現代で落ちこぼれの三男〜異世界転生してコアの力で人生を謳歌する〜

荒葉千歳

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転生後〜幼少期

#9コア目

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魔力感知と魔力操作を会得してからというもの、シュレットは暇を見ては練習をしていた。

初めて魔力操作ができたその日は丹田からの魔力が全然動かなかった。
練習を行ってはいるが一週間前まではずっと動かなかった。

最初は動かないものなのかという疑問で終わりそうになったが、
それもまた前世のラノベを頼りに今のいままで練習を繰り返している。

暇を見てと言っているのは、練習する際、大量の汗をかき、その場から動けなくなってしまうからなのである。
イレーナやマーガレット、屋敷の人に心配させまいと一人読書をすると嘘をつきながら練習しているのであった。


「ん? 今魔力が動いた気がする」


前回シュレットが行ったのは、施錠された扉を開錠しただけ。最初の一歩を踏み出していなかったのだ。

それが魔力操作の練習を続けた一週間後にようやく花ひらいた。満開の花びらである。
ただし、この後も大変なのである。



現実世界の書物の中には魔力は血管の中を流れるイメージと書かれていることが多いが、この世界違う。


世界中の誰しもの身体の中には魔力回路という血管とは別の魔力の通り道があり、そこを魔力が通る事で魔法が発動されるのだが


これをコアという魔力媒体は身体に宿る魔力を自動的に知覚し、魔力回路へ魔力を流し、コアを通して魔法を詠唱の通り発動させる。

これが魔法発動の仕組みなのである。


そして、そう世界中の誰しもがなのである。エルフやドワーフ、獣人や人族、植物から魔物まで全てである。
しかしながら幾ら魔物や植物を解剖した所で魔力回路は目に見えない。

見えなくはないが、それは肉眼ではという意味である。

この魔力操作の派生技能、身体能力強化、そのまた派生技能の魔力眼を習得すれば確認できるというものである。

そうした派生技能も結局のところ教えてもらわない限りは、魔力回路の部分まで行きつかないのである。


何が言いたいかと言うと、本来学校で学ぶ事であり、一人じゃ難解すぎて習得困難なのである。


閑話休題《それはともかく》


シュレットは魔力操作の第一歩を歩み始めた。歩み始めてしまったのだ。


「魔力が動いたはいいけど、これどこを通ってくんだ? チャクラみたいだからなんか専用の血管みたいなのがあるのかな?
 そこは魔力感知でどうにかなるかな?」


そうこの男には魔力感知があるのだ。
魔力操作をしていれば魔力感知でどこをどのように通っているのかが分かってしまうのだ。


「あれ? これ血管とは別のところ通ってないか? なんか前にラノベで見た魔導人形みたいだな。
 じゃあこの管を通って行けばいいのかな?」


通してしまったが最後、この道のりは派生技能身体能力強化へと到達する。

派生技能の身体能力強化とは、身体中の至る所に魔力回路があり、それを一周し、魔力回路を通った魔力が身体に浸透し、
浸透した分を差し引いた魔力量が丹田へ帰っていく。浸透した魔力で機能が向上。それを繰り返し行う技能を身体能力強化と呼ぶ。


「なんか魔力少しずつしか通っていかないなぁ・・・・ウッなんか目眩してきた・・・なんだこれ・・・・」


この後、汗だくで倒れているシュレットをマーガレットが発見するのだった。
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