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第一章 女子校追放、聖ヴァレリー女子校へ転入
第08閑その1 攻略対象のクラスメート、クロエ視点
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「ねえ、クロエ。聞いた?転校生が来るらしいよ」
「ふぅん」
興味なさそうに僕は鼻で返事をする。
「そういえばクロエも転校してきたのよね。この学校ってお嬢様学校で家柄も学力も容姿も相応の物が求められるから、転校生をあまり受け入れないの。結構珍しいのよ?」
「容姿も?」
「美人を集めてるってわけじゃないわよ?そういう美醜の感じ方は人によって違うしね。ようは太ってたり痩せすぎていると自己管理ができてないとみなされて不合格。姿勢もきちんとしてないと不合格よ」
あたりをみまわすと、胸元を開いて教科書で仰ぐ女子。
脚を開いて座る女子。
シャツをまくってパタパタと空気を送る女子。
どうしたんだよお嬢様達。
褒められた姿勢じゃないよね?
彼女たちを見て僕は呆れたように溜息をつき、僕は父の言葉を思い出していた。
「クロエルド、騎士を継ぐと女人禁制。それ故、耐性がなく女性に騙される事も多い。女性というものを知ってきなさい」
「……それは、私に娼館へ行けと言う事でしょうか?」
魅力的な女性。
お相手に好かれるのが生命線、メシの種であるプロに相手をしてもらい、耐性をつけろと言うことだろうか。
「娼館通いなぞ百害あって一利なし。醜聞にしかならぬ」
騎士とは警察官のようなもの。
模範にならなければならない。
娼館へ行くなどとんでもない。
そう父上は怒鳴った。
「ですが、父上。私は男子校に通っておりますし、ご令嬢と知り合うような場もありません」
「ならば場を設ければ良いだけだ。幸い、お前は母に似て美しい顔立ちをしている」
「……それはどういうことですか?」
なぜ僕の顔が関係するのか。
疑問符を浮かべ首を傾げる。
「女子校へ女装して通うのだ」
「はい……はい?」
「いまの学校には修行のためと休学にしておいた。私の可愛いクロエルドよ、今日からお前は少女クロエとなるのだ」
え……?父上が乱心なされた?
そうして僕はこの聖ヴァレリー女子校に送り出されたのだった。
転校して3ヶ月。
「知れば知るほど、女子に幻滅してしまう」
僕も健康的な男子だ。
色っぽい仕草や女性の裸には興味がある。
最初は脚や胸元から覗く下着に思わない所がないわけでもなかった。
だが、駄目だ。こういう姿を見ると姉を思い出してしまう。女性の下着だ、その布の先には……と思うよりも先に、『だらしない』という思いが強い。
女性物の下着をつけているうちに、男子校時代のトランクスと変わらない程度に慣れてしまっていた。
「復帰できるのかな」
男として。
「ん?なに?」
僕は、目の前の少女ナタリーの足をピシャリと叩く。
「脚閉じなよ、不快だから」
「サービスよ、サービス。うふん」
「何のサービスだよ、もう……」
頭を抑えて僕は机に突っ伏した。
ナタリーもいいところの商家の娘、それも女子校にしか通ったことがない箱入り娘。
もし、自分が『サービス』している相手が男だったと知ったら泣くかもしれないな。
まぁ、ナタリーは嫌いじゃない。面倒見いいしいい子だしね。
「シモジモの事なんて気にならないんだろ?いいねぇ、騎士爵令嬢は!」
私は騎士身分の娘だということもあり、一部の生徒のやっかみか、嫌がらせを受けていた。
それ自体はささいないたずらだが、腹が立つことには変わりない。
男のように堂々と敵対してくるわけでもなく、チクチクと小さなあまりダメージのないイヤガラセ。そういう人達と関わっているうちに、僕は転校生が厄介なヒトじゃなければいいな、と窓から雲を見る。
「ふぅん」
興味なさそうに僕は鼻で返事をする。
「そういえばクロエも転校してきたのよね。この学校ってお嬢様学校で家柄も学力も容姿も相応の物が求められるから、転校生をあまり受け入れないの。結構珍しいのよ?」
「容姿も?」
「美人を集めてるってわけじゃないわよ?そういう美醜の感じ方は人によって違うしね。ようは太ってたり痩せすぎていると自己管理ができてないとみなされて不合格。姿勢もきちんとしてないと不合格よ」
あたりをみまわすと、胸元を開いて教科書で仰ぐ女子。
脚を開いて座る女子。
シャツをまくってパタパタと空気を送る女子。
どうしたんだよお嬢様達。
褒められた姿勢じゃないよね?
彼女たちを見て僕は呆れたように溜息をつき、僕は父の言葉を思い出していた。
「クロエルド、騎士を継ぐと女人禁制。それ故、耐性がなく女性に騙される事も多い。女性というものを知ってきなさい」
「……それは、私に娼館へ行けと言う事でしょうか?」
魅力的な女性。
お相手に好かれるのが生命線、メシの種であるプロに相手をしてもらい、耐性をつけろと言うことだろうか。
「娼館通いなぞ百害あって一利なし。醜聞にしかならぬ」
騎士とは警察官のようなもの。
模範にならなければならない。
娼館へ行くなどとんでもない。
そう父上は怒鳴った。
「ですが、父上。私は男子校に通っておりますし、ご令嬢と知り合うような場もありません」
「ならば場を設ければ良いだけだ。幸い、お前は母に似て美しい顔立ちをしている」
「……それはどういうことですか?」
なぜ僕の顔が関係するのか。
疑問符を浮かべ首を傾げる。
「女子校へ女装して通うのだ」
「はい……はい?」
「いまの学校には修行のためと休学にしておいた。私の可愛いクロエルドよ、今日からお前は少女クロエとなるのだ」
え……?父上が乱心なされた?
そうして僕はこの聖ヴァレリー女子校に送り出されたのだった。
転校して3ヶ月。
「知れば知るほど、女子に幻滅してしまう」
僕も健康的な男子だ。
色っぽい仕草や女性の裸には興味がある。
最初は脚や胸元から覗く下着に思わない所がないわけでもなかった。
だが、駄目だ。こういう姿を見ると姉を思い出してしまう。女性の下着だ、その布の先には……と思うよりも先に、『だらしない』という思いが強い。
女性物の下着をつけているうちに、男子校時代のトランクスと変わらない程度に慣れてしまっていた。
「復帰できるのかな」
男として。
「ん?なに?」
僕は、目の前の少女ナタリーの足をピシャリと叩く。
「脚閉じなよ、不快だから」
「サービスよ、サービス。うふん」
「何のサービスだよ、もう……」
頭を抑えて僕は机に突っ伏した。
ナタリーもいいところの商家の娘、それも女子校にしか通ったことがない箱入り娘。
もし、自分が『サービス』している相手が男だったと知ったら泣くかもしれないな。
まぁ、ナタリーは嫌いじゃない。面倒見いいしいい子だしね。
「シモジモの事なんて気にならないんだろ?いいねぇ、騎士爵令嬢は!」
私は騎士身分の娘だということもあり、一部の生徒のやっかみか、嫌がらせを受けていた。
それ自体はささいないたずらだが、腹が立つことには変わりない。
男のように堂々と敵対してくるわけでもなく、チクチクと小さなあまりダメージのないイヤガラセ。そういう人達と関わっているうちに、僕は転校生が厄介なヒトじゃなければいいな、と窓から雲を見る。
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