18 / 22
不穏な空気(1)
しおりを挟む「朝比奈乃愛……ね。
ずいぶん、水成先生もこんな若い子選んだわよね」
「そうよね。『わたし、お嬢様だからなにもわかりません』とか小さい頃からチヤホヤされてるからチヤホヤ当たり前みたいな感じするわよね」
その会話は看護師たちの更衣室で交わされていて、口を開けば乃愛の悪口ばかりであった。
さらには乃愛が表紙を飾る雑誌を一瞥し、踏みつける者もいた。
「そもそも、身の程知らずもいいところよね」
「どういう意味?」
「温室育ちには少しくらい厳しさを知ってもらってもいいんじゃないかしら」
不適な笑みを浮かべた女に賛同するように他の女たちも笑いはじめた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
598
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる