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声はいつもより優しかったと思う
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「ん~とね、桔原(きはら)商店街というのは古い歴史を持っているんだよね、だから食料の保存のノウハウもあるんだよ」
ただそれもご家庭に冷蔵庫などの家電がありますと、そういった保存や保管のための倉庫は手入れはされるが、使われてはいない状態だった。
それが変わったのが大規模な感染症が流行しだしてからである。
「不安定になるかもしれないってことでね」
「そんな事があったんですか」
「そうそう、だからお米も保存しているんだ」
玄米で保存のため、白米を食べるならば精米をする必要がある。
「そういうお米であれば、同僚さんに…もちろん買いだめとかはダメだけどもさ」
「そこは問題ないんじゃないですかね」
先日の二キロを渡してから、そのお米で作ったものをTさんに写真で送ってきて、それを黒舌さんと一緒に見てるのである。
「いい人が同僚にいるね」
「はい、本当に」
他の職場の人たちは社交辞令か、Tさんに対して明らかに下に見ている人がいます。
「だからまあ、聞いてみてよ、自分で精米するか、組合のビルの精米機ならば使ってもいいからさ」
音がギュルンギュルンうるさいがいい仕事をする精米機。
「新しいのを入れようとしても、これでないとダメって人もいるんだよな」
だから変えれずに、メンテナンスの人も限られるという。
「じゃあ、聞いてみますね」
商店街の保管米、この間持っていってもらったの、あれが無くなったら、この値段ならば販売できるよって言われたんだけども、どうする?
すぐに返事が来ました。
「お願いしますってさ」
メッセージを送ったイケメン同僚からすると、米の値段、いくらになってるか知ってる?この間のお米、ネットで調べたら、何気なくもらっていものじゃないし。あ~今度また何か持っていこうと思っていたところなのに、これいじゃあ頭が上がらないよ…というか、本当にあのお米をこの値段でいいの?よろしくお願いします!
「そういえば向こうの彼女さんも気に入ってくれたのかな?」
イケメン同僚、米を譲ってもらった次の日にカレーパーティを行うが、彼女が泊まりに来た次の日に、出社する彼女のためにお弁当を作る、そのお弁当のご飯がこのお米になりました。
「キーマカレーご飯」
「カレーに対する愛情を感じると思いますが、その愛に恥じない美味しさなんですよ」
大学時代にカレーにはまってしまい、時間があるとカレーに誘われていた。
そんなイケメン同僚は休みの昼前に、組合のビルまでやって来る。
「本日はお休みの所、このような機会を作っていただきまして、ありがとうございます。先日いただいたお米は大変美味しく…」
待っているのは、Tさんと女性、女性は黒舌さんではなく、その人の姿、梗原(きょうはら)瑠梨(るり)である。
「それは良かったです。テルさんからいつも美味しいお写真を送ってくださると、見せていただいております」
どちらも腰が低い。
テルさんはTさんのことだよ。
「Tくんとは、入社してからですが、長い付き合いでして、あなたのような方がTくんの隣にいてくれることを、とても良かったと感じてます」
そこで瑠梨は少し表情に出た。
(クール系と思いきや、これはベタ惚れか!)
「そういえばカレーの話なんだけどもさ、瑠梨さんもカレーが美味しいんだよ、半熟卵のカレーって言えばいいのかな、あれは好き」
「ほほう」
そこでTさんは写真を見せる。
「これは端がとろとろ系のどうやって作るんですか?」
カレーなる質問。
「ん~これはカレーというよりは、卵とじのカレー風味って言った方がいいかもしれませんね」
「丼もの好きな人にもおすすめ」
お出汁は和風です。
「気になるな~」
「たぶん味付けとしては前にそちらの…トップシークレットを使っても美味しいと思いますよ」
あっ、あれのことですね!
「風邪の時なんかはあれで卵がゆ作ったりするから、そういわれれば美味しそうかな」
「風邪の時なら薄味じゃないとダメでしょうからね」
(Tくん、これは彼女さんかなり料理が得意なのではないかね?)
