【改稿版】人間不信の俺が恋なんてできるわけがない

柚希乃愁

文字の大きさ
57 / 105
第五章 過去との再会

閑話1 彼女と彼のオープンキャンパス

しおりを挟む
 夏休みも後半の今日、未来はある大学のオープンキャンパスに来ていた。
 瑞穂、雪愛、香奈とは被らなかったため、一人だ。
 未来には瑞穂達以外に一緒に行きたい相手はいなかったから。

 けれど、それがよくなかったのかもしれない。
 誰か別の人を誘えばよかったという意味ではない。
 この大学を止めればよかったという意味だ。
 その理由が今目の前にいた。

「ちょっと聞いてるの?未来。あんた男漁りばっかで人と話すこともできなくなったわけ?」
 未来はため息を吐きたい気持ちをグッと堪え、正面に立つ同級生、去年は友人だと思っていた相手に答えた。
「そもそもー、そんなことした覚えはないんだけどなー」
「未来、それはないよ。友里ゆりの好きな人奪っておいて」
「本当。よくそんなこと言えるね」
 すると、その同級生、友里の横に立つ、同じく同級生の二人が未来に言葉をぶつける。
 先ほどから、未来が何を言ってもこの繰り返しだ。

 彼女達が言っているのはもう半年以上は前のことだ。もう少しで一年になるだろうか。友里が好意を寄せた相手が未来に告白してきたのは。その過程には自分にも落ち度はあったし、友里に対して申し訳ない気持ちもあるが、その後の彼女達の行動を考えれば同情ばかりしていられない。二年になって雪愛達と出会い、仲良くなるまで、未来はずっと苦しんだのだから。それは簡単に忘れられるものではないし、心に負った傷は簡単に癒えるものではない。
 それなのに、未だ自分に突っかかってくる彼女達に未来は辟易していた。
 まだ未練があるなら勝手に告白でもなんでもすればいいし、もう好きではないのなら自分に構ってないで新しい恋でも見つけた方が余程建設的ではないだろうか。

 正直、すでにただの同級生というだけの彼女達に絡まれるのは迷惑以外の何物でもなかった。

 それに、そもそも彼女達もオープンキャンパスに来たのなら、そろそろ集合場所に向かった方がいいと思うのだが。
 そんな風に思っているのは未来だけで今は未来の相手に夢中らしい。ここまで執拗にされると自分を相手にストレス発散をしているだけではないかとさえ思えてくる。

 未来はもう帰りたくなっていた。
 このままもう一度正門を通って駅に向かいたい。そして何か甘いものでもゆっくり食べたい。そんな風に別のことを考えて嵐が去るのを待っていた未来だったが、それがいけなかったのかもしれない。
「あんた調子に乗り過ぎなんじゃないの!?このクソビッチが!」
 未来ののらりくらりとかわすような態度が気に入らなかったのか、友里が汚い言葉を大声で言った。
 今度は堪えられず、はぁ、っとため息が出てしまった。
 こんなに人がいる中で、そんなことを大声で言う彼女は自分がどう見えるか考えないのだろうか。
 そんな言葉を大声で言う友里の方こそ、そういう人間に見える。ここには他校の学生がたくさんいて今も近くを通った学生が驚いたようにこちらを見ているのだが、友里に気にした様子はない。一緒にいることでこんな人達と同じだと思われるのはすごく恥ずかしい。

