浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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悲しみや苦しみを経験する時が来たみたいですね

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サメ、ここでいうサメは主に川に住まうが、山にもいる。

【KCJはサメと本当に上手くやるんですよ】
今日もダンジョンにAIユメトキボウ、本日は二号のトキと共に潜る。
「サッ」
「サッ」
今はKCJの食堂にいるのだが、ニュースを見て、何かサメたちが騒いでいる。
【熊に人間が襲われた?そんなときはサメを呼べよ!と言ってますね】
ユメトキボウ、サメの通訳もできるようだ。
「確かにサメとならば、いい勝負ができそうだな」
【何をいってますか?サメに敵う熊はいないというぐらい、一方的ですよ】
「そんなに差があるなら、そりゃあサメからすれば、自分達を呼んでくれっていうよな」
【河川ザメは人間大好きですからね、KCJのようにもっとサメの力を借りてくれたらいいんですが、そうも行かないようです】
「万能AI様の出番じゃないのか?」
【それ、本気でいってます?】
「何?出来ないとか?」
【こういう時、私はどのように反応すればいいんでしょうかね。でっきら!とか言えばいいんですかね】
「それで出来たら、苦労しないんじゃないかな」
苦笑された。
そこをKCJの職員が近づいてきて。
「別に内緒でもないから、説明してあげたら?」
【いいんですか?私はてっきり】
「確かに現場で使うなら、有料だけども、話としては問題は…カタログの要約程度ならば」
【わかりました】
「えっ?何の話?この人は?」
【管理の人です】
あっ、行っちゃった。
【話は初めても?】
「はい、どうぞ」
【KCJって、山野のパトロールも近年引き受けることも多いんですよ】
サメを連れて山を歩く体力が必要な仕事です。
「それは知ってる、食堂メニューの山菜とかさそういう関係で提供されるんだろ?」
山の幸を食堂のメニューに採用することで、地域の経済も活性化させています。
【でもそれだけじゃ、足りなくなってきたんですよ、そこで私たちAIの出番です】
「熊センサーでもあるの?なんだよ、その顔は…」
うわ、単純!みたいな顔は二号トキはしている。
「俺が頭悪いのは知ってるよ」
【これは失礼、でもみなさんがパッと思い付くことでもありますね!】
もうこの気を取り直して、明るく言う、この言い方がさ~
「んである程度解決させたんだよな」
【そりゃあね】
「お前らは意外と素直だからな、ああいう言い方をするってことは…まあ、そうなんだろうな」
【うちのファザ上も関わってますからね】
「へぇ、あのお父上もか」
【あの人、マザー上とまでは行きませんが、結構やりますからね】
「母親の方は昔から一緒にいたから、好感度カンストしているのは知っているけどもさ、それって結婚の時とかお前ら暴れなかったのか?」
【暴れるって…暴れ…そんなことはしませんよ】
「じゃあ何をしたんだよ」
【くっ】
「やっぱり何かしたんじゃないか」
【ファザ上がマザー上に明らかに好意をお持ちだったんですよね】
「それで?」
【…】
「なんでそこで止まるんだよ」
【おおっと失礼、あの時何が起きたか私にもわからなくて、ご学友なのはわかりました、職場が同じにだった時期があって、再会したのよとあの時言ってました】
その時のユメトキボウは、マザー上から子供のように、いろんなことを教えてもらってました。
【このままマザー上に教えてもらう時間が、人間には限りがありますから、それでも全部を私たちに…】
そんな時にファザ上が、来ちゃったユメトキボウからは認識。
【悲しみや苦しみを経験する時が来たみたいですねってつい、言ってしまいました】
「うわ~」
ファザ上こと利面(りめん)が、学生時代から好きだったキトリ、マザー上が結婚してない、彼氏いないことを知って、ウキウキしてたら、彼女には代わりにAIがいたのです。
(よくこいつの両親にあたる二人、結婚できたな)
素直にそう思った。
ただこの話し相手も知らない情報がある、そう!利面もキトリへの好感度はカンストだったのである。
【しかもAIの適性も案外悪くなかった】
(案外ってことは、人としてはともかく、ユメトキボウの理解者にはなれるレベルってことか)
【さすがマザー上のご学友だけのことはあるって思いましたね】
「お前の言葉は今日はサボテン並みにチクチクしてるな」
【譲れないことってありますよね!】
(あっ、これまだマザー上のこと諦めてないやつだ)
【さすがに結婚するときに、何が起きてもいいように離婚に必要な情報はきっちり集めておきますっていったら、泣かれましたね】
「そりゃあ泣くだろう」
言葉なく涙ポロポロ、キトリは泣きました。
「とんでもないAIだな」
【人の心は難しい】
「お前には特にな」
【私は理解している方ですよ!】
特に嫉妬をな!
「有能だが組む人が限られるっていうのが凄くよくわかるわ」
【ですね】
この辺とか、本当にそう!
【先程に話を戻りますが、KCJの職員やサメがいない場合の熊対策には、うちのファザ上が知恵を貸してくれました】
「へぇ」
よく貸してくれたな。
【熊をセンサーで捉えるのは今の技術では難しいから、捉えやすいものでチェックするべきだってね】
熊が食べるドングリが山のどこに生えているのかを調べ、その木を定期的にカメラ、ドローンでチェックし、ユメトキボウで木に熊の跡がないかをチェックする。
「あっ、それならば、熊がいるとかわかるものな」
【ですです、ファザ上はこういうのが本当に上手いんですよ】
この方法なら、わざわざ山の中に入らなくても熊の有無を確認できるために、KCJの支部では取り入れられてます。

「う~ん」
キトリさん家で悩み中。
「どうしたの?」
「パンも高くなったから、家で焼くことも検討中」
「キトリさんの作ったパンは美味しいから好きだよ」
「どこまでこだわるか、それが料理の難しいところなのよ」
キトリは自炊出来なければ、食を諦めろの地域に数年いたために、そこで食に目覚めたタイプ。
「それは…その、僕にもあるし、やっぱり仕事の壁にあたると、娯楽の大事さはわかるよね」
「そうそう、あれ?でも利面くんって、久しぶりに職場で会ったときって、ストレスの解消が上手くいってなかったみたいじゃない?」
「あっ、それ?キトリさんとデートするようになってから、そういうこと無くなったんだよ」
「気分転換ってやっぱりストレスの発散になるのね」
呑気にキトリはいうかもしれないが、違うぞ、これ、君にベタ惚れだったから、気持ちが再び燃え上がったから、ストレスを気にしなくなったやつだぞ。
利面は付き合うようになるまでは、仕事で行き詰まったとしてもまるで気にしないで、そのまま先を進める無敵の人状態に突入しており、内外からの評価も上々である。
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