灰に堕ちるその日まで

こりゃりゃ

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独行

単独任務

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一連の任務が終わり、落ち着いた日常を取り戻して来た頃、医務室を出た蓮は、無言のまま廊下を歩いた。
消毒液の匂いが、制服の襟に微かに染み込んでいる。

数分後。
上層部の部屋に呼ばれ、椅子に腰を下ろす。
机の上には封筒が一つ。名前入り。

「篠原蓮。次の任務、単独で行ってもらう。」
上官は視線を逸らさず、書類を押し出す。

蓮は何も言わず、それを手に取る。
内容に目を通す。
標的は、詐欺集団の関連施設。
内部調査、潜入、必要があれば制圧。

上官は短く続ける。
「鴉はしばらく復帰は難しい。お前しか適任がいない。」

蓮は頷き、封筒を鞄にしまう。
椅子から立ち上がり、敬礼をひとつ。

「了解。」

部屋を出る。
廊下は静かだった。
足音だけが、一定のリズムで響いていた。
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