクっとしてそのままシータマ連れて来ちゃって、てことになったらしい。
 合理化もここまでくるとさすがにどうなの?って思ったりもする。ま、末端の天使にはどうしようもない事だけど。

 「おつかれー」なんて帰ってきた奴が「またかー」つってすぐ出てった。彼はエーストラックドライバだから忙しいんだ。この言い方、ちょっとSFっぽくて気に入ってる。

 ちなみに僕は大型仮免だからまだトラックには乗れない。
 その代わりトラップを仕掛けて崖から落としたり川とか海に落としたりとか色々やってる。

 そもそもなんでこんな課が出来たかっていうと、事情があったり本当は事故なのになんやかやで罪に問われる人がけっこう居たらしいから。その辺はあの神やらあの女神やらも思うところがあったらしい。

 確かにね、異世界連れてく為だけに犠牲になるトラックの運ちゃんが不憫過ぎるもの。
 まあ、なかには本当の賊だったり悪い奴もいたらしいけど。

 なので、合理化には閉口するけど、善良な人間が罪に問われるのを未然に防いでる、って思えばそんなに悪くない仕事かなって思える。

 なんて思ってるそばから神から通知が来たよ。さーて仕事仕事ーっと。
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。


処理中です...