浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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コノハナ

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ラミアというのは女系の種族であって、それ故に人間の女性と他種族の女性の友情や絆を感じる話が好物なところがある。
「本当は自分もそういう感じになりたいんだけどもね」
そうなかなかいかないので、そういう話ともなれば、是非とも聞きたい!お願いします!ラミア喫茶の無料定期券、6ヶ月でいいですか?ぐらいの交渉をしてくる。
「なかなか最近はそういう話が聞こえなくて」
「人間って意外と薄情だよね」
「でもそれだからこそ、時折見せる優しさ、命かかっているところでも相手を思いやったりするのがいいんじゃないの!」
「コノハナさんには憧れるわ」
「わかる、コノハナさんは、シンデレラっていうかさ」
コノハナ?はて、確かそんな名前の美人で聡明、経営者な女性がいたような。
「その方のことよ」

「写真で見るより、あなたは大変美人ですね」
「ありがとうございます。それでは本日の議題にさっそく移りましょうか」
そうはいうが相手は、いやいやそんな堅苦しいことを言わずにと、世間話を望んでくる。
「お疲れ様でした」
「そうですね」
「そんな顔しないでくださいよ」
「実りのある時間とは到底言えませんでしたから」
「それは確かですね」
この会社は次世代の産業を担うであろう技術を持っている、わりと手堅い会社なのだが、人の目を惹き付けるような大変美しい女性が経営者ということもあって、会社としての価値や評価が多少は業種が被っている同程度の規模の他社より、かなりあるのである。
「大変です」
そこでコノハナにとって一番優先されることへの、攻撃の知らせが来るのである。


「おはよう、あれ?仕事は…」
コノハナと同じぐらいの年齢だろうか、こちらは美人ではなく、まあ、普通、地味な女性が目を覚ましたとき、コノハナがいたので、ビックリすることもなく挨拶をした。
「変な夢は見ませんでしたか?」
「ああ、そうだね、あの時の夢だ」
「そうでしたか、介入されかけてましたよ、だからあの夢を見ていたのです」
「相変わらず最悪な夢だし、なんで自分の視点ではなく、後からわかったこと、嘘をつかれていたことも再現されるんだろうかね」
「それはあなたの心を揺さぶるためでしょうよ」
「揺さぶるには…稚拙だな、もっと上手くやってくれ、そうしたら…」
「夢から目覚めないのはダメですよ」
「そうか…」
「そうです。それは許しません」
「コノハナは怖いな」
喉が乾いた感じをしたので、水を飲もうとすると、もう準備がしてあった。
水を飲んでから。
「現実と夢の区別は?」
「徐々につき始めているね」
「完全に分けて、考えられるまではこのまま私と話をしてください」
「わかりました」
「わかりましたって、ちょっと他人行儀では」
「それはそうなんだけどもね、わりと深いところまで刺さってるからこうなのかな」
「本当に許せませんね、あの男は」
「しょうがないよ、なんでもほしいというか、たぶん現実逃避しているから、その生き霊か何かも加わって効果を増しているのかな」
「雑魚の癖に」
「君から見るとさそうだろうな、特別扱いされたい人間だったみたいたが、自分は特別ではなかった」
「だから特別な人間に嫉妬するですか」
「あるいは私みたいな弱そうな相手をカモにしようとしている、かな、時間は人よりもあるとは思うが、睡眠は必要だから、そこを狙ったとすると上手いタイミングだ、ただ…中身がな、粗末すぎる、もっと勉強しましょうって感じかな」
「辛辣~」 
けどコノハナは嬉しそうにいう。
「学ぶということは大事だよ、生き残る、いや、極限状態でも、生き延びれる可能性はあるんだからね」
彼女は被験者であった。
女性でそうなるのは、自らの志願による、その時は世を儚んで、そんな気持ちはあったのかもしれない。
そこで事故は起きる、実験が終わる時間に終わらなかった、極限状態ということは酸素なども限りがあり、救出予定時間にはおそらく生きてないだろうとされていたが、彼女は生き延びてしまった。
必要な酸素は彼女がデータを取るために持ち込んだ植物、植物名は機密上いうことはできないが、その時は名前はなく○○号と数字と号数で呼ばれていた、それが後に『コノハナ』とつけられたのだが、コノハナが生成した酸素とコノハナのために水分を極限状態で活かすためのケース、そこについた結露、水分が被験者の命を伸ばしたであろうという結論になった。
そのせいで被験者は…まあ、人でありながら人ではない特徴をいくらか持つようになったというやつだ。
「私はあの男を許せませんよ」
「そうか…」
「なんでそんなに怒らないんですか?」
「怒ってもな、しょうがないというか」
「だから狙われるんですよ」
「それはわかってるから、対処は全力で考えているけども、コノハナがいると、勝ち目がまるでないと思うんで、そこで怒りがわいてこないのもあるんだよ」
「そ、そうなんですか?」
こういうことを言われると、コノハナは凄く嬉しかった。
「えっ?だってさ、向こうって本当にこっちのこと知らないんだなって、毎回思うんだよ、夢の中の介入もさ、下手って言えるし、そんなんじゃ女騙せないよって」
「いやいや、他の、それこそ一般人ならばたぶん上手くいってますよ」
「それは危ないけども、なんで自分の実力にみあった、それこそ獲物?を狙わないんだろうね」
「承認欲求ですよ、名前が知れわたったり、特別な相手を落とせれば、自分の名声が広がりますから」
「それでも、獲物のチョイスがセンスないね」
「それは認めますよ」
「あの状態から日が浅いとか、体の変化に慣れてない頃ならば引っ掛かったかもしれないけとね」
「同じ人間だったら、すぐに助けに来いっていうんだ、特に…」
「ああ、その顔も夢にあったよ、それこそ後で聞いた話の再現もされた、私の一報を聞いて、一応は助けようとしたが、葛藤したというか」
「あれはビビってましたよ」
「しょうがないよ、そうであるようには言われて育ってきたのに、実際に他者を、自分の身の危険を考えて助けるかっていうとさ、躊躇してしまったのは、私ももしかしたらそういう選択をするかもしれないし」
「あなたは違いますよ!」
「人間は弱いものだから、その時が来ないとわか、ないものだし、きっと君はそういう私を見たら、がっかりするんじゃない?」
そういうと、コノハナはむすっ~としたが、美人は美人のままであった。

