8 / 17
美少女剣士サニーちゃん登場
しおりを挟む
─『城塞都市ジェノバース』 農村区
主要区から数時間ほどかけて歩き、辿り着いた『農村区』。普通ならヘトヘトに疲れる距離だが【スタミナ回復力増進】の補助魔法により、非戦闘状態であれば1日中歩き通しでも平気だ。
区画間の関所を通り過ぎ、周りを見渡す。他の区画と違い、農村区には城壁は無いようだ……広がる地平に農作物の畑が、いくつもあるものの半分以上が枯れている……何だか寂れた場所だな。
「お願いします! ワシらの畑を守ってください! このままでは……」
「黙れ! 僕達は忙しいんだよ!」
「自分達で何とかするんだなっ!」
関所に配備されてる守備兵に、農村区の住民らしき人が縋り付いている。……何とかしてあげたいな、まずはクエストを受け付ける酒場を探そう。
♦︎
─農村区 酒場『ささやき亭』
酒場のドアを開けてみると、冒険者や傭兵は1人も居なかった。
居るのはカウンターには頬杖をついて寝ている受付嬢だけだ……。
「あのっ、仕事は有りますか?」
僕が話しかけると受付嬢は、ゆっくり目を開けて気だるそうに応える。
「え……? あ、うん。あるよ」
そう言って、再び沈黙が訪れる。
…………。
いや、どんな仕事かあるか案内してくれよ! この人、全然やる気無いな……しかもタメ口だし……。こんな受付嬢初めて見た。
「えーっと……どんな仕事があるのでしょうか?」
僕は、顔面をヒクヒクさせながら聞いてみる。
「じゃ、カードだして」
気怠そうに片手を出してくる受付嬢……。僕は、真顔でカードを渡した。
「……何、この肩書き……ぷっ。……はい、もういいよ」
ポイっとカードをカウンターに投げられる。僕の肩書きを読み取られて笑われる事は珍しくは無いが、この対応は酷すぎる……!
「……で? 仕事はあるんですか?」
「ん~。とりあえずモンスター適当に倒しといてよ。出来るならだけど。出現場所は自分で探してね~。どーせ無駄になることとか、私したく無いし」
もうダメだ、僕はキレる。この受付嬢には喝を入れなくてはいけない。
「あんたなぁ! その態度……」
バァン!
酒場のドアを勢いよく開ける音がして、僕の台詞が中断された。一体誰だ?怒りの一喝に水を刺すのは……。
「うぇ~~ん! あの猪ちゃん強すぎるよぉ~!」
オレンジ色の綺麗なボブヘアを靡かせながら入って来た美少女に、目を奪われ……怒りが虚空に消える。
タンクトップにノースリーブの軽装ジャケット、下はホットパンツにロングブーツ。ニーソックスに包まれた太腿が何とも眩しい装いだ。腰の後ろに幅広で重厚そうな『ファルシオン型』の剣を装備している。『剣士』なのかな……こんなに可愛い剣士は初めて見た。
美少女剣士は、そのままカウンターに来て顔を伏せながら泣き言を言い始めた。
「うぇ~ん! このままじゃ畑を荒らされて村のみんなも私も飢え死にしちゃうよ~!」
「……別にアンタは村の人間じゃないから、いざとなったら逃げればいーじゃん。私と同じでさ」
「そんな事、出来ないよっ! この村の人達には助けられっぱなしだもん! そうじゃなくても、ほっとけな……」
と、話している最中に美少女剣士は僕の存在に、ようやく気付いた様だ。
「あっ! キミ、もしかしてソロの冒険者!? 良かったら私と組みませんかっ!? 一緒に村を守りませんかっ!?」
僕を見上げながら迫る美少女……。近い近い!めちゃくちゃドキドキするから!
