聖女様の嫁入り 〜若き少女たち〜

秋雨りそ

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一章 与えられた使命

朝百合中学校

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 私たちは、数時間車に揺られながら目的の場所に着くのを待った。
 目的の場所とは、選ばれたか弱き少女たちがこれから国を守っていくための教育をする施設。
『朝百合中学校』という、山奥にある偏狭な地にある場所。

 政府が、公開している情報はここまでだった。
 なかで、どのような教育が行われるのか全く見当もつかなかった。

 車の窓のふちに、肘を置いて窓の外を見ていると睡蓮すいれん先輩が突然言った。

「すまない」

 突然の謝罪だった。あまりにも、突然なこと過ぎて視線を睡蓮先輩のほうに向けてしまう。
 だが、視線を変えたのは私だけだった。

 ゆいちゃんと花韮はなにら先輩は微動だにしなかった。私だけが、戸惑っている中睡蓮先輩は下げていた頭を上げて言った。

「突然の謝罪の理由なんだが……まぁわかるよな?」

 睡蓮先輩の問いかけにゆいちゃんと花韮先輩は小さく頷いた。
 私は、はっきりと言った。

「先輩、私先輩の言っていること全く理解ができないんですけど」

「わからないのか」

 ため息を交えながら睡蓮先輩は言った。
 すると、私の方に近づいて優しく手を包み込むと温かい瞳で訴えかけながら言った。

「落ち着いて、聞いてくれ。今私たちは『神の怒り』鎮めるための政府の道具になろうとしている。それはわかるな?」

「はい」

「じゃぁ、わかっているではないか?何が、わからないというんだね?」

「それは……睡蓮先輩が急に謝罪を始めたものだから……」

 すると、睡蓮先輩は優しくそっと微笑みながら言った。

「それはね。私が君たちを巻き込んでしまったからだよ」

「巻き込んだ?それはどうゆう意味で……」

「……簡単に言えば、私以外の三人は私が意図的に選んだ、か弱き少女だからね」

 睡蓮先輩の発言に、ハッとした顔を見せてしまった。今の私は、驚きでいっぱいであり、そして、どうしてあの二人はこの発言に全く驚かないのか。脳の情報処理は私に追いついていなかった。睡蓮先輩は、先ほどの微笑みが顔から消えてまじめな顔になって言った。

「とのことで……本当にごめんなさい!!」

 先輩が、なぜ突然謝ったのかはとっても理解できた。
 だが、なぜほかのメンバーをこのメンツにしたのかはとても不思議であった。

 睡蓮先輩は、立ち上がり元の席に座ろうとした瞬間……

「うおっと!!」

 立ち上がっていた先輩が、倒れそうなくらいの衝撃が車に走った。
 私とゆいちゃんと花韮先輩は近くの座席にしがみついた。

 やっと止まったと思ったのもつかの間。

 今度は、睡蓮先輩が車のドアを開けて外に出た。それに続けて、ゆいちゃんと花韮先輩も出て行った。
 私は、恐怖心を感じていたが自分だけ出遅れるのはダメだと思い、意を決して外に出たのだった。



 外の光景はいつもとは違っていた。
 いつもならば、綺麗な山々が見えるはずなのに目の前に見えているのは、荒れ果てた大地に炎は消えそうにないくらい広がっていた。

 目の前の光景が受け入れられないでいると、花韮先輩は言った。

「戦うよ‼︎」

「戦う……?」

 オウム返しをした私を花韮先輩は強引に引っ張り、空を飛んだのだった。

 もっと、意味のわからない光景が目の前に入ってきて私は気絶しそうだった。
 やっと地面についたと思ったら、ゆいちゃんたちがいた。

 少し、安心できるかと思ったが現実は違かった。

いちい危ない‼︎」と大声を出したのは睡蓮先輩だった。

 私の目の前には、得体の知らない液体が飛んできていた。だが、今の自分には動くことすらできなかった。

 恐怖と言う存在に脅かされていたのだ。


   ◆◇◆◇

「ここで、待っててね」

 ゆいちゃんが、私を落ち着かせながら言った。

「どこに行くの⁉︎」

 大声で、私は言った。恐怖と言うものは消えたが、また人が離れていくと……一人になると恐怖に駆られてしまう。
 ゆいちゃんは、笑顔でそっと言った。

「外の敵、倒してくるから」

 そう言い残し、彼女は私の居る洞窟から出て行った。
 私は、行かないで……と心の中で思ったが、そんなものは誰にも通じないただの独り言だったのだ。

 私は、三角座りをして中心の頭を鎮める。



 私は、どうすればよかったのか。


 私は、何をすれば正解の糸口に辿り着けたのだろうか。


 私は今、仲間を裏切ったと同じことをしているのか。



   ◆◇◆◇

「おらあああああああああ‼︎」

 睡蓮先輩の声が、大地に響き渡る。
 目の前の敵を縦横無尽の倒していく睡蓮先輩。

 私と花韮は、睡蓮先輩の背後に来る敵を排除していく。
 すると、敵を切り倒していると花韮がポツリとつぶやく。

「なんだか、今回の敵はやけにおとなしいな」

「おとなしい……?どうゆうこと?」

 敵の軍団がひと段落したところで一度動作を止めて、花韮は言った。

「いつもならば、もっと殺気の強い敵が来るはずなんだが……今回のは少し殺気が少なすぎる……」

「……?私、そんなの感じ取れないけど……」

「あぁ、それもそうだろう。殺気を感じ取れるのは私だけだからな」

「へー。そうなんだ」

 興味なさそうに、相槌をしていると睡蓮先輩が鋭い指摘をする。

「そんな話している暇があったら、もっと敵を殺せ‼︎」

「「はい‼︎」」

 私と花韮は少し離れて、敵がどこにいるのかを探知して次の襲撃に備えるのだった。



 敵を感知することのできる、特殊なスマホを見ると大体の敵は片付いたみたいであった。
 だが、まだ空やその他水の中になどいろいろなとろこに点々としていた。

 睡蓮先輩が、私たちを集めて言った。

「まだ、敵はいるから油断するなよ……」

「「はい‼︎」」

「で、後気になるんだが、いちいはどこに置いてきたんだ?」

 私は、敵を感知できるスマホを見せながら言った。

「えーと、ここですね──」

 見た瞬間言葉が止まった。なぜなら、櫟を置いている洞窟に敵が数十体いたからだった。
 それを見た、睡蓮先輩は言った。

「おいおい……まずいじゃないか。すぐにいくぞ‼︎」

「「はい‼︎」」

 私たちは、特殊能力神のご加護で空を飛びながら急いでいちいのいる場所に向かうのだった。

 (櫟ちゃん……どうか無事でいてくれますように)と心の中で祈るしか私にはできなかったのだ。



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