「何ため息なんか吐いて―――」
「あれ、綾瀬さん?」
 友里が未来のため息を咎めようとさらに言葉を発したところに割り込む声があった。
「安田っち?」
 いつの間にか近くに立っていたのは隆弥だった。
「どうしたのこんなところで。もうすぐ集合時間になっちゃうよ?僕遅刻しそうだと思って駅から急いで来たんだ」
 どうやら遅れそうだと急いで来たのに、未だこんなところで立ち話をしている未来を見かけて声をかけたようだ。
「安田っちもここ申し込んでたんだー?」
 友里達と不毛なやり取りをしていた未来は隆弥の登場に表情を和らげる。が、友里は急に自分達の邪魔をしてきた隆弥を睨むようにして見る。
「ちょっと、何勝手に話に入ってきてんの?っていうか、あんた誰よ?」
 知らない相手なのにかなり高圧的だ。隆弥が男子にしては小柄のため見た目で舐めているのかもしれない。
 隆弥はチラリと友里を見ると未来に言った。
「この人達は綾瀬さんの友達?」
「んー、去年の途中までは、かなー?」
 隆弥の問いに苦笑を浮かべ、未来は答える。
「そっか。じゃあさ、折角だし一緒に行かない?」
 友里を無視して話を進める隆弥に友里達はイライラし始めた、かと思えば、下品なニヤニヤ笑いを浮かべだす。
「あんた、マジで何なの?……ああ、そういうこと?未来、今度はこいつに色目使ってるわけだ?こんなやつまで対象だなんてさすがビッチ。あんたもまんまと誑し込まれたわけだ」
「っ、安田っちは―――――」
「僕は綾瀬さんの友達だけど?変な言いがかりは止めてもらえるかな。そんな下らないことしか言うことがないなら僕たちはもう行くから。わざわざここまで来て遅刻したくはないしね。行こう?綾瀬さん」
 関係ないと言おうとした未来の声に重なるように、隆弥が言った。
 それどころか強制的に友里達との会話まで終わらせてしまった。
 そして、未来の腕を掴んで、どんどん歩いていく。
 それにつられて未来も進む。
「えっ?安田っちー?ちょっとー?」
 後ろからは友里達の罵詈雑言が聞こえてくる。
 だが、彼女達も極端に強く出るのは未来に対してだけだ。未来達を追いかけて来ようとすらしていなかった。

 しばらく歩き、友里達の姿が見えなくなったところで、隆弥は未来の腕を放し謝った。
「ごめん、綾瀬さん。急に腕を掴んだりして。本当にごめんね。痛くなかった?」
 必死に謝る隆弥に未来は目を丸くする。そしてパチパチと瞬きを繰り返す。先ほど友里達に向かって話していたときは今まで見たことがないほど冷たい目をしていたというのに、今はいつもの優しい目だったから。
 それに、どう考えても自分は隆弥に助けてもらった側で、謝られることなんてない。
「ううん、全然。こっちこそ助けてくれてありがとー。でも、どうして助けてくれたのー?」
 本当に痛くなんてなかった。隆弥は決して無理やりにならないように優しく導いてくれた。だからお礼を言ってから気になったことを聞いた。
「どうしてって、友達だもん。当たり前だよ。ただ、話しかけるのが遅くなってごめんね。最初はただの友達同士のお喋りだと思っちゃって」
 そう言って恥ずかしそうに笑う隆弥。だが、未来からすればいったい何を恥ずかしがる必要があるのか、といった感じだ。
 それを当たり前と言える人が一体どれほどいるだろうか。
 今の言い方からすると友里達の言葉を隆弥は聞いていたことになる。
 尚の事、見て見ぬふりをする方が自然に思えた。
 未来が素直にそう言うと、隆弥は苦笑を浮かべた。
「前に…、球技大会の時にさ、試合中春陽君がクラスメイトから色々言われてるのがすごく悔しかったんだ。試合中だから言い返すことはできないし、元々僕はあんまりそういうことが得意じゃないんだけど。でも、もし次友達が謂れのないことを言われてたら絶対に行動しようって思って」
「……私が言われてたのはー、謂れのないことなんかじゃないかもしれないよー?」
 未来はあえて自分を悪く言ってしまった。
 隆弥が何と言うか聞いてみたくなったのかもしれない。
「?それはないよ。一緒に話したり、遊んだりして綾瀬さんはそんな人じゃないってそれくらいわかってるつもりだよ。まあもし彼女達の言うことが正しくてもあんな場所で言うことじゃないし、やっぱり止めるよ」
 未来は隆弥の言葉に目を大きくする。
 友里達が流した噂、それを信じる者はいても、未来はそんな人じゃない、そう言って味方になってくれる人は当時いなかった。
 瑞穂達に話したとき、信じてもらえたのが初めてだったのだ。
 男子は、自分も、なんて言ってくる人ばかりだった。
 だから隆弥の言葉が未来にとっては大きな衝撃だった。
「安田っちは優しいねー」
「僕なんて全然だよ。それに相手は女子なのに出て行くのちょっと怖かったしね」
 そう言って後頭部に手をやり、苦笑する隆弥。
「ふふっ、そうだったんだー。全然そんな風に見えなかったよー?」
 あのときの隆弥の冷たい目は、普段なら、自分に向けられたなら、怖いと思ったかもしれない。でも自分のためだと思うと不思議なことにちょっと格好良かったとさえ思えてしまう。
「ならよかった。って話してる場合じゃなよ!本当に時間、遅れちゃう。行こう綾瀬さん」
「うん!」
 こうして、この日のオープンキャンパスを二人で過ごすことになった隆弥と未来。隆弥はその話し方や見た目の雰囲気のとおり、とても優しい男子だ。アイドルオタクをしていた未来は自分のことをイケメン好きだと思っていた。だから恋をするならそういう相手だろう、と勝手に思い描いていた。そんな未来にとって、正直イケメンとは言えない、小柄で気の弱そうな隆弥は決して恋愛対象にならない。そのはずだった。それなのに――――。

