上 下
8 / 24
第一章 女子校追放、聖ヴァレリー女子校へ転入

第06話 クラス分け

しおりを挟む
「はぁ?私がミーシャと別クラス?」

 転入生が二人。
 同じクラスにするわけがないよね。

「まぁ、仕方ないよね。ナギ、休憩とか暇なら会いに来てね。食事とか一緒に食べようね」

「ま、待ってくださいミーシャ。これはなにかの間違いだと思います。先生、ちょっと父……いえ、この学園の理事長に確認してもらっていいですか?」

「だめよ。ミーシャさんと一緒に居たいのはわかるけど、理事長の子って言っても無理よ。クラス分けの権限は理事長ではなく教頭先生にあるんだからね?」
 ウェルチ先生が怯えたように言う。

「ナギ、諦めようよ。無理だと思うよ。クラスの人数も均等に分けてるみたいだし、二人共同じクラスってのは無理だよ」

「……大丈夫です、ミーシャ。他の人が移れば人数の問題は無くなりますよ?それに理事長から、直接クラス分けの打診があれば譲歩されると思います」

 それ、ダメな権力の使い方!恨まれちゃうよ!

「そうよ、ナギさん。学力で全クラスが同じ位になるように振り分けてるんだから。そうでないと試験でクラス成績に差がついちゃうじゃない。それが差別や人間関係に影響するかもしれないでしょう?」

 ウェルチ先生がもっともらしい事を言うがナギも全く引かない。

「ウェルチ先生、知ってますか?学校でクラスって言ってますが、あれはclassifyから来てます。階級や区分けって意味なんですよ。
元々は海外で成績上位者を分類するために生まれたのがクラスなんです。映画でも○クラスに上がる、とか○クラスに落ちたとか言うでしょう?移るとか言わないでしょう?なんで均等に人員を割り振ってるんですか。おかしくないですか?私とミーシャはどっちかって言うと同じ層でしょう?そういう教育をしてるから、世界的なすごい天才だって人が生まれないんですよ!」
 早口でまくしたてるナギ。
 クールなお姉さん(男だからお兄さんか?)キャラが崩壊するくらい必死だ。
 掲示板なら、『凄く早口で言ってそう』『必死だなw』とか言われそう。

「屁理屈言ってもダメよ!」
「でも私がいなくて可愛いミーシャが女子の毒牙にかかったらどうするんですか!」
「うちの学校は、ふんわりしてる校風だから毒も牙もないわ。生徒もアルパカくらいおとなしいからナギさんの毒もきっと薄まるわ。良かったわね」
 ヤバい。ウェルチ先生が怒ってる。

「ウェルチ先生、ナギ。ちょっと落ち着いて、深呼吸して。ほら、スーハースーハー」
「「落ち着いてるよ(わよ)!」」
 これ、止めた人が攻撃されるパターンだ!
しおりを挟む

処理中です...