現代で落ちこぼれの三男〜異世界転生してコアの力で人生を謳歌する〜

荒葉千歳

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転生後〜幼少期

#27コア目

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その日はエリオットとの訓練で吹っ飛ばされ、砂まみれになってしまった為、
一度休憩にし、お風呂に入る為、調理場の前を通りすぎたところだった。


(あ、アマンダだ。なにか作ってるのかな?)

(そういえば、アマンダの作ったアップルパイ、また食べたいな)

(あれ美味しかったんだよなぁ)


と考えつつも、マーガレットから注意は受けたものの、
これも訓練の一環と思い、人から見られない範囲で魔力眼を使っている。


まさに今回もアマンダを魔力眼で観察していた。


その時だった。


アマンダの魔力が渦みたいなところに吸い込まれるのが見えた気がした。


そして・・・。


『無属性魔法[模倣]の効果により無属性魔法[貯蓄]を模倣しました』


「え!? 」

「ん? シュレット様? おや、魔力眼ですか。習得なされたんですね。おめでとうございます。
 ということは、今の見ちゃってましたか」


あははと笑いながらアマンダはこちらに歩いてくる。


「今の渦はいったい?」

「あれはですね、無属性魔法の貯蓄っていうんです。
 自分の使っていない魔力を貯めておいて、いざ使う時に取り出す事ができるんですよ」

「あれ?でも詠唱とかしてた? なにも聞こえなかったけど」

「詠唱ですか。そうですね、見られたからには特別にシュレット様にお教えいたします。
 これはまだ誰にも言った事ないんですけど、魔法ってそれ自体を極めると詠唱破棄といって、
 詠唱なしで魔法が発動するんですよ。これを無詠唱といいます」

「無詠唱! そういうのがあるんだね! じゃあたくさん使えば無詠唱になるの?」

「いえ、ただ使えば使うだけ無詠唱に近づくわけではないんです。
 無詠唱を習得するには、その魔法の効果や特性を十分に理解した上で、
 頭の中で思い描くんです。その練習を怠ると習得はできませんね。
 
 勉強と練習あるのみです」

「なるほどね! じゃあ無属性も魔法だから練習したら無詠唱で発動できるってわけなんだね!」

「そういうことになりますね。
 私の貯蓄もどのくらいの魔力量をどれだけ吸い取って貯蓄するか、
 使う際はどの程度の貯蓄があって、どれだけ使うのかを思い浮かべてます」

「それはいい事聞いた! これは皆んなには秘密?」

「いえ、特には。聞かれなかったので答えてないだけですね。
 シュレット様がお教えしたい方がいらっしゃったら是非教えてあげてください」

「わかった! ありがとう! じゃあとりあえず屋敷のみんなにも教えとこ!」

「えぇ、それが良いと思います」


アマンダから貯蓄の話と無詠唱の話を聞いたシュレット。


それから直ぐにでも教えようと、屋敷のみんなを集めてアマンダの話をした。


「アマンダ、本当に教えてもらってよかったのか?
 俺はてっきり秘密があるんだろうと思って聞かなかったんだが・・・」

「はい旦那様。皆様のお役に立てるということであれば存分にお使い下さいませ」

「ありがとうアマンダ。いやー、一魔法使いとしてこれ程踊るものはない!
 また強くなれるというなれば是非もないな!」


そうして、マルズレットを始め、みんながこぞって無詠唱の練習を始めた。


もちろんシュレットも練習を始めた。
もともと鑑定や模倣なんかは使ってたからか、すぐに習得できた。


こうして、シュレットは自分が模倣で獲得した魔法を全て無詠唱で使えるようになったのだった。
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