「あっ、僕も、今来てさ。うん、モンスター退治でもしようかなって、うん。丁度良いから、一緒に組もうかなっ、うん」
明らかにキョドってる僕の態度に引くことも無く、美少女剣士は笑顔で応えた。
「ホント!? やったぁ! 私の名前はサニー! よろしくねっ!」
サニーか。その名の通り太陽のように明るい笑顔だ。……それを見ただけで、心の動揺は無くなり……暖かい気持ちになる。
「……僕は、魔術士のアライズ。よろしく!」
「アライズ君かぁ……。じゃ、『あっくん』って呼んでいい?」
『あっくん』……良いじゃないか。今までのあだ名といえばゴミカスやら出来損ないやら酷いもんだった……それらを払拭する為にも、是非そう呼んで欲しい。僕は快くオーケーした。
「それじゃ行こっか、あっくん! 畑を荒らす猪がいる森に案内するねっ!」
サニーと共に酒場を出る……そんな僕達を、あの受付嬢は鼻で笑っている……。
(……どうせ、〝あの人達〟戻ってきたら手柄全部とられるのに、馬鹿みたい)
……本当に感じの悪い女性だな。見てろよ、必ず成功して帰ってきてやる。
♦︎
現場まで向かう道中、互いの情報交換をする事にした。
「サニーは剣士なの?」
「うん! スキルは【軽戦士】で、素早い動きが特徴なんだよ!」
なるほど、スピードと手数で勝負するタイプの剣士か。そして腰の後ろの剣を見る限り、攻撃力も有りそうだ。どんな補助をかけるか今のうちから考えながら質問する。
「その剣、強そうだね。もしかしてエピック武器だったり?」
名工が最高級の素材で仕上げた逸品、もしくはダンジョンから出土した高性能な装備品を『エピック』と呼ぶ。
さらに上のレアリティを『レジェンダリ』と呼び……現在、片手で数える程しか確認されていない。レジェンダリ装備を持つ者は国家レベルの力を得る……と言われている。
「むっ! お目が高いっ! この剣は『晴天の宝剣』といって私の村に代々伝わる秘宝中の秘宝なのですっ!」
くるっと可愛く回って腰を見せてくれるサニー。おお……これはこれは、大きくて綺麗な素晴らしいお尻……もとい、煌びやかな鞘に納められつつ凄そうなオーラを放っている剣だな……もしエピックなら初めて現物を見た。これは期待できるぞ。
「あっくんの格好は魔法使いさんだよね? 魔法使えるなんて羨ましいなぁ……」
「まぁ、補助魔法専門だけどね」
「専門! なんか凄そう!」
……そんなリアクションは初めて貰ったな。補助専門と言って嫌な顔をしないサニーと組めて良かった。
「うん、凄い術をかけてあげる。最適最良の補助を導き出す為に、最初だけサニーの戦うところを見てでも良いかな?」
「うん! わかった! うう~……ちょっと緊張する~」
そういえば、サニーは酒場で「猪ちゃん強すぎる」と言っていたな。……エピック所持者でも苦戦する敵なら気合入れないとな。……僕も緊張してきた。
主要区から数時間ほどかけて歩き、辿り着いた『農村区』。普通ならヘトヘトに疲れる距離だが【スタミナ回復力増進】の補助魔法により、非戦闘状態であれば1日中歩き通しでも平気だ。
区画間の関所を通り過ぎ、周りを見渡す。他の区画と違い、農村区には城壁は無いようだ……広がる地平に農作物の畑が、いくつもあるものの半分以上が枯れている……何だか寂れた場所だな。
「お願いします! ワシらの畑を守ってください! このままでは……」
「黙れ! 僕達は忙しいんだよ!」
「自分達で何とかするんだなっ!」
関所に配備されてる守備兵に、農村区の住民らしき人が縋り付いている。……何とかしてあげたいな、まずはクエストを受け付ける酒場を探そう。
♦︎
─農村区 酒場『ささやき亭』
酒場のドアを開けてみると、冒険者や傭兵は1人も居なかった。
居るのはカウンターには頬杖をついて寝ている受付嬢だけだ……。
「あのっ、仕事は有りますか?」
僕が話しかけると受付嬢は、ゆっくり目を開けて気だるそうに応える。
「え……? あ、うん。あるよ」
そう言って、再び沈黙が訪れる。
…………。
いや、どんな仕事かあるか案内してくれよ! この人、全然やる気無いな……しかもタメ口だし……。こんな受付嬢初めて見た。
「えーっと……どんな仕事があるのでしょうか?」
僕は、顔面をヒクヒクさせながら聞いてみる。
「じゃ、カードだして」
気怠そうに片手を出してくる受付嬢……。僕は、真顔でカードを渡した。
「……何、この肩書き……ぷっ。……はい、もういいよ」
ポイっとカードをカウンターに投げられる。僕の肩書きを読み取られて笑われる事は珍しくは無いが、この対応は酷すぎる……!
「……で? 仕事はあるんですか?」
「ん~。とりあえずモンスター適当に倒しといてよ。出来るならだけど。出現場所は自分で探してね~。どーせ無駄になることとか、私したく無いし」
もうダメだ、僕はキレる。この受付嬢には喝を入れなくてはいけない。
「あんたなぁ! その態度……」
バァン!
