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厚みがあるので定形外
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ゴーンゴーン…
鐘は全部で五回鳴った。
ということは、今年サンタは五人生まれたということになる。
「五人か…」
例年通りの合格者数、ただ志願者を考えればとても狭き門。
サンタを志したことがあるKCJの職員は、ライブカメラもあり遠方からでも合格者数はわかるのだが、それでも生でこの音を聞きたかったのだ。
「自動ドアが氷って出られないそうだ」
中の人たちが出られなくなっているという。
「暖房器具早く」
などの声がその場で待機していたサメインカムから、KCJに届いていた。
「すんません、インカムをスピーカーにしてもらえますか?」
カチ
「こちらはKCJです、凍っているのでしたら、サメさんの出番です」
「サメに何が出来るちゅうんや」
こっちは遊びじゃねえんだぞ。
「電気解氷できます」
「えっ?」
「そのドアに引っ付いてください」
ピタ
するとすぐにつつつ~と凍りついたものが剥がれ落ちていく。
ピト
もう一匹いるので、そっちもくっつくと。
「開けられそうだ、サメさんたちありがとう!」
急いで自動ドアを開けると。
中から救出された人が。
「さっきはイライラしてて悪かったな、今度ワシの知ってる店でラーメン奢ったるわ」
「サッサッサッ」
「何て言ってるかわからんわ」
ピッ
「大盛りでな!だそうです」
「あつかましいわ、でも給料日来たらな!」
不穏な空気も和んでいくところを。
「サメサメサメ」
いきなり通信に緊急連絡である。
「倒れてる、人が」
サメ語は翻訳され。
「意識があるかまず確認して、救助マニュアルに沿った行動をお願いします」
「至急緊急車両の要請します」
「お願いします」
休みをずらしたサメのコンビをこのような形で運用していく。
さすがに夜通し働きづめにしてしまうと、サメがそのまま力尽きる恐れがある。
(サメの回し方を学んだときは、まさかここで生きるとは思いませんでしたね)
KCJの職員達の中には、誕生日お祝いし隊の関係で、サメ指揮マニュアル、通称サメ回しを取得しているものもいる。
休憩所は本部と、割り振りされた場所に作られているが、そこにはKCJの職員も常駐し、あたたかい部屋と寝袋が置かれている。
「サメだから、形が似ているマミー形かなって思いましたよ」
こちらは行政の職員さん。
「あれだと、ヒレによっては引っ掛かるんで、封筒型ですね、厚みがあるので定形外って感じで」
「厚みがあるので定形外(プフ)」
なんかツボに入ったらしく、笑いながら。
「なるほどそれは別料金やわ」
「いや~起きたら大変な騒ぎになっているじゃない」
電話をしている高齢の男性がいる。
「はい」
「イサリくんが大活躍と思いきや、あんなに大量のサメが来ちゃうなんてね、驚いちゃうよね」
ニュースではサメが除雪や救助に協力ということで、報道機関からはかなり+に扱われていた。
「うんうん、イメージが上がっていいね、まだ全部報告は上がってないけども、おかげでうちのところだけ、ほぼ無傷に抑えられたんじゃないかしら」
「おそらくですが、そうなりそうです」
「そういう手柄はきちんと取っておきなさいよ、今はとれるだけの実力がある人がいないから、本当ね、なんちゃってが多くて困っちゃうわけだから」
トントン
「失礼します、お茶の準備が」
ワゴンを運んできた男は、部屋の主が電話中と知ると。
「それでは後でお持ちします」
下がろうとした。
「まあ、上手くやんなさいよ、ここは思ったよりも簡単に状況が変わる場面だからね、じゃーね、あっお茶はそのまま準備しちゃってくれる?電話は終わったから」
「畏まりました」
「本当、昔は雪見て、温泉で、とか思っちゃったけども、年を取ると本当に嫌だね」