 説明会のとき、何となく隣に座る隆弥に目がいってしまった。
 隆弥は真剣に話を聴いていた。その横顔を見ていたら、何だかずっと見ていたくなる。それに隆弥の隣はなぜかすごく居心地がいい。それは未来にとって、雪愛達と一緒にいるとき以外では初めてで、不思議な感じだった。当然、異性相手に思ったことなんてない。
「どうかした?綾瀬さん」
 未来の視線に気づいたのか、隆弥が未来に顔を向け小声で聞いてきた。
「っ、……なんでもないよー」
 首をぶんぶんと横に振って、同じく小声で答える未来。気づかれたことが恥ずかしくて少し頬が熱い。
「そう?」
 隆弥は少しだけ首を傾げたが、すぐに顔を正面に戻した。
 未来はほっと安堵の息を吐く。
 そして心の中で自分に落ち着けと言い聞かせる。
 隆弥はみんなに優しい。思えば花火大会に行ったときも、みんなに気を配っていた気がする。それに今日助けてくれたのだって隆弥自身で言っていたではないか。春陽の件があったからだと。自分が特別、という訳ではないのだ。それなのに何をそれだけのことで勝手に盛り上がっているのか。こんなのは吊り橋効果みたいなものだ。

 それからなんとか気持ちを落ち着けた未来は、半日ほどのオープンキャンパスを隆弥と一緒に過ごした。
 隆弥がずっと傍にいてくれたおかげで、未来のオープンキャンパスは充実したものとなった。それは一人で来ることが決まり、実際に来て、友里達に囲まれたところまででは考えられなかったほどに。
 最寄り駅まで二人で歩き、別れのときとなった。もう夏休み中に隆弥と会う機会はないだろう。それがちょっぴり寂しく感じる。でも二学期になれば―――。
「それじゃあまたねー、
「うん、またね綾瀬さん」
 この頃には、呼び方が変わっていた。隆弥はまだ隆弥っち呼びに違和感があるのか苦笑を浮かべるが、嫌がっている様子はない。今後慣れていってほしいところだ。未来の中ではもう名前で呼ぶと決めたから。男子で、初めて。

(早く二学期にならないかなー)
 隆弥と別れた後、未来はそんなことを考えていた。
 二学期が始まったらどうしようか。とりあえず隆弥といっぱい色んな話をしたい。そうだ。だから自分から話しかけに行こう。今なら雪愛が五月の連休明けから積極的に春陽に話しに行っていたのがすごくよくわかる。
 雪愛のときは恋してることに気づいていないだけだとわかったのに、自分のことになるとこれが恋なのか、未来にもよくわかっていない。けれど少なくとも仲良くなりたいという気持ちは本当だから。