(ふっふっふっ)
これは確実に美味しいものを食べている顔である。
「しかし、何度も聞きますが、この値段でいいんですか?」
「構いませんよ、許可も取ってますし」
「そうですか…いや、実はですね、俺は結婚を考えている相手がおりましてね、そのために貯金してたので、この申し出は大変ありがたい」
「ああ、それは…確かに、正直以前の倍になるとは思いませんよね」
「そうなんですよね。それでこれはTくんにも関係するけども、俺はその貯金額が貯まったら転職しようと決めてます」
「そういう話はしてくれていたよね」
「そうそう、それでだ。たぶんこのままだとお前も転職した方がいいかもしれない」
「それはなんで?」
「お前な、最近トラブルすごい多いだろう、そのたびに俺はそういうトラブルが起きないようにしてくださいって、上層に訴えているんだけども、今が何とかなっているからいいだろうという素晴らしいお言葉を、毎回いただいて、もう聞くのをやめようと思っているんだ」
「それは…やっとうるさく言わなくなったってことかな」
「バカをいえ、それならばこっちは節約してでも目標額まで手早く貯めようと思っているってことだ」
「なるほど」
「そっちも彼女さんと将来考えているんだから、もっと真剣になれよ」
「僕はそういうのを考えるのは苦手だ」
この時、梗原瑠梨は席をはずしそこなったと思った。
「でもベストなプランとしては僕はどう動いた方がいいかなっていうのは、あるんただろう?」
「離転職するならば俺の前だな、そうなれば引き留めようとはしないだろう」
「それはちょっと寂しいね」
「お前のコミュニケーション能力はすごいのにな」
「そうかな」
「そうだよ、だからトラブルでご迷惑お掛けしてしまう前に回ってもらっている、事前に起きるかもしれないので、備えさせてもらいますって言わせたら、安心してもらえるから、そこも今の職場のやつらはわかってないからな、当初考えた通りの期間でこれならば貯金できるかもしれないから、ここまで俺は話させてもらった。確実に俺の後にやめるとなると、負担がどのぐらいになるかわからないからな」
いきなりシリアスな話になったので、梗原瑠梨は困っていたが。
「あっ、じゃあ、他にも食べるもの持っていきますか?」
「えっ?いいんですか?」
「そちらの彼女さんにもよろしくお伝えください」
そういって瑠梨はポンポンというブランド柑橘類も一山分袋に入れて渡してきた。
ポンポン、狸のマークが目印の高級に部類する、手で皮は剥きやすく大変ジューシー!
「さっきはいきなりシリアスな話になってすいませんでした」
「いいのよ、大事な話なんでしょう?」
「そうなんですがね、出来れば僕の口から伝えたかったなって」
「でもさ、同僚さんからいつがいいかの話も含めるなら、さっきが一番いいタイミングだったんだよ。テルさんの人生、いい方向に行くといいね」
そこでテルは瑠梨の手を握った。
「もう瑠梨さん、黒舌さんも一緒って決めたから」
先におでこ同士がぶつかりそうだった。
「イヤなら、イヤだってする前に言ってください」
声はいつもより優しかったと思う。
「あなたはもしかして…Tさんじゃありませんか?」
「えっ?」
誰?知らない人、年はTさんと同じぐらいで男性、他社の人?
「すいません、どちら様でしょうか」
「私はその…」
ラミア喫茶のお客さんでした。
(なんで知っているんだろう)
一回しか言ったことがない。
「その…Tさんはお付き合いが成功したと」
その言葉とこの地味系サラリーマン同士の会話から、周囲には婚カツパーティや結婚相談所で成功したのかな?と思われそうである。
「あっ、うん、そう…なんだよね。今はお付き合いさせてもらってるよ」
「アアアアアアアアアア」
叫び、流れるのは涙もかもしれない。
「羨ましい~。Tさんは、いや、T先輩は俺たちの理想を叶えた先駆者なんだ」
「なんでそんなことになっているんだよ」
「俺たちがラミア喫茶に通っている理由はわかっていると思いますが」
「あそこはご飯が美味しかったと思う」
「そうですけども、そうですけどもね。この世では叶えることが難しい夢を現実にしようとしているんですよ」
「その気持ちはわからなくもないけどもね、僕も…そのまさかこうなるとは思わなかったし」
いきなり人生変わっちゃったタイプ。
「このまま社畜でいいのか、その生活をファンタジーが壊してくれないものか、そのために俺らはラミア喫茶に通っているんですモ!」
いきなり語尾が変わった!こいつは現代社会に擬態してやがったな。
「考え方は過激なんだけども、気持ちは痛いほどわかるんだよな」
「一度我々に、T先輩からの指導受けさせてもらえませんか、もちろん謝礼は用意しますから」
「あ~謝礼はいいよ」
ここで会社が副業うるさいのかなと、なんとなく気づいたので。
「それならばお任せください、彼女さんと使えるデートスポット券などでしたら」
「喜んで引き受けます」
連絡先を交換した。
種族にもよるのだが、ラミアのお姉さんたちからすると、黒舌さんが凄いと思われているのは、Tさんとの関係もそうなのだが、組合長一家との関係性が羨ましいらしい。
ラミアが女性種族なので、特に組合長お母さんと娘さんとの関係。
「この間ね、セロリをもらったんだけどもね」
45リットルの袋いっぱいのセロリ。
「この袋に入るサイズをもらってきたけども、畑だとこの大きさでセロリは成長するんだよ」
黒舌さんは組合長の娘さんに見せると、初めて見た大きさに、ペットボトルを置いて写真撮影した。
組合でセロリを分けた後に、セロリ消費のために黒舌さんはセロリを洗い出す。
ただ今回は簡単メニュー、玉ねぎを炒め、トマト缶と合わせて煮込む、コトコトメニューなので、終わると一休みする。
「じゃあ、ご飯は私が作りますよ」
そういって娘さんがおにぎりとお味噌汁を作ってくれる。
「最後にネギを散らして!」
蕪とジャガイモのお味噌汁!