何時ものように独り言を口にしながら、あたたかい場所であたたかいものを口にした。
鐘は全部で五回鳴った。
ということは、今年サンタは五人生まれたということになる。
「五人か…」
例年通りの合格者数、ただ志願者を考えればとても狭き門。
サンタを志したことがあるKCJの職員は、ライブカメラもあり遠方からでも合格者数はわかるのだが、それでも生でこの音を聞きたかったのだ。
「自動ドアが氷って出られないそうだ」
中の人たちが出られなくなっているという。
「暖房器具早く」
などの声がその場で待機していたサメインカムから、KCJに届いていた。
「すんません、インカムをスピーカーにしてもらえますか?」
カチ
「こちらはKCJです、凍っているのでしたら、サメさんの出番です」
「サメに何が出来るちゅうんや」
こっちは遊びじゃねえんだぞ。
「電気解氷できます」
「えっ?」
「そのドアに引っ付いてください」
ピタ
するとすぐにつつつ~と凍りついたものが剥がれ落ちていく。
ピト
もう一匹いるので、そっちもくっつくと。
「開けられそうだ、サメさんたちありがとう!」
急いで自動ドアを開けると。
中から救出された人が。
「さっきはイライラしてて悪かったな、今度ワシの知ってる店でラーメン奢ったるわ」
「サッサッサッ」
「何て言ってるかわからんわ」
ピッ
「大盛りでな!だそうです」
「あつかましいわ、でも給料日来たらな!」
不穏な空気も和んでいくところを。
「サメサメサメ」
いきなり通信に緊急連絡である。
「倒れてる、人が」
サメ語は翻訳され。
「意識があるかまず確認して、救助マニュアルに沿った行動をお願いします」
「至急緊急車両の要請します」
「お願いします」
休みをずらしたサメのコンビをこのような形で運用していく。
さすがに夜通し働きづめにしてしまうと、サメがそのまま力尽きる恐れがある。
(サメの回し方を学んだときは、まさかここで生きるとは思いませんでしたね)
KCJの職員達の中には、誕生日お祝いし隊の関係で、サメ指揮マニュアル、通称サメ回しを取得しているものもいる。
休憩所は本部と、割り振りされた場所に作られているが、そこにはKCJの職員も常駐し、あたたかい部屋と寝袋が置かれている。
「サメだから、形が似ているマミー形かなって思いましたよ」
こちらは行政の職員さん。
「あれだと、ヒレによっては引っ掛かるんで、封筒型ですね、厚みがあるので定形外って感じで」
「厚みがあるので定形外(プフ)」
なんかツボに入ったらしく、笑いながら。
「なるほどそれは別料金やわ」
「いや~起きたら大変な騒ぎになっているじゃない」
電話をしている高齢の男性がいる。
「はい」
「イサリくんが大活躍と思いきや、あんなに大量のサメが来ちゃうなんてね、驚いちゃうよね」
ニュースではサメが除雪や救助に協力ということで、報道機関からはかなり+に扱われていた。
「うんうん、イメージが上がっていいね、まだ全部報告は上がってないけども、おかげでうちのところだけ、ほぼ無傷に抑えられたんじゃないかしら」
「おそらくですが、そうなりそうです」
「そういう手柄はきちんと取っておきなさいよ、今はとれるだけの実力がある人がいないから、本当ね、なんちゃってが多くて困っちゃうわけだから」
トントン
「失礼します、お茶の準備が」
ワゴンを運んできた男は、部屋の主が電話中と知ると。
「それでは後でお持ちします」
下がろうとした。
「まあ、上手くやんなさいよ、ここは思ったよりも簡単に状況が変わる場面だからね、じゃーね、あっお茶はそのまま準備しちゃってくれる?電話は終わったから」
「畏まりました」
「本当、昔は雪見て、温泉で、とか思っちゃったけども、年を取ると本当に嫌だね」
何時ものように独り言を口にしながら、あたたかい場所であたたかいものを口にした。
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