 これまでの学生生活で初めて、未来は夏休みが早く終わればいいのに、と思った。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

三年間片思いしていた同級生に振られたら、年上の綺麗なお姉さんにロックオンされた話

羽瀬川ルフレ
恋愛
 高校三年間、ずっと一人の女の子に片思いをしていた主人公・汐見颯太は、高校卒業を目前にして片思いの相手である同級生の神戸花音に二回目の告白をする。しかし、花音の答えは二年前と同じく「ごめんなさい」。  今回の告白もうまくいかなかったら今度こそ花音のことを諦めるつもりだった颯太は、今度こそ彼女に対する未練を完全に断ち切ることにする。  そして数か月後、大学生になった颯太は人生初のアルバイトもはじめ、充実した毎日を過ごしていた。そんな彼はアルバイト先で出会った常連客の大鳥居彩華と少しずつ仲良くなり、いつの間にか九歳も年上の彩華を恋愛対象として意識し始めていた。  自分なんかを相手にしてくれるはずがないと思いながらもダメ元で彩華をデートに誘ってみた颯太は、意外にもあっさりとOKの返事をもらって嬉しさに舞い上がる。  楽しかった彩華との初デートが終わり、いよいよ彩華への正式な告白のタイミングを検討しはじめた颯太のところに、予想外の人物からのメッセージが届いていた。メッセージの送り主は颯太と同じ大学に進学したものの、ほとんど顔を合わせることもなくなっていた花音だった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜

瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。 まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。 息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。 あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。 夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで…… 夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

新しい家族は保護犬きーちゃん

ゆきむらさり
エッセイ・ノンフィクション
〔あらすじ〕📝初めて🐶保護犬ちゃんを迎え入れる我が家。 過去の哀しい実情のせいで人間不信で怯える保護犬きーちゃん。 初日から試行錯誤の日々と保護犬きーちゃんがもたらす至福の日々。 ◇ 🔶保護犬ちゃん達の過去・現在の実情の記述もあります🐾 🔶日々の些細な出来事を綴っています。現在進行形のお話となります🐾 🔶🐶挿絵画像入りです。 🔶拙いエッセイにもかかわらず、HOTランキングに入れて頂き(2025.7.1、最高位31位)ありがとうございます🙇‍♀️

【完結】大変申し訳ありませんが、うちのお嬢様に貴方は不釣り合いのようです。

リラ
恋愛
 婚約破棄から始まる、有能執事の溺愛…いや、過保護?  お嬢様を絶対守るマンが本気を出したらすごいんです。  ミリアス帝国首都の一等地に屋敷を構える資産家のコルチエット伯爵家で執事として勤めているロバートは、あらゆる事を完璧にこなす有能な執事だ。  そんな彼が生涯を捧げてでも大切に守ろうと誓った伯爵家のご令嬢エミリー・コルチエットがある日、婚約者に一方的に婚約破棄を告げられる事件が起こる。  その事実を知ったロバートは……この執事を怒らせたら怖いぞ!  後に後悔しエミリーとの復縁を望む元婚約者や、彼女に恋心を抱く男達を前に、お嬢様の婿に相応しいか見極めるロバートだったが…?  果たして、ロバートに認められるようなエミリーお嬢様のお婿候補は現れるのだろうか!? 【物語補足情報】 世界観:貴族社会はあるものの、財を成した平民が貴族位を買い新興貴族(ブルジョア)として活躍している時代。 由緒正しい貴族の力は弱まりつつあり、借金を抱える高位貴族も増えていった。 コルチエット家:帝国一の大商会を持つ一族。元々平民だが、エミリーの祖父の代に伯爵位を買い貴族となった資産家。

処理中です...