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百十三話
しおりを挟む「路地では
話の腰を折ってしまって申し訳なかった、
ナツ、キトに何を聞きたかったんだ?」
タリアが優しく話し始めてくれたので、
私はみんなにリリの事、
リリが話してくれた事を話した
リリの話を伝えている時、
キトの手はギュッと硬く握りしめられ
震えており、唇は噛み締められていた
叩かれたり、
ご飯を食べられていなかったりと
そんな対応をされていた事、
そして、前にもキト本人が言っていたが
それに気付けなかった自分に
腹立たしさや悔しさがあるのだろう
「リリはライハに
シギの事を聞かれたとも言ってたよ」
「あの時の小さい子ども‥
まさかその子の家がシギのいたパン屋だとは
思わなかったぜ」
「それと、
チーズが好きって教えてくれたの
今日のシギが持ってた紙袋の中に
チーズがたくさん入ってたから、
私もきっとシギ本人だなと思った
でもリリの事を思い出して
キトが知ってたらもっと確実かと思って
つい、キトに聞きに行ったの‥」
「‥チーズが好きなことぐらい、
僕だって、知ってる
絶対に、シギ本人だよ」
とても小さく震えた声がキトから聞こえた
「リリがいっぱい用意しとくから
また遊びに来てねって
伝えといてほしいって言ってたよ」
「おう」
ライハがキトの様子をチラリと伺い
声を出さないキトの代わりに
返事をしてくれた
チラチラと横目でキトを見ているのは
やはり心配だからなんだろう
「あの男、なんか様子が変だとは
思ってたんだけど、
雇用主としての条件が
クリア出来ていなかった事が
バレたくなかったんだろうね」
ジーナは顎に手を当てながら
パン屋に行った時のことを
思い出しているようだ
「それに隣にいた女性も
その事を分かっているような言動だったな」
タリアも思い出しながら言葉を繋いだので
私はゆっくりと1度頷いた
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