酒場のドアを勢いよく開ける音がして、僕の台詞が中断された。一体誰だ?怒りの一喝に水を刺すのは……。
「うぇ~~ん! あの猪ちゃん強すぎるよぉ~!」
オレンジ色の綺麗なボブヘアを靡かせながら入って来た美少女に、目を奪われ……怒りが虚空に消える。
タンクトップにノースリーブの軽装ジャケット、下はホットパンツにロングブーツ。ニーソックスに包まれた太腿が何とも眩しい装いだ。腰の後ろに幅広で重厚そうな『ファルシオン型』の剣を装備している。『剣士』なのかな……こんなに可愛い剣士は初めて見た。
美少女剣士は、そのままカウンターに来て顔を伏せながら泣き言を言い始めた。
「うぇ~ん! このままじゃ畑を荒らされて村のみんなも私も飢え死にしちゃうよ~!」
「……別にアンタは村の人間じゃないから、いざとなったら逃げればいーじゃん。私と同じでさ」
「そんな事、出来ないよっ! この村の人達には助けられっぱなしだもん! そうじゃなくても、ほっとけな……」
と、話している最中に美少女剣士は僕の存在に、ようやく気付いた様だ。
「あっ! キミ、もしかしてソロの冒険者!? 良かったら私と組みませんかっ!? 一緒に村を守りませんかっ!?」
僕を見上げながら迫る美少女……。近い近い!めちゃくちゃドキドキするから!
「あっ、僕も、今来てさ。うん、モンスター退治でもしようかなって、うん。丁度良いから、一緒に組もうかなっ、うん」
明らかにキョドってる僕の態度に引くことも無く、美少女剣士は笑顔で応えた。
「ホント!? やったぁ! 私の名前はサニー! よろしくねっ!」
サニーか。その名の通り太陽のように明るい笑顔だ。……それを見ただけで、心の動揺は無くなり……暖かい気持ちになる。
「……僕は、魔術士のアライズ。よろしく!」
「アライズ君かぁ……。じゃ、『あっくん』って呼んでいい?」
『あっくん』……良いじゃないか。今までのあだ名といえばゴミカスやら出来損ないやら酷いもんだった……それらを払拭する為にも、是非そう呼んで欲しい。僕は快くオーケーした。
「それじゃ行こっか、あっくん! 畑を荒らす猪がいる森に案内するねっ!」
サニーと共に酒場を出る……そんな僕達を、あの受付嬢は鼻で笑っている……。
(……どうせ、〝あの人達〟戻ってきたら手柄全部とられるのに、馬鹿みたい)
……本当に感じの悪い女性だな。見てろよ、必ず成功して帰ってきてやる。
♦︎
現場まで向かう道中、互いの情報交換をする事にした。
「サニーは剣士なの?」
「うん! スキルは【軽戦士】で、素早い動きが特徴なんだよ!」
なるほど、スピードと手数で勝負するタイプの剣士か。そして腰の後ろの剣を見る限り、攻撃力も有りそうだ。どんな補助をかけるか今のうちから考えながら質問する。
「その剣、強そうだね。もしかしてエピック武器だったり?」
名工が最高級の素材で仕上げた逸品、もしくはダンジョンから出土した高性能な装備品を『エピック』と呼ぶ。
さらに上のレアリティを『レジェンダリ』と呼び……現在、片手で数える程しか確認されていない。レジェンダリ装備を持つ者は国家レベルの力を得る……と言われている。
「むっ! お目が高いっ! この剣は『晴天の宝剣』といって私の村に代々伝わる秘宝中の秘宝なのですっ!」
くるっと可愛く回って腰を見せてくれるサニー。おお……これはこれは、大きくて綺麗な素晴らしいお尻……もとい、煌びやかな鞘に納められつつ凄そうなオーラを放っている剣だな……もしエピックなら初めて現物を見た。これは期待できるぞ。
「あっくんの格好は魔法使いさんだよね? 魔法使えるなんて羨ましいなぁ……」
「まぁ、補助魔法専門だけどね」
「専門! なんか凄そう!」
……そんなリアクションは初めて貰ったな。補助専門と言って嫌な顔をしないサニーと組めて良かった。
「うん、凄い術をかけてあげる。最適最良の補助を導き出す為に、最初だけサニーの戦うところを見てでも良いかな?」
「うん! わかった! うう~……ちょっと緊張する~」
そういえば、サニーは酒場で「猪ちゃん強すぎる」と言っていたな。……エピック所持者でも苦戦する敵なら気合入れないとな。……僕も緊張してきた。
0
あなたにおすすめの小説
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
婚約者を奪った妹と縁を切ったので、家から離れ“辺境領”を継ぎました。 すると勇者一行までついてきたので、領地が最強になったようです
