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プロローグ
はじまり
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完全なる失態だ……ーーー。
目を覚ましたら、まったく見知らぬ部屋のベッドで寝ていた。
もしや、酒の勢いで私は処女を捨ててしまったのだろうかと思い、恐る恐る布団の中を確認すれば、洋服は着ていた。おそらく、セーフだ。
そんなことを考えていると二日酔い特有の激しい頭痛に襲われた。
たしか、昨日、友人たちと飲んだ帰りに途中で終電をのがして帰宅困難になったのは覚えている。かなり酒を飲んでいたがうっすらと覚えている。
そして、気持ち悪くて、コンビニにふらふらして行こうとしたのも覚えている。
だが、その先はまったく覚えていない。
必死に思い出そうとしていると、部屋のドアが開いて、男性が入ってきた。それもイケメンな男性だった。あれ、どっかでみたことあるような…………?
「なんだ。起きてるなら言えよ」
少し乱暴な口調で、「なんだ覚えてないのか?」と言ってきた。覚えてるわけない。
「俺は槇ノ内 進。お前は藤咲新菜」
あれ、なんでこの人、私の名前知ってるの? 彼の手にはちらつく私の学生証があった。
「へー、慶明大学なんだ。相当頭はいいんだね、新菜ちゃん」
「返してよ!」
「婚約者にそんな口の聞き方していいのかな、新菜ちゃん」
槇ノ内さんはにったり笑うと、ポケットにわたしの学生証をしまってしまった。
「あ?え? 婚約者?」
「そう、昨日俺たち、婚約したんだぜ?」
そう言って突き付けられたのは婚約証明書と印鑑が押されていない婚姻届だった。どちらにもわたしの直筆サインがあった。
藤咲新菜(22歳、処女)、絶対絶命のピンチですっっっ!!!
目を覚ましたら、まったく見知らぬ部屋のベッドで寝ていた。
もしや、酒の勢いで私は処女を捨ててしまったのだろうかと思い、恐る恐る布団の中を確認すれば、洋服は着ていた。おそらく、セーフだ。
そんなことを考えていると二日酔い特有の激しい頭痛に襲われた。
たしか、昨日、友人たちと飲んだ帰りに途中で終電をのがして帰宅困難になったのは覚えている。かなり酒を飲んでいたがうっすらと覚えている。
そして、気持ち悪くて、コンビニにふらふらして行こうとしたのも覚えている。
だが、その先はまったく覚えていない。
必死に思い出そうとしていると、部屋のドアが開いて、男性が入ってきた。それもイケメンな男性だった。あれ、どっかでみたことあるような…………?
「なんだ。起きてるなら言えよ」
少し乱暴な口調で、「なんだ覚えてないのか?」と言ってきた。覚えてるわけない。
「俺は槇ノ内 進。お前は藤咲新菜」
あれ、なんでこの人、私の名前知ってるの? 彼の手にはちらつく私の学生証があった。
「へー、慶明大学なんだ。相当頭はいいんだね、新菜ちゃん」
「返してよ!」
「婚約者にそんな口の聞き方していいのかな、新菜ちゃん」
槇ノ内さんはにったり笑うと、ポケットにわたしの学生証をしまってしまった。
「あ?え? 婚約者?」
「そう、昨日俺たち、婚約したんだぜ?」
そう言って突き付けられたのは婚約証明書と印鑑が押されていない婚姻届だった。どちらにもわたしの直筆サインがあった。
藤咲新菜(22歳、処女)、絶対絶命のピンチですっっっ!!!
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