「彩りのバランスがいい100点」
黒舌さんは採点した。
ではいただきます。
「はっ、じゃがいもはゴロゴロ具材だえではない」
とろみもじゃがいも由来のもの。
「ふっふっ気づかれましたか」
「いい意味で裏切られました100点」
こういう人との関係が、ラミア喫茶のお姉さんたちからは羨ましくてしょうがないのである。
この次に羨ましいエピソードは、組合長の母による、二日酔いの息子たちへ水を持っていくの話らしい。
「お姉ちゃんにね」
ここでいうお姉ちゃんは、組合長の娘さん。
「ラミアのお姉さんたちのところにも、一緒に遊びにいったんだけどもね」
組合長の娘さんが元気よく挨拶すると、ラミアのみなさんは、あの御方は、私たちにはオソレオオイと萎縮してしまったという。
「私は嫌われているんですかね?」
「そんなことないよ、それだったらまた来てくださいねとか言わないし、まだこっちの世界慣れてないみたいだから、じっくり付き合っていけばいいさ」
「じゃあ、また行きましょうな~」
今度はクリームたっぷりな苺パフェ食べるんだ!
「でもテストの点数次第だな」
「あ~それなら頑張らなきゃ」
「頑張って、ちゃんと努力は報われるさ」
これをラミア喫茶が入居しているビルのエレベーター待ちでやられたので、ラミアのみなさんは尊くて焼かれたそうだ。
ただそれもご家庭に冷蔵庫などの家電がありますと、そういった保存や保管のための倉庫は手入れはされるが、使われてはいない状態だった。
それが変わったのが大規模な感染症が流行しだしてからである。
「不安定になるかもしれないってことでね」
「そんな事があったんですか」
「そうそう、だからお米も保存しているんだ」
玄米で保存のため、白米を食べるならば精米をする必要がある。
「そういうお米であれば、同僚さんに…もちろん買いだめとかはダメだけどもさ」
「そこは問題ないんじゃないですかね」
先日の二キロを渡してから、そのお米で作ったものをTさんに写真で送ってきて、それを黒舌さんと一緒に見てるのである。
「いい人が同僚にいるね」
「はい、本当に」
他の職場の人たちは社交辞令か、Tさんに対して明らかに下に見ている人がいます。
「だからまあ、聞いてみてよ、自分で精米するか、組合のビルの精米機ならば使ってもいいからさ」
音がギュルンギュルンうるさいがいい仕事をする精米機。
「新しいのを入れようとしても、これでないとダメって人もいるんだよな」
だから変えれずに、メンテナンスの人も限られるという。
「じゃあ、聞いてみますね」
商店街の保管米、この間持っていってもらったの、あれが無くなったら、この値段ならば販売できるよって言われたんだけども、どうする?
すぐに返事が来ました。
「お願いしますってさ」
メッセージを送ったイケメン同僚からすると、米の値段、いくらになってるか知ってる?この間のお米、ネットで調べたら、何気なくもらっていものじゃないし。あ~今度また何か持っていこうと思っていたところなのに、これいじゃあ頭が上がらないよ…というか、本当にあのお米をこの値段でいいの?よろしくお願いします!