藤原遊
ファンタジー
婚約発表の場で、妹に婚約者を奪われた。
家族にも教会にも見放され、聖女である私・エリシアは “不要” と切り捨てられる。
その“褒賞”として押しつけられたのは――
魔物と瘴気に覆われた、滅びかけの辺境領だった。
けれど私は、絶望しなかった。
むしろ、生まれて初めて「自由」になれたのだ。
そして、予想外の出来事が起きる。
――かつて共に魔王を倒した“勇者一行”が、次々と押しかけてきた。
「君をひとりで行かせるわけがない」
そう言って微笑む勇者レオン。
村を守るため剣を抜く騎士。
魔導具を抱えて駆けつける天才魔法使い。
物陰から見守る斥候は、相変わらず不器用で優しい。
彼らと力を合わせ、私は土地を浄化し、村を癒し、辺境の地に息を吹き返す。
気づけば、魔物巣窟は制圧され、泉は澄み渡り、鉱山もダンジョンも豊かに開き――
いつの間にか領地は、“どの国よりも最強の地”になっていた。
もう、誰にも振り回されない。
ここが私の新しい居場所。
そして、隣には――かつての仲間たちがいる。
捨てられた聖女が、仲間と共に辺境を立て直す。
これは、そんな私の第二の人生の物語。
Sランクパーティを追放されたヒーラーの俺、禁忌スキル【完全蘇生】に覚醒する。俺を捨てたパーティがボスに全滅させられ泣きついてきたが、もう遅い
夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティ【熾天の剣】で《ヒール》しか使えないアレンは、「無能」と蔑まれ追放された。絶望の淵で彼が覚醒したのは、死者さえ完全に蘇らせる禁忌のユニークスキル【完全蘇生】だった。
故郷の辺境で、心に傷を負ったエルフの少女や元女騎士といった“真の仲間”と出会ったアレンは、新パーティ【黎明の翼】を結成。回復魔法の常識を覆す戦術で「死なないパーティ」として名を馳せていく。
一方、アレンを失った元パーティは急速に凋落し、高難易度ダンジョンで全滅。泣きながら戻ってきてくれと懇願する彼らに、アレンは冷たく言い放つ。
「もう遅い」と。
これは、無能と蔑まれたヒーラーが最強の英雄となる、痛快な逆転ファンタジー!
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
【状態異常無効】の俺、呪われた秘境に捨てられたけど、毒沼はただの温泉だし、呪いの果実は極上の美味でした
夏見ナイ
ファンタジー
支援術師ルインは【状態異常無効】という地味なスキルしか持たないことから、パーティを追放され、生きては帰れない『魔瘴の森』に捨てられてしまう。
しかし、彼にとってそこは楽園だった!致死性の毒沼は極上の温泉に、呪いの果実は栄養満点の美味に。唯一無二のスキルで死の土地を快適な拠点に変え、自由気ままなスローライフを満喫する。
やがて呪いで石化したエルフの少女を救い、もふもふの神獣を仲間に加え、彼の楽園はさらに賑やかになっていく。
一方、ルインを捨てた元パーティは崩壊寸前で……。
これは、追放された青年が、意図せず世界を救う拠点を作り上げてしまう、勘違い無自覚スローライフ・ファンタジー!
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
Sランクパーティーを追放された鑑定士の俺、実は『神の眼』を持ってました〜最神神獣と最強になったので、今さら戻ってこいと言われてももう遅い〜
夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティーで地味な【鑑定】スキルを使い、仲間を支えてきたカイン。しかしある日、リーダーの勇者から「お前はもういらない」と理不尽に追放されてしまう。
絶望の淵で流れ着いた辺境の街。そこで偶然発見した古代ダンジョンが、彼の運命を変える。絶体絶命の危機に陥ったその時、彼のスキルは万物を見通す【神の眼】へと覚醒。さらに、ダンジョンの奥で伝説のもふもふ神獣「フェン」と出会い、最強の相棒を得る。
一方、カインを失った元パーティーは鑑定ミスを連発し、崩壊の一途を辿っていた。「今さら戻ってこい」と懇願されても、もう遅い。
無能と蔑まれた鑑定士の、痛快な成り上がり冒険譚が今、始まる!
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる