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第一章
第十四話
しおりを挟む「おお…俺の街のとは桁違いの大きさだな…」ソフィアを宿に残し、人に道を尋ねながら歩くこと小1時間。
俺は大都市アイナークの教会へとたどり着いていた。
なるべく早いうちに教会の場所は確認しておきたかったのだ。
定期的に祈りを捧げにくることになるだろうから。
「入ってみるか…」
故郷の街の教会の数倍大きな建物の中へ足を踏み入れる。
中では、何人かの男女が洗礼の儀を行っていた。
俺は彼らの儀式が終わるのを待ってから、女神像の前に跪いて祈りを捧げる。
(女神様。三つのスキルを、本当にありがとうございます。おかげさまで、今日、冒険者として一歩を踏み出せました)
瞑目して、感謝の念を込めながら、祈りを捧げる。
「おぉ…ずいぶん熱心な信者だのぉ。見ない顔じゃが…ひょっとして旅人かな?」
長い間目を閉じて祈りを捧げていると、この教会の神父が話しかけてきた。
「はい、そうです。冒険者になるためにアイナークへ来ました」
「そうかそうか…他所の都市へ来ても教会に祈りを捧げにくるとは…感心感心」
神父が柔らかな微笑みを浮かべた、そんな時だった。
人々に向かって微笑む女神像から、虹色の光が降り注いできた。
「ふぉおお!?なんじゃなんじゃ!?」
神父が驚きの声をあげる。
俺の頭の中に、新たなスキルの情報が流れ込んできた。
「ま、まさか君…今日が十五歳の誕生日なのかい?」
神父が訪ねてくる。
「…」
俺は無言で首を振った。
「しかし、今の光は、確かに洗礼の儀の時の…」
「し、神父さん…」
「なんじゃ…?」
「俺、たった今、<剣聖>のスキルを授かってしまいました…」
「剣聖じゃと!?SSSランクスキルではないか!!おめでとう!!やはり今日が十五歳の誕生日じゃったのじゃな?」
「違うんです…」
「む…?」
「初めての洗礼の儀は、もう何ヶ月も前に受けました…」
「は、初めての…?それは一体…」
「4つ目なんです…このスキル…」
「へ…?」
神父が、ぽかんと口を開けた。
宿に帰ってみると、寝ていたソフィアが起きていた。
美しい金の髪の毛がしっとりと濡れている。
風呂に入ったようだ。
「あ、アレン様。お帰りなさい。どこに行ってたんですか?心配しましたよ?」
「…」
「アレン様…?」
ぼんやりとしている俺の目の前で、ソフィアがブンブンと手を振った。
「はっ!」
放心していた俺は我に帰る。
「どうしたんです?」
ソフィアがキョトンと首を傾げる。
俺はたった今、この都市の教会で4つ目のスキルを授かったことを話した。
「ふぇえええ!?4つ目のスキルですかぁ!?」
「ああ。本当、なんなんだろうな…?」
「すごいです…しかも、今度もまたSSSランクスキルなんて…」
「<剣聖>ってことは…剣の扱いが上手くなるってことだよな?」
スキル<剣聖>は、剣術系のスキルの最高峰で、これを授かると、達人並みの剣術が一瞬で身につく。
俺はギルドから無償で提供してもらった剣を手に取って、一思いに抜き放ってみた。
ヒュババババッ!!
「ふぇええええ!?」
「うおっ!!」
自分でも驚くような太刀筋だった。
たった1秒の間に、何度も攻撃を繰り出せるような剣術がいつの間にやら身についていた。
壁に、無数の斬撃痕を作ってしまう。
…これは後で修理するとして、今はそれどころじゃない。
「アレン様ってもしかして、女神の使徒だったりします…?」
「いや、そんなわけないから…」
故郷の神父と似たようなことを言い出すソフィア。
だが、本当になぜ俺だけがこういくつもいくつもスキルを授かれるのだろう。
…薄々<女神の寵愛>という最初のスキルのおかげなのではないかと思ってはいるのだが。
しかし、今だに<女神の寵愛>のみスキルの詳細が判明しておらず、俺には断定することが出来なかった。
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