「いい!」
「あぁ、何回でも聞きたくなってしまう、この話!」
「お嬢様に感謝!」
お嬢様っていうのは、ここに出てきた女性ではなく、おそらく…
「しかし、話題を提供してくれるなは嬉しいけども」
「あいつウザいよね」
「そうそう、雑魚過ぎるから賞金首にもらならないらしい」
「コノハナさんはつけようとしたいるみたいだけどもね」
「そこはスッパリ切りつけちゃえばいいのに」
「人間ではなくなったが、人間でもあるみたいな中途半端さ故に、放置状態だもんね。犠牲者出てからじゃ遅いつーの」
「狙われている六人のうち、誰か一人でも…ってなったら、さすがに動くだろうけど、その六人全員がさ」
コノハナが一番守りたい人という関係を見てわかるように、その六人全員が何らかの力や存在に守られている状態なので、そのうちの誰か一人が犠牲にるという図も本当に考えにくいのである。
情報を公開してしまうと、瑠璃蛇さんもここに入る。
そう、だから、狙ってくるあの男というのは、六階に今も住んでいるあいつであり、現在も住所だけは置いているTさん以外の五人は、あのマンションの元住人で、実際に襲撃を受けても、生き延びた、六階のあいつからすると、取り逃して悔しい六名のことなのである。
「でも本当にバカよね、力つけたいなら、さっさとやればいいのに、取り逃したことを未だに根を持ってるから、勝ち目のない戦いを挑み出しているし」
「そっちを狙ってくるから、他に害が無くなっていくのも、またなんというか」
六階のあいつについては、もうどうしようもない存在扱いになっている。


「せっかく目覚めたけども、まだどうしても体が重いから、もう一度寝ることにするよ」
「はい、おやすみなさい」
今度はとても熟睡が出来た、目覚めたときにふと香りに気づくと、まるであの時みたいにコノハナは、元の姿に戻り、守るように咲いていた。
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