「そういえば向こうの彼女さんも気に入ってくれたのかな?」
イケメン同僚、米を譲ってもらった次の日にカレーパーティを行うが、彼女が泊まりに来た次の日に、出社する彼女のためにお弁当を作る、そのお弁当のご飯がこのお米になりました。
「キーマカレーご飯」
「カレーに対する愛情を感じると思いますが、その愛に恥じない美味しさなんですよ」
大学時代にカレーにはまってしまい、時間があるとカレーに誘われていた。
そんなイケメン同僚は休みの昼前に、組合のビルまでやって来る。
「本日はお休みの所、このような機会を作っていただきまして、ありがとうございます。先日いただいたお米は大変美味しく…」
待っているのは、Tさんと女性、女性は黒舌さんではなく、その人の姿、梗原(きょうはら)瑠梨(るり)である。
「それは良かったです。テルさんからいつも美味しいお写真を送ってくださると、見せていただいております」
どちらも腰が低い。
テルさんはTさんのことだよ。
「Tくんとは、入社してからですが、長い付き合いでして、あなたのような方がTくんの隣にいてくれることを、とても良かったと感じてます」
そこで瑠梨は少し表情に出た。
(クール系と思いきや、これはベタ惚れか!)
「そういえばカレーの話なんだけどもさ、瑠梨さんもカレーが美味しいんだよ、半熟卵のカレーって言えばいいのかな、あれは好き」
「ほほう」
そこでTさんは写真を見せる。
「これは端がとろとろ系のどうやって作るんですか?」
カレーなる質問。
「ん~これはカレーというよりは、卵とじのカレー風味って言った方がいいかもしれませんね」
「丼もの好きな人にもおすすめ」
お出汁は和風です。
「気になるな~」
「たぶん味付けとしては前にそちらの…トップシークレットを使っても美味しいと思いますよ」
あっ、あれのことですね!
「風邪の時なんかはあれで卵がゆ作ったりするから、そういわれれば美味しそうかな」
「風邪の時なら薄味じゃないとダメでしょうからね」
(Tくん、これは彼女さんかなり料理が得意なのではないかね?)
(ふっふっふっ)
これは確実に美味しいものを食べている顔である。
「しかし、何度も聞きますが、この値段でいいんですか?」
「構いませんよ、許可も取ってますし」
「そうですか…いや、実はですね、俺は結婚を考えている相手がおりましてね、そのために貯金してたので、この申し出は大変ありがたい」
「ああ、それは…確かに、正直以前の倍になるとは思いませんよね」
「そうなんですよね。それでこれはTくんにも関係するけども、俺はその貯金額が貯まったら転職しようと決めてます」
「そういう話はしてくれていたよね」
「そうそう、それでだ。たぶんこのままだとお前も転職した方がいいかもしれない」
「それはなんで?」
「お前な、最近トラブルすごい多いだろう、そのたびに俺はそういうトラブルが起きないようにしてくださいって、上層に訴えているんだけども、今が何とかなっているからいいだろうという素晴らしいお言葉を、毎回いただいて、もう聞くのをやめようと思っているんだ」
「それは…やっとうるさく言わなくなったってことかな」
「バカをいえ、それならばこっちは節約してでも目標額まで手早く貯めようと思っているってことだ」
「なるほど」
「そっちも彼女さんと将来考えているんだから、もっと真剣になれよ」
「僕はそういうのを考えるのは苦手だ」
この時、梗原瑠梨は席をはずしそこなったと思った。
「でもベストなプランとしては僕はどう動いた方がいいかなっていうのは、あるんただろう?」
「離転職するならば俺の前だな、そうなれば引き留めようとはしないだろう」
「それはちょっと寂しいね」
「お前のコミュニケーション能力はすごいのにな」
「そうかな」
「そうだよ、だからトラブルでご迷惑お掛けしてしまう前に回ってもらっている、事前に起きるかもしれないので、備えさせてもらいますって言わせたら、安心してもらえるから、そこも今の職場のやつらはわかってないからな、当初考えた通りの期間でこれならば貯金できるかもしれないから、ここまで俺は話させてもらった。確実に俺の後にやめるとなると、負担がどのぐらいになるかわからないからな」
いきなりシリアスな話になったので、梗原瑠梨は困っていたが。
「あっ、じゃあ、他にも食べるもの持っていきますか?」
「えっ?いいんですか?」
「そちらの彼女さんにもよろしくお伝えください」
そういって瑠梨はポンポンというブランド柑橘類も一山分袋に入れて渡してきた。
ポンポン、狸のマークが目印の高級に部類する、手で皮は剥きやすく大変ジューシー!
「さっきはいきなりシリアスな話になってすいませんでした」
「いいのよ、大事な話なんでしょう?」
「そうなんですがね、出来れば僕の口から伝えたかったなって」
「でもさ、同僚さんからいつがいいかの話も含めるなら、さっきが一番いいタイミングだったんだよ。テルさんの人生、いい方向に行くといいね」
そこでテルは瑠梨の手を握った。
「もう瑠梨さん、黒舌さんも一緒って決めたから」
先におでこ同士がぶつかりそうだった。
「イヤなら、イヤだってする前に言ってください」
声はいつもより優しかったと思う。
「あなたはもしかして…Tさんじゃありませんか?」
「えっ?」
誰?知らない人、年はTさんと同じぐらいで男性、他社の人?
