浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

文字の大きさ
103 / 1,093

髪を短く、また軽く。

しおりを挟む
「やっぱりいつも食事やら何やら調整している人たちと、そうじゃない場合は、マッサージとかの効き方が違うもんだからな、でも人にはそれぞれ生活って言うのがあるわけだし、そのためにあれ食べるなとか、俺は言えないわけよ」
蘆根はイツモに話しかけている。
おそらくというか、確実に、蘆根のマッサージを一番受けているのはイツモである。
マッサージされ、爆睡し、目を覚まし、あっ、蘆根いない、隣行ったのかとパタパタと歩き出す。
ジッ
浜薔薇の様子を、外から窓ガラスごしにイツモが見てくるのは、こういうことである。
おるな
と確認してから、窓から離れる。
季節の変わり目のためか、店はちょっと忙しい。
「これから息子と久しぶりに会うんで」
「こっちに帰ってくるんでしょ」
「そうなんだよ」
卒業から始まり。
「入学式なんでお願いします」
特にこの近所で始まったり、重なったりすると出張が受けれないぐらいである。
「今日、四校入学式です」
「それで予約が多いのか」
こみ合う日はご予約がとれないこともあります、そちらはご了承ください。
「うちの父とかも、そういうとき、予約してたもんな」
あきらかにいつもよりも身なりがパリッとしている。
「まあ、繁盛しているうちが花ってやつよ、これで客の流れが止まっちまったら、目も当てられないな」
「着付けできるところとか、忙しいだろうな」
「そりゃあもうかきいれ時よ」
「でもわからんぞ、中止とかさんざんあったから簡素かもしれないし」
「それはありうる」
「寸前に中止されると、おまんま食い上げちまうよ」
「それはありますよ」
「スタイリングの予約はどのぐらい入っているんだ?」
「そんなにはないですよ、通常と同じぐらいなんで」
「そういうのも力入れていくか?」
「今はまだ考えてませんね、ほら、この地域って、卒業や入学式の親のスーツの結構安いレンタルありますから」
そこは制服注文受付しているお店が行っていた。
「そっちの方が便利で安いなら、そっちの話してますからね」
「お前が納得しているならいいんだが」
「ああいうのは予算がいくらあっても足りなくなるんですよね、定番に流行を追うとしたら、それで手一杯になると、今やっていることができなくなるかなって」
最近は春になってきたので、髪を短く、また軽くする人たちが増えました。
「髭剃りもさっぱりしたいっていう客が増えたな」
べたつくようになり、自分でやってもう~んちょっと、やっぱりこんな時は浜薔薇だよね。
蒸しタオルで毛穴を開き、そこに泡を伸ばしてもらってシェービング、その後パックしてもらい、余計なものを取り除き、しっとりさを補う。
「これだよ、これ、やっぱりこれは一週間に一度は、というか、毎日受けたいんだよね」
以上お客様の感想。
「マッサージの方は、やっぱり季節の変わり目がまだ影響しているのか、だるそうにしてるお客さん多いですね、本当は三日ぐらい寝ていたいんだろうなを、ちょっとでも良くしたいからうちに来ると」
普通にご飯食べてると胃がもたれて、いや、そこまで食べる方じゃないから、これで食べてないと、後でもっとひどいことになるのでお願いします。
「その人は胃が悪いっていってたけども、胃じゃなかった」
「なんですか?」
「頭痛と腰痛、どっちも関係ある場所なんだが、両方から来てるから、胃の調子が悪くなってて、寝る場所がまず直してもらった」
とりあえず休まなきゃで、ソファー使ってましたが、寝心地があまりよくなく。
「それなら、ホムセンとかいって布団セットが新生活のために、あの持ち運びやすくなっているから、会社で休むにしてもソファーじゃなくて寝心地工夫して、後頭痛は低気圧もあるから、ゆっくりしてくださいよ、そのまま動こうとしても良くなりませんよ」
「はい」
とりあえず次の日にはスッキリしたが。
「あそこは根本的に改善しないとまたなるからな」
「世の中には口うるさいのをいやがるから、直すのは客次第だな」
「それはわかってますけどもね」
浜薔薇の常連は、気持ちいいのが好きなので、こういう注意事項は守る方である。
「だってやらないと微妙な空気になりますし」
一度そういうのを目撃した客は怖くて絶対に守ると決めている。
「確かに蘆根さんは口うるさいなっては思いますけども、それも蘆根さんだから」

「ワンワンワワワン ワン!」
誰か翻訳できる方いませんか?

「これからの時期水をきちんと飲んでもらいたいな、肌がどうしても乾燥して」
「それはあるな、カミソリの滑りがな違うし」
「僕としては髪のUVをもっと気をつけてくださればと、日光に弱いお客様はご自分で気づいてなくて」
いいトリートメントありませんか?
「聞かれましてね、いえ、これはもしかしたらトリートメントの問題ではないかもしれませんよ」
病院に行きましたら。
「私、日光弱かったんですね…」
フケとか痒みがあったのだが、原因がそこだとわかり。
「UVケア始めたんですけども、熱くて」
今まで暑いと薄着をしていた人間が、ケアのために長袖を身に付けなければならないらしく。
着替えなどの負担が本当に大変らしい。
「これは人によってはこれが使える、あれが使えないって感じだから、難しい問題ですよね」
「ああいうの一個一個高いだろう?」
「そうなんですよ、本当、これからは猛暑になりますから、この辺のケアアイテムも見ておくとしましょうかね」
本日の打ち合わせはこれにて終了。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

処理中です...