「すいません、どちら様でしょうか」
「私はその…」
ラミア喫茶のお客さんでした。
(なんで知っているんだろう)
一回しか言ったことがない。
「その…Tさんはお付き合いが成功したと」
その言葉とこの地味系サラリーマン同士の会話から、周囲には婚カツパーティや結婚相談所で成功したのかな?と思われそうである。
「あっ、うん、そう…なんだよね。今はお付き合いさせてもらってるよ」
「アアアアアアアアアア」
叫び、流れるのは涙もかもしれない。
「羨ましい~。Tさんは、いや、T先輩は俺たちの理想を叶えた先駆者なんだ」
「なんでそんなことになっているんだよ」
「俺たちがラミア喫茶に通っている理由はわかっていると思いますが」
「あそこはご飯が美味しかったと思う」
「そうですけども、そうですけどもね。この世では叶えることが難しい夢を現実にしようとしているんですよ」
「その気持ちはわからなくもないけどもね、僕も…そのまさかこうなるとは思わなかったし」
いきなり人生変わっちゃったタイプ。
「このまま社畜でいいのか、その生活をファンタジーが壊してくれないものか、そのために俺らはラミア喫茶に通っているんですモ!」
いきなり語尾が変わった!こいつは現代社会に擬態してやがったな。
「考え方は過激なんだけども、気持ちは痛いほどわかるんだよな」
「一度我々に、T先輩からの指導受けさせてもらえませんか、もちろん謝礼は用意しますから」
「あ~謝礼はいいよ」
ここで会社が副業うるさいのかなと、なんとなく気づいたので。
「それならばお任せください、彼女さんと使えるデートスポット券などでしたら」
「喜んで引き受けます」
連絡先を交換した。
種族にもよるのだが、ラミアのお姉さんたちからすると、黒舌さんが凄いと思われているのは、Tさんとの関係もそうなのだが、組合長一家との関係性が羨ましいらしい。
ラミアが女性種族なので、特に組合長お母さんと娘さんとの関係。
「この間ね、セロリをもらったんだけどもね」
45リットルの袋いっぱいのセロリ。
「この袋に入るサイズをもらってきたけども、畑だとこの大きさでセロリは成長するんだよ」
黒舌さんは組合長の娘さんに見せると、初めて見た大きさに、ペットボトルを置いて写真撮影した。
組合でセロリを分けた後に、セロリ消費のために黒舌さんはセロリを洗い出す。
ただ今回は簡単メニュー、玉ねぎを炒め、トマト缶と合わせて煮込む、コトコトメニューなので、終わると一休みする。
「じゃあ、ご飯は私が作りますよ」
そういって娘さんがおにぎりとお味噌汁を作ってくれる。
「最後にネギを散らして!」
蕪とジャガイモのお味噌汁!
「彩りのバランスがいい100点」
黒舌さんは採点した。
ではいただきます。
「はっ、じゃがいもはゴロゴロ具材だえではない」
とろみもじゃがいも由来のもの。
「ふっふっ気づかれましたか」
「いい意味で裏切られました100点」
こういう人との関係が、ラミア喫茶のお姉さんたちからは羨ましくてしょうがないのである。
この次に羨ましいエピソードは、組合長の母による、二日酔いの息子たちへ水を持っていくの話らしい。
「お姉ちゃんにね」
ここでいうお姉ちゃんは、組合長の娘さん。
「ラミアのお姉さんたちのところにも、一緒に遊びにいったんだけどもね」
組合長の娘さんが元気よく挨拶すると、ラミアのみなさんは、あの御方は、私たちにはオソレオオイと萎縮してしまったという。
「私は嫌われているんですかね?」
「そんなことないよ、それだったらまた来てくださいねとか言わないし、まだこっちの世界慣れてないみたいだから、じっくり付き合っていけばいいさ」
「じゃあ、また行きましょうな~」
今度はクリームたっぷりな苺パフェ食べるんだ!
「でもテストの点数次第だな」
「あ~それなら頑張らなきゃ」
「頑張って、ちゃんと努力は報われるさ」
これをラミア喫茶が入居しているビルのエレベーター待ちでやられたので、ラミアのみなさんは尊くて焼かれたそうだ。
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